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2008年テニス界10大ニュース その六
マレーの台頭

 

ヘンマン引退後のイギリステニス界期待の星、アガシ・ロディックを育てたギルバートをコーチに迎え、彼の将来には洋々たる前途が待っているかのように思わ れた。実際、最盛期のフェデラーを一度ならず破るなど、それなりの結果を出してはいた。だが、その内容はその他のトップランカーたちに比べて大きく目立つ ものではなかった。やがてギルバートとも別れ、彼の前途は逆にこのままで終わるような気さえ如空はしていた。

今年、マレーはその不安を一掃した。ウィンブルドンで活躍し、地元イギリスのファンを盛り上げ、今季は5勝を上げた。その中のクライマックスが、あのナダ ルとフェデラーのエントリーランキングNo1交代劇の舞台となったMSインディアンウェルズ大会である。そこで決勝対ジョコビッチ戦を連続TBで破り、悲 願のマスターズシリーズ初優勝を遂げた。この政権交代の舞台で、ナダルもフェデラーも決勝戦にはおらず、No3ジョコビッチを破っての初優勝というところ に彼の持つ数奇な運命を感じる。

数奇といえば、マレーは対フェデラー戦の対戦成績で勝ち越している数少ない選手でもある。それだけに今年の全米、ナダルにSFで勝利し、フェデラーの待つ 決勝に勝ち進んだとき、彼がそのまま全米初タイトルを取るのではないかと期待した。だが現実にはフェデラーの圧倒的パフォーマンスの前に破れ、グランドス ラム初タイトルはお預けとなった。だが、その後MSマドリッドSFでもマスターズカップラウンドロビンでもフェデラーに勝利し、自身の年間最終ランキング をNo4にまで押し上げた。

今年マスターズシリーズ格初優勝を遂げ、全米決勝まで進むもフェデラーに阻止された。これは2007年にジョコビッチがたどった道と同じ道を彼が歩んでい ることを示す。果たして、ジョコビッチ同様に、来年グランドスラム初タイトル収得なるだろうか。彼の前途に注目していこう。


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