テニスを大人になってから始めて、「はまって」しまった人たち。
コートの外でもテニスのことで頭が一杯な人たち。
最近の自分のテニス内容を反省し、どうすればもっとうまくいくかと考え、自分の部屋の中ではついついラケットで素振りをしてしまい、部屋のものを壊しては家族に怒られる。
子供の頃から、あるいは学生時代からテニスを始めなかったことを後悔し、彼らとの埋め難いレベルの差に絶望し、TVの中のトッププレヤーのテニスに憧れ、テニススクールのレッスンを増やしてみたり、ラケットやガットを変えてみたり、技術書や雑誌を購入して研究してみたりして、休日はテニス中心のスケジュール。
試合に出てボコボコに負かされるだけならまだいい。
リードしているにもかかわらず勝ちを意識して手足が縮こまり、自滅して逆転され敗北する。
技術だけでなく自分の精神的な弱さを見せつけられ、自分で自分が情けなくなる。
「趣味なのに、楽しむためなのに、貴重な休日を返上してまで、なぜこんな精神的苦痛・屈辱を受けなければならないのか。」
「プロ選手やコーチになるわけじゃないのに何でそんなにがんばるのか。」
「たかが趣味にこんなに時間とお金と精神的エネルギーをつぎ込んでいいものだろうか。」
と自問自答する。
「これでは寺にこもって苦行をする修行僧と同じじゃないか」と