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2007テニス界20大ニュース その三
ジョコビッチの台頭

2007年テニス界の顔を一人上げろと言われれば、それはジョコビッチだろう。皇帝フェデラーがカナスに連敗した春の祭典でその頭角を現す。マスターズシリーズ第一戦インディアンウェルズ大会ではマレーを破って決勝に進出、No2のナダルと激突した。敗れはしたもの、中盤からテニスに強さを感じた。そしてMS第二戦マイアミ大会ではQFでナダルを突破、SFでマレーを撃破、決勝ではフェデラーを連破したカナスをフルセットの末に降し、ついにマスターズシリーズ格初優勝を遂げた。
ここまでは、しかしベルディッヒ等、同世代のその他大勢の選手の一人でしかまだなかっただろう。クレーシーズンはやや勢いを落とすが、彼の快進撃はまだ続く。全仏と全英で連続してSFまで進出したのだ。だが奇しくもナダルに続けて阻止された。去年の全仏もナダルにSFで当たり、そこで敗れた。ナダルを突破しなくてはフェデラーのところまでいけない、そういうドローの中で彼は着実に力をつけていく。そしてその資質がついに夏の北米ハードコートシーズンで開花する。

MS第六戦モントリオール大会、QFで当時エントリーランキングNo3のロディックを突破、SFで宿敵No2ナダルを撃破、そして決勝ではATPに君臨する圧倒的強者No1のフェデラーを見事フルセットの末に破ったのだった。トップ3を見事に連破しての優勝に期待は高まった。土の上でフェデラーを止めるのがナダルなら、岩の上でフェデラーを止めるのはジョコビッチだ。そういう期待が沸き上がった。そして期待通りに舞台は整えられた。全米決勝のコートの上でジョコビッチは連覇を狙うフェデラーの前に立ちはだかった。しかし、期待通りの結末にはならなかった。第一セットも第二セットも押しているのはジョコビッチである。セットを奪う一歩手前までフェデラーを追い込んでいた。だが勝負を決める大事な一打が入らなかった。「あのショットさえ入っていれば」という決定的チャンスをジョコビッチは逃し、押されながらも崩れない皇帝は4回目の全米タイトルを手にした

前半戦から中盤にかけての大活躍で疲労がたまったのだろうか、後半戦のジョコビッチはやや勢いを失い、最終戦のマスターズカップでは第三シードながら予選リーグ3連敗で上海を立ち去っていた。来シーズンに一抹の不安を抱えながら。

それでも、ジョコビッチが第三の男として定着しつつある事は事実だろう。No1フェデラー、No2ナダル、という長らく続いた二強体制がジョコビッチの台頭により3強体制になりつつある。果たして来年は二強の一角を崩すことが出来るだろうか。それとも第三の男のままで終わるか、あるいは失速してしまうのか。そのモノマネ芸と共に、彼の来シーズンの動向に注目が集まる。



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