2008年テニス界10大ニュース その九
ウィリアムズ姉妹 今年も健在
先日の10大ニュースその四でこの十年間のWTAグランドスラムタイトルの行方を振り返って見たのだが、そこで改めて、ウィリアムズ姉妹の存在の大きさを 知る。この10年間でGS40タイトルの内、16タイトルをこの二人で分け合っている。しかもその十年間でウィリアムズ姉妹の二人ともがGSタイトルを取 れなかった年は2004年、2006年の二度だけだ。今年も姉ヴィーナスが全英を、妹セレナが全米を取っている。ヴィーナスは1980年生まれ、セレナは 1981年生まれ、世代交代が早いWTAではもうベテランといっていい二人だが、相変わらず強い。波があるので、一年間安定して強さを発揮しない。だから No1には至らない・・・・・のはずがセレナは今年最終ランキングNo2でもう一歩だった。この姉妹がベストの状態で大会に臨めば、セルビアコンビもロシ ア勢もまだ太刀打ちできないのではないかと思ってしまう。
特に今年に限って言えば姉ヴィーナスの後半戦の強さは異常だ。ツアー最終戦ソニーエリクソン選手権で見せた圧倒的強さには妹セレナも対抗できず、好調だっ たロシア勢の先鋭ズボナレワはコートで泣かされた。最終ランキングこそNo6だが、瞬間的な強さの最高値はヴィーナス・ウィリアムズが記録しているのでは ないだろうかと思っている。夏を前にしてエナンが引退し、シャラポワが戦線を離脱したこの2008年、しかし、エナンが引退せず、シャラポワがフル参戦し ていても、この姉妹の後半戦の勢いは止めることが出来たかどうか、疑わしい。
2000年代前半のような台風か地震が突然襲ってきたような爆発的な強さではないが、静かにしかし、確実にコートの中を支配してしまうヴィーナス・ウィリアムズとセレナ・ウィリアムズの強さが今年も後半発揮されてしまった。そんな2008年の後半戦であった。