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2007テニス界20大ニュース その四
ウィリアムズ姉妹健在

シーズン開幕後、すぐに始まる全豪オープン、その女子シングルスでいきなりセリーナ・ウィリアムズが優勝することを予想できた人はどれだけいるだろうか。エナンこそ不在であったとはいえ、シャラポワ、モーレスモ、クズネツォワ、クライシュテルスが揃っている大会であった。セリーナは苦戦しながらも決勝まで勝ち上がって来た。そして迎えた決勝戦、対するは宿敵シャラポワである。シャラポワにとって初めてグランドスラムタイトルである2004年ウィンブルドンタイトルは決勝でセリーナを破って手に入れたタイトルであった。その2004年最終戦ツアー選手権でも二人は激突、途中で負傷したセリーナを容赦なく叩きのめし、シャラポワはタイトルを奪った。そして2005年全豪SFでも二人はぶつかり大激戦を繰り広げる。粘りに粘るシャラポワの厚い守りを最後に貫いて、勝利したのはセリーナだった。今回の対決はまた激戦になるだろか。あるいはここまで苦戦しているセリーナには往年の強さはもう持ち合わせてはおらず、逆に前の年に全米タイトルも取り、この全豪もSFでクライシュテルスを破ったシャラポワはその強さを増しているであろうから、シャラポワの圧勝で終わるのではないか。そのいずれかであろうと結果を予想した。だが、予想は外れた。第一シードであったシャラポワはセリーナの前になすすべなく公開処刑にされてしまった。そしてセリーナは三度目の全豪タイトルを手にした。この時の敗戦でシャラポワはメンタルの強さを揺さぶられた。2007年のシーズン前半で明らかに弱気のプレーが目立つようになった。特にシャラポワのサーブをセリーナのリターンでガンガン叩き込まれた事のショックは大きかったらしく、半年近くショックを引きずり、不安を抱えながらサーブを打ち続けていたという。

突然強くなるセリーナ、強い時のセリーナは好調のシャラポワをも粉砕していしまうほどに強い。まだそれだけ強いのだ。だがそのセリーナをもってしても、今のエナンには勝てなかった。去年まで、セリーナはエナンに負けた試合はクレーだけで、芝でもハードでもまだエナンに負けた事はなかった。だが、今年は負けた。ウィンブルドンでも全米でも負けた。特に全米QFでの敗戦はショックであったらしく、記者会見席で落ち込みを隠そうとしなかった。

一方で、妹以上にスランプに苦しんでいたウィリアムズ姉妹の姉ヴィーナス・ウィリアムズは今年のなって徐々に調子を上げつつあった。そしてウィンブルドン、堅実さと力強さを併せ持ったテニスで決勝まで勝ちあがり、エナンをSFで破ってきたバルトリを一蹴、4回目の全英タイトルを手にした。

全豪はセリーナ、全英はヴィーナスと、ウィリアムズ姉妹がGSタイトルを奪取し、その健在ぶりを披露した年であった。だが二人ともトップ8でありながらもヴィーナスはツアー最終戦を欠場、セリーナも途中棄権となり、安定した力を維持できるわけではないことも同時に示された。またグランドスラムタイトルを分け合う形になった女王エナンに対して、姉妹が強い状態であっても直接対決では勝てなくなっている。そこに彼女たちの強さの限界が見え初めている気もする。だが依然としてWTAのトップクラスに位置する強さを内に秘めていることがわかるだけに、来年以降もその存在を無視できない。




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