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2006テニス界10大ニュース その十
ダベンポート現役引退

 

世界を転戦するツアーの選手たちはほとんど毎週飛行機に乗っている。この日も次なるトーナメントの待つ会場へ移動するところだった。ツアーをめぐる選手たちがたまたま同じ便に乗り合わせた。その空港で当時WTAの広告塔と呼ばれたアンナ・クルニコワが大きなラケットバックを持ってチェックインゲートを通過した。続いてWTAの新女王と呼ばれたマルチナ・ヒンギスが同じく大きなラケットバックを持ってチェックインゲートを通過していった。それを見て自分もラケットバックを飛行機内に持ち込もうと彼女は考えて、ラケットバックを持ってチェックインゲートを通過しようとしたが、係員に止められた。「規定のサイズ以上のお荷物は機内に持ち込まずにお預けください。」といわれた。穏やかな性格で知られる彼女もさすがにこのときは苦笑して抗弁した。「先に入った二人は規定サイズ以上の大きなバックを持って入っていったじゃないの。」と。係員は笑顔でこう答えたという。「あの方々はプロのテニス選手なんです。」
ヒンギスを抜いてエントリーランキングNo1になった頃、No1であるにもかかわらず、ダベンポートはこんな目にあったと、後日笑い話で語ったといわれている。

そんな地味な存在であったダベンポートだが、そのコートでの存在感は岩より重く、山より大きかった。全米・全英・全豪を制覇、生涯グランドスラムに王手をかけていた。その長身と長い手足というもって生まれた身体的特徴を最大限に生かして、おおらかで懐の深い、大きくてなおかつ強いテニスを作り上げ、長年にわたりそれを実践してきた。大股のフットワークからは想像もできないが動きが速く、ネットプレーも上手いため、ダブルスでも活躍した。キャリア後半はグランドスラムでベスト4や決勝まで勝ち進むが、優勝をなかなかもぎ取れず、少し苦しんでいたが、一年を通じて安定したテニスを展開して好成績を残し続けた。2004年はグランドスラムでもツアー選手権でも一度も決勝に進めなかったが、何度目かの年間最終ランキングNo1を手に入れた。一年を通じて安定した成績を残したゆえの成果だった。多くの選手から尊敬され慕われていた。そんな彼女がコートを去る。

ちょうどこの10大ニュースを書き始めた頃にダベンポートの妊娠・引退のニュースが飛び込んできた。ヒンギスと共に一時代を築いた彼女の引退には少なからず衝撃を感じる。ATPはアガシに去られ、WTAはダベンポートに去られた。寂しさを感じずにはいられない。彼女のこれからの人生にも幸運に恵まれるよう願ってやまない。年齢的にもう残された時間が少ないことはわかっていたが、それでも年末の突然の報であった。


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