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第095房 2009年 秋のアジアシリーズ TV観戦記 (2010/03/03)

 

2009年09月26日 秋の祭典2009 開幕

またやったね、皇帝陛下。

フェデラー、ジャパンオープン2009欠場を表明、
錦織圭、ジャパンオープン2009欠場確定、復帰は来季

このニュース、日経新聞朝刊のスポーツ欄に小さな記事だが載る位だ、テニス界だけでなく広くプロスポーツ全般の世界でもフェデラーはそれだけ大物ということか。しかし、二年前の欠場を知っている人々は今回のフェデラーの欠場をある程度予想していたのではないか。如空はフェデラーがデビスカップのスイスチームに参加して5セットマッチの試合に先週末出場した時点で、「前回欠場したときと同じ展開になってきているな。」と思っていた。今年は子供も生まれ、家庭人としてオフの必要性は更に増しているだろう。まして今季グランドスラム4大会全てに決勝進出、かつNo1に返り咲きである。ここで無理はせんわなあ、と思っていた。理由は疲労の蓄積で、ほぼ前回同様と見てよい。
予想外だったのはその翌週のマスターズ1000シリーズ第八戦上海大会もフェデラーは欠場すると表明していることだ。No1としての責任について常々その重責を発言しているフェデラーである。ジャパンオープは蹴っても新設のマスターズ大会である上海は必ず出場してくるだろうと勝手に予想していただけに少しショックであった。
ジャパンオープンがそんな毎年ほとんど恒例となってしまっている棄権劇にさらされているなか、日本の東京では東レパンパシフィックオープンが 開催される。9月27日の日曜日開催で、最終日の決勝は10月3日の土曜日という変則スケジュールだ。このWTAツアープレミアム200万ドルクラス、ア ウトドアハードコート大会の第一シードはサフィーナ、以下ヴィーナス・ウィリアムズ、ディメンティワ、ウォズニアッキ、クズネツォワ、ズボナレワ、ヤンコ ビッチ、アザレンカ、ペネッタ、イバノビッチ、ラドワンスカ、ストーサー、ペトロワ、バルトリ、リー、ラッツアーノという豪華メンバーだ。No2のセリー ナ・ウィリアムズが欠場しなければエントリーランキングトップ16が全員出場することになっていた、まさにグランドスラム級の顔ぶれである。数年前まで 「ティア1きっての振られ上手」と呼ばれたこの東レ大会だが、やはりこの秋にアジアシリーズの一環として組み込んだことが功をそうしているのだろう。それでもATPでは蹴飛ばされているが・・・・。日本人選手は森田、クルム伊達、そしてこの大会で引退を表明している杉山がストレートインで参戦する。ちなみに初戦の相手は森田がクレイバノワ、伊達がオズニアック、杉山がペトロワである。タフじゃー。善戦を期待しよう。そして初戦突破を願おう。
日本テニス界にとっては秋の祭典となるこの一連の大会トップ、東レ大会はGAORATBSで中継される。直接有明コロシアムに観戦に行かれる方も多いことだろ。この日本テニスの秋の祭典、大いに楽しもう。

 

2009年09月28日 恐ろしき人、伊達

ルーマニアのブカレストで開催されていたBCRルーマニアオープン、決勝で激突したのは第三シードモナコと第五シードモンタネス、勝ったのはモンタネスである。76 76 という連続TBを制してのストレート勝利であった。モンタネスは来季のクレーシーズンで大いに暴れてくれそうな気がしているので、これは うれしい前兆として見ておこう。
フランスのメスで行われていたモーゼル・オープン、第一シードモンフィスと第二シードコールシュライバーが順当に決勝まで勝ち上がってきた。決勝はフルセットマッチの末、勝ったのはモンフィス、うれしい地元フランスでの優勝である。

ウズベキスタンのタシュケント・オープンはピアーが優勝した。先週も広州で優勝しているから二週連続優勝だ。
そしてWTAのアジアシリーズ、韓国のソウルで日本のクルム伊達が優勝した。第五シードクレイバノワ、第一シードハンチェコワ、キリレンコを撃破、決勝で 第二シードメディナガルゲスをストレートで破っての堂々のツアー復帰後初優勝である。いやあ、これは驚いた。伊達さんには失礼だが、ダベンポートやヒンギスやクライシュテウルスのように引退後復帰してのツアー優勝はさすがに無理だと決め付けていた。特に全豪以降のツアーの成績を見るにツアーレベルの大会本選でマッチ一勝するのもかなり厳しいと見ていた。それが優勝ですか。いきなり。ふぇ・・・・・去年、日本国内の下部大会でクルム伊達に中村ら現役の若手が負けるのを見て、若手らの方を問題ありと見ていたが、違うわ、やはり伊達はそれだけ強かったのだ。恐ろしい人だ、クルム伊達公子って。

 

2009年09月29日 波乱含みの有明

秋だ、極東だ、秋のアジアシリーズだ。WTAに続いてATPでもアジアシリーズに突入する。
タイのバンコクではPTTタイ・オープンが 開催される。このATPツアー250クラス、アウトドアハードコート大会の第一シードはツォンガ、以下シモン、クエリー、トロイッキ、 PETZSCHNER、メルツァー、サントロ、アイズナーとシード勢が続く。結構豪華じゃないか。ツォンガとシモンのフランスコンビが1・2シードという のがいい。特にシモンは今季は少し期待はずれであっただけに、来季に向けて、ここでいい結果を出してもらいたいものである。
マレーシアのクアラルンプールではマレーシア・オープンが 開催される。このATPツアー250クラス、インドアハードコート大会の第一シードはダビデンコ、以下ヴェルダスコ、ソダーリング、ゴンザレス、モンフィ ス、ベルディッチ、フェレール、ヒューイットとシード勢が続く。こちらもなかなか豪華じゃ。今季、グランドスラムで好成績を残している選手たちが揃ってい る。特にトップシードの4人がそのまま4強に勝ち残ると、とても豪華なSFとなる。大いに期待したい。
WTAでは東京で既に東レ・パンパシフィックオープンが開幕している。杉山の引退試合でもあったこの大会、杉山は初戦で棄権して、最後のシングルス公式戦 を終えた。先週韓国で優勝したクルム伊達もオズニアックに初戦で敗れた。そしてなんと第一シードサフィーナまで初戦で敗退してしまった。サフィーナはこの ままずるずると衰退していくのだろうか。心配である。

 

2009年10月03日 期待通りではないものの 2009東レパンパシフィックオープン決勝

グランドスラム並みの豪華メンバーが揃ったといわれた今年の東レパンパシフィックオープン、しかしシード勢が軒並みダウンした。だがその中、シャラポワとヤ ンコビッチという元世界No1が決勝に残ったことは大会関係者を安堵させたことだろう。杉山の引退大会かつ、直前にクルム伊達が韓国でツアーレベル大会復 帰後初優勝というニュースに沸き、いつも以上に日本勢にも期待がかかったが、皆シングルスは初戦で敗退してしまった。だがその中、ダブルスではハンチェコ ワ・杉山組が決勝に勝ちあがってきたことは日本人ファンに希望を与えたことだろう。だがシングルスもダブルスも決勝戦は期待通りにはいかなかった。

2009東レパンパシフィックオープン
シングルス決勝
シャラポワ 52 棄権 ヤンコビッチ
ダブルス決勝
クレイバノワ・スキアボーネ 64 62 ハンチェコワ・杉山

ヤンコビッチは腕を痛めて途中棄権である。どうも東レは試合中の棄権劇にさらされるな。シャラポワは今季初優勝、ツアー通算20勝目である。ちなみにシャ ラポワのツアー初優勝はジャパンオープンであった。この戦線離脱後の復帰後初優勝がまた日本での大会になるとは面白い偶然である。しかし、シャラポワ対ヤ ンコビッチという組合せはとても新鮮なカードだっただけに、お互い万全の体制での接戦を見てみたかった。残念である。
大砲クレイバノワと切れ味抜群のベテランスキアボーネのペアは強かった。クレイバノワはサーブだけでなく、大事なところでポーチに出てくるその強気がい い。スキアボーネの片手打ちバックハンドは相変わらず見事だし、引きつけて打つフォアの角度の広さは素晴らしい。ネットでの守備範囲も広いし、このペアは 強いわ。杉山・ハンチェコワ組みは最初の4ゲームこそ連取したが、その後はほとんど相手に封じ込められていた。それでも現役最後の大会を準優勝で終われ て、杉山は良かったかもしれない。試合終了後、対戦相手のスキアボーネから使用していたラケットを送られていた。杉山は今後、どのような人生を送っていく のだろう。杉山愛のこれからの人生に幸多かれと祈りたい。

 

2009年10月06日 微妙な秋の祭典

中華人民共和国の首都は北京、その北京で今週チャイナ・オープンが開催される。チャイナ・オープンは男女同時開催である。
ATPはツアー500クラス、アウトドアハードコート大会である。この大会の第一シードはナダル、以下ジョコビッチ、ロディック、ダビデンコ、ヴェルダス コ、ソダーリング、ゴンザレス、チリッチとシード勢が続く。豪華な顔ぶれではないか。シード勢の半分がベスト8に残ってくれればそれで十分な感じのする大 会だ。久しぶりに登場のナダルとジョコビッチのパフォーマンスに注目しよう。
WTAはプレミアム450万ドルクラス、アウトドアハードコート大会である。この大会の第一シードはサフィーナ、以下セリーナ・ウィリアムズ、ヴィーナ ス・ウィリアムズ、ディメンティワ、ウォズニアッキ、クズネツォワ、ズボナレワ、ヤンコビッチ、アザレンカ、ペトロワ、イバノビッチ、ペトロワ、バルト リ、ストーサー、リーと続く。イバノビッチは欠場になったようだが、それでも豪華じゃ。東レと違ってシード勢はきちんと勝ちあがって欲しいものである。
さて日本ではテニス界の秋の祭典が続く。首都東京では楽天ジャパンオープンが 開催されるのだ。第一シードはフェデラー・・・・・じゃなかったデルポトロ、第二シードはマレー・・・・じゃなかったツォンガ、以下シモン、モンフィス、 ベルディッチ、ステパネック、バブリンカ、ヒューイットとシード勢が続く。微妙な顔ぶれじゃ・・・・如空としては興味のある選手が揃っていると思うのだ が、それでもフェデラー・錦織・そしてマレーまでも欠場してしまったのは痛いな。それでも全米覇者デルポトロに挑むフランス勢、そして去年デルポトロを 破って優勝しているベルディッチと見所は多々あるのだが、やはり玄人好みで華がないかなあ・・・・
ちなみにジャパンオープンは例年通り男女同時開催であるが、女子はWTAツアーでなくなった。ITFのプロサーキットというクラスの大会になった。それでもプロの大会である。森田も出る。こちらも注目である。
さてジャパンオープンは前半をGAORAが、後半をNHKが中継してくれる。毎年の事ながらこの中途半端な中継体制はなんとかならんかね。GAORAは今週末チャイナ・オープンの準決勝・決勝を中継してくれる。こちらも期待しよう。

 

2009年10月09日 2009ジャパンオープンQF

第一シードデルポトロ初戦でダウン、第三シードシモン二回戦でダウン、思い通りにいかないのがジャパンオープン、それでも実力者たちが鎬を削る2009年楽天ジャパンオープンである。ベスト8QFはどれも実力者同士の好ゲームであった。

2009年楽天ジャパンオープン準々決勝
ヒューイット 64 60 ロゼバセラン
ユーズニー 62 76 ベルディッチ
モンフィス 26 63 64 バブリンカ
ツォンガ 46 64 63 グルビス

NHKのBSでヒューイット戦とユーズニー戦が録画中継されていた。
デルポトロを破った予選上がりのロゼバセランは鋭いストロークと果敢なネットダッシュが武器のフランスの新鋭である。NHKの解説福井烈氏によると彼の父 親が福井烈氏と同じ歳のテニス選手であったらしく、親子でよく似ているとのこと。父親は全仏ベスト8まで行ったらしい。息子は父親の才能を十分に受け継い でいるのだろうか、なかなか良いテニスをする。攻撃力で優るロゼバセランは試合を優位に進めていたが、ヒューイットの粘りの前にジワリジワリと押し戻さ れ、最後はゲームが取れなくなるまで圧倒されるようになっていった。ストローク戦で負けていなかったが、ネットへの突進に対するヒューイットのパスとロブ が鮮やかにロゼバセランを抜き去り、時にミスさせ、ロゼバセランからネットへの一連の動きから鋭さを奪っていった。ヒューイットは途中、特別ギアを上げた わけではないのだが、第二セットはベーグルでヒューイットが押し切った。久しぶりにヒューイットの強いテニスを見た。
試合結果を知らずに録画中継を見ていたので、ユーズニー戦はベルディッチが逆転で第二セットを取るものと思い込んでTVを見ていた。第一セットで押されて いたベルディッチの第二セット中盤からの逆転劇はそれほど見事であった。最後に追いついてTBに突入した。TBはベルディッチリードで6-3まで来た。こ こまで来ればベルディッチが取るだろうと思った。だがそこからユーズニー怒涛の攻勢で逆転、TBを取り、ストレートで前年度覇者を倒した。さすがにショッ クだったのか、試合終了後にラケットをコートに叩きつけ、折れたラケットをぶら下げてベルディッチはコートを去った。
しかし、ユーズニーってあんなに強い選手だったっけ。サーブもフォアも強い、ネットにもガンガン出てくる。去年のジャパンオープンのダブルス覇者だけあって ボレーのタッチが上手い。しかし、何より目を引くのはバックハンドストロークである。片手打ちのバックハンドでフォア並みの強打を打てる選手というのはプ ロでもそうはいない。しかし、ユーズニーの片手打ちバックハンドには大砲が備わっている。あれがダウンザラインに炸裂すると、そのままノータッチでエース になる。あれは脅威だろう。そしてその大砲があるからこそ、多用しているバックハンドスライスの緩急がまた効いて来るのだ。強いだけでなく見ていてかっこ いいテニスだ。特に片手打ちバックハンドが好きな人にはたまらく魅力的な選手だろう。
しかし、詰めがやや甘い。第二セットは先にブレークして一気に決めることが出来たのに、終盤に不用意なミスをしてベルディッチに追いつかれた。二回戦でシモンに勝利しているのだが、そこでも第二セットシモンを追い詰めながら取り逃がし、ファイナルセットまでもつれたらしい。
強力な武器と詰めの甘さを待つ男、ユーズニーはSFでヒューイットに当たる。ボトムハーフはモンフィス対ツォンガのフランス勢対決である。どちらも如空的には興味の引かれる対戦である。熱戦を期待しよう。

 

2009年10月10日 2009ジャパンオープンSF

2009年楽天ジャパンオープン準決勝
ユーズニー 62 57 75 ヒューイット
ツォンガ 63 63 モンフィス

NHKのBSでヒューイット対ユーズニー戦が録画中継されていた。
やはりヒューイットはスロースターター、2ブレークされ第一セットを取られても慌てずに第二セットで押し返す。やはりユーズニーは詰めが甘い、第二セットで決めるチャンスは大いにあったと思うのだが、5-5となった第十一ゲームで連続ダブルフォールトを犯し、頼みのバックもラインを割ってヒューイットに初 ブレークを献上してしまった。第二セットはその1ブレークを生かしてヒューイットが取る。
第三セットは競り合う。5-5までキープ合戦で来た。ユーズニーが先に自分のサービスゲームをキープする。6-5で第十二ゲーム。ヒューイット先行するダ ブルフォールトで30-15となる。ユーズニーのバックハンドが火を噴く。ストレートに強打、そしてクロスに強打のバックハンド二連射で30-30とす る。ヒューイットがサービスポイントで先行するが、ユーズニーのバックハンドがリターンで再びストレートに火を噴いた。40-40、ここでヒューイットア プローチミスでユーズニーにマッチポイントが来た。最後はヒューイットのバックハンドがネットにかかり、ユーズニーが勝利を決めた。
押していたにも関わらず、ヒューイットに粘られて、攻めきれずに試合を長引かせてしまったユーズニー、その強さはまだ不安定である。だがデュースのピンチ をサーブの力で切り抜け、チャンスをバックハンドの大砲で掴む、とてもかっこいいテニスを最後には復活させた。ピンチを乗り切り、見事に勝ちきったユーズ ニーをたたえたい。
さて決勝はユーズニー対ツォンガである。ツォンガもかっこいいテニスをする選手だ。明日は面白い試合が見られることと期待している。期待を裏切らない熱戦が実現するように祈っておこう。

 

2009年10月11日 2009ジャパンオープン決勝

2009年楽天ジャパンオープン決勝
ツォンガ 63 63 ユーズニー

ノーシードからの快進撃を見せていたユーズニーも決勝では力尽きた。二セットとも序盤、しまったサービスゲームのキープ合戦で進むが、終盤で1チャンスを ツォンガがモノにして、第一セットは1ブレーク、第二セットは2ブレークを?ぎ取って、勝利を決めた。この一週間のユーズニー好調の原動力であった片手打ちバックハンドの大砲はこの試合に関しては不発であった。QF、SFで見せたあの素晴らしいバックハンドの強打は相手の深い球をライジングで切り返した結 果であった。だがこの決勝でツォンガはスピンを多めにかけてボールを弾ませ、ユーズニーに高い打点で打たせようとした。結果ユーズニーは高い打点からの叩 き込みはあまり得意でないらしく、見事に封じ込められていた。
しかし、サーブとストロークの威力が注目されるツォンガであるが、試合を見ていつも目を引くのがボレーのタッチの柔らかさである。ブロックボレー、ドロッ プボレー、ストップボレー、ローボレー、深く流すボレー、どんな難しいボレーも変化自在のタッチを見せて対応する。あのボレーのタッチの柔らかさは、スト ロークとサーブの豪打と対照的であり、対になって際立つツォンガの個性である。
あっさりとした印象の試合で決勝戦が終わってしまい、やや物足りない感もあるが、フェデラー・マレーの欠場、デルポトロの初戦敗退というアクシデントに見舞われた大会にしては、その他の実力者達が大いに大会を盛り上げてくれたことと思う。熱戦を届けてくれた選手たちに感謝。

 

2009年10月13日 秋の祭典2009 西へ

秋の大東亜戦線が燃える。
今季のATPツアーのスケジュール改革の目玉、アジアシリーズのクライマックス、それがマスターズ1000シリーズ第八戦上海大会で ある。中華人民共和国の上海市で行われるアウトドアハードコート大会(メイン会場は開閉式の屋根あり)の第一シードはナダル、以下ジョコビッチ、デルポト ロ、ロディック、ツォンガ、ダビデンコ、ヴェルダスコ、シモン、ソダーリング、ゴンザレス、モンフィス、チリッチ、ステパネック、ロブレド、ハース、フェ レールとシード勢が続く。エントリーランキングNo1フェデラーとNo3マレーが欠場である。それゆえに今季のマスターズシリーズの中でもとてもユニーク なドローになった。トップシードのナダルはハードコートの上ではまだ万全ではない。チャイナオープンに続いてジョコビッチが有利と思うが、ジャパンオープ ン優勝のツォンガの高いレベルでの安定度が不気味だ。その他にも有力選手目白押しである。面白くなりそうだ。
WTAでは早くも欧州室内シーズンが開幕する。オーストリアのリンツではリンツ・ゼネラル女子が 開催されるのだ。このWTAツアーインターナショナル22万ドルクラス、インドアハードコート大会の第一シードはペネッタ、以下ラドワンスカ、ウィックマ イヤー、スワレスナバロ、ベネソバ、シルステア、サファロバ、エラニーとシード勢が続く。今季好調の選手が揃っている。特にペネッタとラドワンスカの活躍 には注目であろう。
さて日本テニス界秋の祭典は東の東京から西の大阪に移動する。日本の大阪市でHPオープンが 開催されるのだ。このWTAツアーインターナショナル22万ドルクラス、アウトドアハードコート大会の第一シードはウォズニアッキ、以下バルトリ、ストーサー、スキアボーネ、ペアー、オズニアックらが続く。日本からは森田、森上、クルム伊達、不田、奈良らが参戦する。ちなみに森上はこの大会でツアーは最後 にし、今年末の全日本選手権で現役を引退する。この大会は今年初めて開催されることになった新設大会であるが、なぜか前年度覇者が存在していて、ウォズニ アッキが紹介されている。これは去年までの東京のジャパンオープン女子大会が大阪に継承されたと見なしているためだそうだ。
会場はうつぼテニスセンター、ジュニアたちにとっての「甲子園」にあたる全日本ジュニア選手権の会場として知られる場所で、もし大阪のオリンピック誘致が 実現していれば、テニス競技の会場になる予定であったところである。また例年ジュニアの世界ではグランドスラムと同格の大会となる「大阪市長杯世界スーパージュニア選手権」の会場でもある、関西圏のテニスの聖地だ。来週開催されるスーパージュニアと今週のWTAツアーHPオープンの開催で、まさに大阪の うつぼはこの二週間、テニス秋の祭典となる。この秋の祭典のおかげで今大阪と周辺関西圏のテニス界は大騒ぎである。HPオープンの大阪開催が決まった今年の年頭より、大阪のテニス界の主要関係者は東京を始め世界各都市のWTAツアー関係各所をまわり、調整しつつ組織を立ち上げに奔走していた。関西のテニス 界など世間が狭いので、如空の知り合いや間接的な関係者もこの騒動に巻き込まれていたのを知っている。秋になってからはチケットがいたるところで出回っている。ちなみにHPオープンの「HP」とはヒューレット・パッカードというPCやプリンターを製造販売しているアメリカが本拠地の企業の略称である。メイ ンスポンサーがHPであるため、IT関連企業やプリンター・印刷業界でチケットが出回るという奇妙な現象が如空の周りでも起こっている。如空自身、「チケットがあるので、一緒にテニス見に行きませんか」というお誘いを何度か受けた。どれも平日のチケットだったので参加できなかったが、チケットは上手く裁けているのか、観客数の動員は予定以上に見込めるのだろうかと、人事ながら心配している。せっかくの新設大会だ、上手く行って欲しいものである。

 

2009年10月19日 じわじわベルギー勢 

オーストリアのリンツで行われたジェネラリー女子は第一シードペネッタと第三シードウィックマイヤーがSFで対戦、 76 63 のストレートでウィックマイ ヤーが勝利した。反対の山からは第二シードラドワンスカをSFで突破したチェコのクビトバが勝ち上がってきた。決勝はベルギーのウィックマイヤーのスト レート勝利、今季ツアー二勝目である。これでベルギー勢は今季クライシュテルスの復帰とウィックマイヤーの台頭という二つの喜ばしいニュースに沸く。これで来季エナンが復帰し、好成績を残せばWTAに確固とした勢力が出来上がることになる。来季はベルギー勢の動向に注目だ。
日本の大阪で行われたHPジャパン女子オープンは期待の第一シードウォズニアッキと第三シードストーサーがSFで対戦、フルセットマッチの末にストーサーが勝利した。決勝の相手はミルザをSFで破って来た第四シードのスキアボーネである。決勝は75 61 でストーサーの勝利、彼女にとって生涯ツアー初優 勝となった。しかし、ネット上の報道写真を見ると観客席がガラガラなのだが、決勝戦はどれくらい観客が入ったのだろうか。大会の結果と同じく、とっても気 になるところである。

 

2009年10月21日 思い出す事といえば 

ツアーにおける日本テニス界秋の祭典は先週終わりを告げたが、イベントはまだ今週に残っている。大阪市の靭(うつぼ)テニスセンターで大阪市長杯世界スーパージュニア選手権がおこなわれるのだ。ITFジュニアサーキットグレードAクラスのこの大会は格の上ではグランドスラムのジュニア部門と同格である。オフィシャルサイトの「今年の見どころ」に過去に出場した著名人が記されている。

(以下引用)
「・・・・男子では、今年のウインブルドンでフェデラーと死闘を展開したロディックは98,99年に出場し、シングルスではベスト16であったがダブルス では優勝し ている。今年のジャパンオープン男子シングルス優勝のツォンガは03年にバグダディスに敗れたが準優勝。05年の単複優勝のチリッチは今ATP15位に。 我が国のホープの錦織は05年にシングルスベスト4。女子では、最近引退と思われる発言のかつての世界ナンバーワンのモーレスモは大阪での初代のチャンピ オンに輝いた。ロシアのサフィーナは00年にシングルス・ベスト32/ ダブルス・ベスト8であったが、今、WTAナンバーワン。翌01年、同国のクズネツゥワはシングルス・ベスト4であったが、現在WTA4位にある。 本大会前に開催されたHP OPENに出場したWTA6位のウォズニアッキは04年にシングルス優勝、06年には単複優勝している。また、HP OPENでワイルドカード出場しツアー初勝利の奈良くるみは07年の優勝。このように男女とも多くのトップ選手らが、秋の大阪で熱戦を繰り広げ多くの思い 出を 互いに持ち続けている。・・・」
(以上引用終わり)

テニスを始めたころ、身近で観戦できる世界レベルの大会はこの大会だけだったので、よく時間があればよく見に行った。2004年のウォズニアッキの優勝は今でもよく覚えている。 当時ガリガリに痩せていたが異常に背が高かったウォズニアッキが場内アナウンスで14歳だと紹介されると場内がどよめいた。どう見ても二十歳前にしか見えない大きさだった。決勝の相手だったスロバキアのシブルコバのほうが年上なのに子供に見えた。あの時、ウォズニアッキが5年後の全米で決勝の舞台に立つなどとは思いもよらなかった。今年はどんな金の卵が生まれるのか楽しみだ。この模様はスカイAというCSチャンネルで放送される。また後日地上波朝日放送で11月10日深夜2時11分〜特別番組を放送してくれるらしい。
昔を思い出すといえば、この数日ヒンギスの映像がネット上のニュースで流れている。コカイン服用容疑で2年間の公式戦出場停止処分を 受けていたヒンギスの停止処分期間が終わったのだ。だがヒンギスはもう現役復帰はしないとのこと。WTAでは来季はエナンが復帰し、ウィリアムズ姉妹対ベルギー勢という「女王大戦」が数年ぶりに再勃発する可能性もあるのだが、そこにヒンギスの居場所はないということか。ヒンギスのこれからの人生に幸多かれと 祈りたい。

 

2009年10月27日 木村じゃなくてキュブラー

帰宅してTVをつけた、CATVのスカイAチャンネルの中で男女シングルス決勝戦を録画放送していた。今年現地へ観戦に行けなかった靭のスーパージュニアである。しばし、見入る

大阪市長杯世界スーパージュニア選手権
女子シングルス決勝
ムラデノビッチ 76 63 バボス
男子シングルス決勝
ジェイソン・マレー・キュブラー 60 46 62 江原

女子シングルス決勝に進出したフランスのムラデノビッチとハンガリーのバボスは前日の女子ダブルス決勝の優勝ペアである。この日はダブルスのペアと決勝戦を戦ったことになる。
TVの中で当初「江原!木村!」とアナウンサーが叫ぶので、てっきり日本人同士の対決か思った男子の決勝、実は日本人対オーストラリア人だった。勝ったのは木村ではなくオーストラリアのJ・キュブラーである。老けた顔をしているがまだ16歳だそうだ。両手打ちバックハンドの切れがいい。江原がキュブラーのバックにボールを集めるが、キュブラーはそこからクロスとストレートをきれいに打ち分けて、鮮やかに攻めてウィナーをとる。対する江原は回り込みのフォアが武器、果敢に回り込んで強打をたたきこむ。安定度はキュブラーのほうが上で、ゲームの主導権を握っていた。一方で江原には波があり、第一セットでは自分のプレーを出来ていなかた。第二セットでようやくエンジンがかかり、サービスゲームのキープ合戦に持ち込み、さらに1ブレークをもぎ取り第二セット奪取に成功する。このあたりで勢いは江原に来ていたように思えるのだが、第三セット、序盤で3ゲームをキュブラーが連取して、流れを一気に自分に引き戻した。 このあたりはキュブラーが一枚上手であったようだ。最初の3ゲーム連取が効いた。江原はセット後半でよいテニスを展開したが、最後はキュブラーに押し切られている。
江原はプロ転向を表明しているようだ。ピンチでもチャンスでも朗らかな笑顔を常に見せてプレーしている。さわやかな好青年で人気も出ることだろう。今回は準優勝だったが、今後の活躍を期待したい。


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