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2007テニス界20大ニュース その八
ナルバンディアン MSマドリッド・パリ連覇

今年のATPツアーを盛り上げるきっかけを作ったのがカナスのMSインディアンウェルズ・マイアミでの対フェデラー戦二連勝であるならば、来年のATPツアーを大いに盛り上げてくれそうな期待を最後に抱かしてくれたのがナルバンディアンのMSマドリッド・パリでの対フェデラー戦二連勝であろう。しかもカナスはフェデラーに勝ったまでで、マイアミ大会では決勝まで進むがそこでジョコビッチに破れて優勝を逃している。だがナルバンディアンはフェデラーに勝っただけでなく、マドリッドとパリで優勝までしてしまうのである。

マスターズシリーズ第8戦マドリッド大会はATPツアーのランキングトップ30の内28名が参加するグランドスラム並みの豪華な顔ぶれの中で行なわれた。ノーシードのナルバンディアンは、そのトップランカーたちを蹴散らして勝ち進む。QFでNo2ナダルをストレートで撃破、SFでNo3ジョコビッチをストレートで突破、そしてファイナルでNo1フェデラーを1セットダウンからの見事な逆転劇で降して、優勝した。今年MSモントリオールでジョコビッチがNo123を連破して優勝するという躍進劇があったが、自身がNo3になってから同じことをやられるとは想像できなかったのではないか。ナルバンディアンはこれがマスターズシリーズ初タイトルであった。2005年のマスターズカップで優勝しただけで、他に大きな大会で優勝がなかったのだ。ナルバンディアンほどの実力者にしてこの実績とは驚きである。まさに「眠れる獅子」のような存在であったといえよう。その獅子が目覚めた。

MS第9戦パリ大会3回戦でナルバンディアンは再びフェデラー打倒に成功する。もはやその強さは本物だ。決勝ではツアー屈指のコートカバーを誇るナダルの足を振り切るライジングからのアングルショットで勝利を呼び込み、マスターズシリーズ二勝目を上げた

今年に限っていえば、追い上げる時期が遅すぎた。結果として今年はランキング9位に終わり、最終戦マスターズカップの出場権を得られなかった。マスターズカップ上海大会に出場していれば、フェデラー・ナダル・ジョコビッチの3強を喰う存在として大いに大会を盛り上げてくれただろうに、残念である。だがそれだけに来年への期待は大きい。多くの人が指摘しているが、2005年にフェデラーを破って全豪に優勝したサフィンが、その前年の2004年にMSマドリッド・パリを連覇しているのである。サフィンと同じストーリーの再現がなるだろうか。考えて見れば、フェデラーは全仏を除く全豪・全英・全米の3大会において、2005年全豪SF対サフィン戦以来負けていないのである。これはこれですごいことである。それだけに来年は全仏以外のグランドスラムで打倒フェデラーを果たす選手が出てきてくれることを期待したい。その一番手はこのナルバンディアンであろうと如空は期待している。


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