第033房 2005年テニス界10大ニュース (2006/01/08)
テニスのお寺 電脳網庭球寺 僧房編
「2005年 テニス界10大ニュース」
各リンク先で記事をご覧ください。
その1 サフィン、打倒フェデラーなる。
その2 グランドスラマー、S・ウィリアムズ全豪で復活
その3 ナダル台頭、フェデラーの生涯グランドスラムを阻止する。
その4 エナン復活の全仏制覇
その5 ロディック・ヒューイット、未だ打倒フェデラー果たせず。
その6 V・ウィリアムズ、シャラポワ・ダベンポートの激戦を経てウィンブルドン優勝
その7 アガシ、ブレークとの名勝負の末に全米決勝進出、されど打倒フェデラーならず。
その8 クライシュテルス全米で初のグランドスラムタイトル取得。
その9 大波乱のTMCにてフェデラー3連覇ならず。
その10 無冠の女王モーレスモ、ツアー選手権優勝
トピックスを男女別に並べると
男子
「皇帝フェデラーとサフィンの馬鹿」
「皇帝フェデラーと鉄壁のナダル」
「皇帝フェデラーと未完の大器ロディック、あるいは不屈のヒューイット」
「皇帝フェデラーと生きている伝説アガシ」
「皇帝フェデラーと野武士たち」
女子
「女王セリーナとリンジーの局と姫マリアと」
「孤高の女王エナン」
「ヴィーナスの中に蘇る牙」
「キムの長い夜が明けるとき」
「モーレスモ、ブレークスルー」
2004年は年末に『テニスのお寺 電脳網庭球寺 僧房編「2004年 テニス界10大ニュース」』を掲載しました。2005年も10大ニュースの記事をアップさせるべく過去の記事を参照しながら今年一年を振り返っています。今年はテニスを観戦するようになって最も充実した内容の一年だったと思います。男女共にです。そして、10大ニュースを選出しようと思っても今年は上手くまとめられずにいます。個々の事象が独立しているのではなく、去年の後半あたりから様々な出来事がかかわりあって其々のビックニュースが成り立っているのが今年のツアーだからです。
そこで今年は10大ニュースに一位から十位までの順位をつけて発表するのではなく、「その一」から「その十」まで時系列でATPとWTAに起こった主だったことを、グランドスラムの話題を中心にして、記事にしていこうと思います。
ATPは当然のごとくフェデラーが君臨した一年でした。去年の10大ニュースのベスト1に私は「フェデラーのリトルスラム達成」を上げています。そしてその記事の最後をこう締めくくっています。
「・・・・・・とにかく凄い。今年の彼のテニスの素晴しさは、いくら言葉を並べても語りきれない。文句なしの王者である。いや王者では役不足だ、王をさらに従える皇帝の称号こそ彼にはふさわしい。しかもフェデラーはまだ23歳だ。これからさらに強くなる。同世代の選手ではもはや誰も彼を止められないかもしれない。フェデラーが自ら歩みを止めるまで。」
この日から私はフェデラーに対して勝手に「皇帝」と言う称号を与えて、ブログの記事の中で「皇帝フェデラー」と呼んでいます。皇帝は今年たったの4回しか負けていません。しかし,彼が手にしたビックタイトルはGSで全英・全米の二つだけ、MSはインディアナウェルズ・マイアミ・ハンブルグ・シンシナティの4つで、マスターズカップも3連覇はなりませんでした。ここ一番の大勝負でライバル達がしっかりとフェデラーを止めたのです。フェデラー圧倒に見えるこの一年ですが、一年全体を俯瞰して見るとなかなかドラマチックで興奮する一年間の戦いでした。そしてその主だった出来事の全てにフェデラーが絡んでいるのも当然のことであると同時に凄いことだと思います。ATPはこの皇帝フェデラーにライバル達が如何に立ち向かったかを10大ニュースで取り上げて行こうと思います。
WTAは元女王ウィリアムズ姉妹とエナンが復活し、無冠の女王クライシュテルスとモーレスモがビックタイトルととり、WTAの大奥総取締役とも言うべきベテラン、ダベンポートとピエルスがその健在振りを示した一年でしたが、その活躍した彼女達に大きな影響を与えているのがWTAのプリンセス・シャラポワだったと思います。去年はウィンブルドンとツアー選手権を取り、今年は一時的にエントリーランキングNO1にもなりましたが、総じて年間の結果はシャラポアにとっては不本意だったことでしょう。しかし、彼女の持つテニスへの直向な姿勢、勝利への飢え、ボールへの執着心、これこそがここ数年WTAのトップ選手たちに欠けていたモノであり、それがシャラポワと試合を通じてかかわることでトップ選手たちの胸の内に蘇ってきたことが今年の最大のニュースであるように思います。
WTAはその姫、プリンセス・シャラポワと女王様とお局様の其々の絡み合いをニュースとして取り上げていこうと思います。
今年は「僧房」の観戦記で書けたいい文章を上手く編集しながら10大ニュースを記事にしていきます。独断と偏見による、まったく身勝手な10大ニュースです。しかし、しんどかったー。途中でこの作業を始めたことをどれだけ後悔したことか。僧房の記事を編集して楽しようと考えていたが、何だかんだでオリジナルの文章が半分以上占める結果になってしまった。自分が恐ろしい。もともと、全豪SFのサフィン対フェデラー戦、シャラポワ対S・ウィリアムズ戦をきちんと記事にしておらず、それがこの一年間ずっと気になっていて、10大ニュースにかこつけてこの記事をしっかりと書こうとしたことが事の始まりだったのだが、書いている内にあれもこれもと欲張ってしまい、取り留めのない内容になってしまった。来年はもうやめておこう。単純なトピックス方式にしよう。
だけれども今年のATPとWTAを総括しようと思えばやはりこの方法でしかまとめ切れなったと思う。それほどいろいろな事象が別の様々な事象とつながって成り立っていたことを思い知らされる。特に女子はここ5年間の様々な問題や課題が一定の答えを持って解決された年だったように思う。
今年はとても充実した一年だった。素晴らしいシーズンを届けてくれた選手たちに感謝。来年も熱いツアーを期待しよう。