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第085房 2008年MSマドリッド・パリ大会 TV観戦記  (2008/12/28)

 

2008年10月14日 豪華なる終盤戦

欧州室内もいよいよ佳境である。マスターズシリーズ第八戦マドリッド大会が スペインのマドリッドで開幕する。第一シードはナダル、以下フェデラー、ジョコビッチ、マレー、ダビデンコ、フェラー、ナルバンディアン、ロディックデル ポトロ、バブリンカ、ブレーク、ゴンザレス、ベルダスコ、カルロビッチ、ガスケ、ツォンガと、なんとATPのエントリーランキング現トップ16が全員出場 のグランドスラム級大会となっている。毎年シーズン終盤のこの大会は消化試合になって、欠場者が続出していたものだが、去年あたりから改善され始めている。特に今年は現時点でまだ年間最終ランキングNo1が決まっていない。久しぶりに終盤の競り合いを見ることが出来る。シード選手たちはその期待に大いに 応えて欲しい、特にトップの4人は。

 

2008年10月17日 先頭集団を走る者たち

MSマドリッド20083回戦
カルロビッチ 76 76 ジョコビッチ

3強の一角崩れる!というほどの驚きがない。ジョコビッチは今年後半どうも元気がない。連続TBの接戦とはいえ、今年前半のジョコビッチなら勝ち抜けたと 思うぞ。元気を取り戻して欲しいものである。その代わりにフェデラーの調子が上がっている。ベスト8QFの組み合わせは下記の通り

ナダル対ロペス
カルロビッチ対シモン
モンフィス対マレー
フェデラー対デルポトロ

デルポトロがフェデラーに挑戦である。今年前半であればフェデラーはここでまた躓く可能性大である、といいたいところだったが、今は強さを高いレベルで安 定させつつある。このデルポトロをきっちりと突破できれば終盤戦の巻き返しに期待がかかるところだが・・・・・デルポトロの出来は如何に。フェデラーの出 来よりデルポトロの勢いの有無に試合の行方はかかっているかと思う。

 

2008年10月18日 MSマドリッド2008 QF

ATPマスターズシリーズ第8戦マドリッド大会2008準々決勝

ナダル 64 64 ロペス
シモン 76 46 76 カルロビッチ
マレー 62 62 モンフィス
フェデラー 63 63 デルポトロ

という訳で準決勝はナダル対シモン、フェデラー対マレーである。これジョコビッチが勝ち上がっていたらトップ4シードそろい踏みで面白い展開だったのに残 念だ。シモンはナダルをどこまで苦しめることができるだろうか。そして今年の全米決勝の再現となるマレーの対フェデラー戦は違った結末を用意できるだろう か。注目の準決勝は今晩GAORAで生中継である。

 

2008年10月19日 二強崩れる MSマドリッド2008SF

ATPマスターズシリーズ第八戦マドリッド大会準決勝
マレー 36 63 75 フェデラー

第一セットのフェデラーと第二セット途中からのフェデラーは同じテニスではない。使う技は同じでも、確率がまったく違う。特に大事な場面でのショットの凄 みが違った。いいテニスを一試合、続けるのは難しい。それでも第二セットを落としても、調子を戻していれば、第三セットで取り返せたはずだ。フェデラーは 競り合いの中でアンフォーストエラーによって自分に来ていた流れを自ら断ち切ってしまった。一方でマレーはよく耐えた。決して調子を一定以下に下げずに、 フェデラーに独走させなかった。何よりファーストサーブの威力でサービスポイントを量産できたことが効いていた。大事な場面でギアを上げることができない フェデラーと、決して崩れないマレー、最後に競り勝ったのはマレーだった。

シモン 36 75 76 ナダル

なんちゅう長い試合じゃ。3時間を超える接戦だった。第一セットを自分の流れで押し切ったナダルは、第二セット中盤以降、山のようにブレークポイントを 握ったにもかかわらずブレークすることができなかった。シモンはフォアハンドの逆クロスとランニングショットが入りだし、ナダルに振られていても一発逆転 でポイントを奪い返すシーンが増える。ナダルはバックハンドの調子が悪かった。今年の全仏以降、驚異的な強さを誇ったナダルのテニスはバックハンドの強化 によるところが大きい。去年までバックは安定こそすれ、武器でなかった。フォアに回り込んでの攻めが主体であった。だが今年はバックハンドからも強打とス ライスの多用という展開力を身につけ、早い段階で攻めこむことができた。そのバックが今日は機能しなかった。クロスはネットする、ストレートはオーバーする、ボールは短くなりやすく、入れるだけで威力がない、守りのスライスも続けるとミスする。ロブも入りが悪かった。いつも迫力がなかった。シモンも安定し ているわけではなく、ミスも多かったが、追い詰められてからのスーパーショットが見事に決まった。第二セット中盤以降、どのゲームも競り合いになった。シ モンのカウンターショットの前にナダルは押し返され、第二セットを落とす。競り合いが続く第三セット、前半はキープ合戦であったが、後半はブレーク合戦で あった。両者ともブレークした次のサービスゲームをキープできなかった。第三セットは6-6でTBに突入する。ここでもミニブレークの数で競り合うが、最 後にマッチポイントを握って決めたのはシモンであった。オンラインの判定をチャレンジシステムのホークアイで覆して、シモンは勝利を決めた。
ナダルはシモンのフォアにボールを集めていた。というより左右に振ろうとしていた。前半はそれで上手く行っていたが、後半はシモンのフォアに何度も大砲を 撃たれてやられていた。ナダルは対フェデラー戦でよく見せる執拗なバックハンド攻めをシモンに対してしていれば違った結果になったと思うのだが、流れが完 全にシモンに傾く時間帯があったわけでもないので、前半上手く行っていた戦術を途中で変更することは難しかったのかもしれない。
No1ナダル、No2フェデラーが準決勝で負けた。共に乱調というほどに調子が悪かったわけではないのだが、フルセットの末、リードを守りきれずに逆転負けを喫した。No3ジョコビッチも既にいない。この三人が一人もいないマスターズシリーズの決勝は2006年のMSパリ大会ダビデンコ対ハーバティ戦以来 である。乱世である。このチャンスを生かすのはマレーかシモンか。特にマレーにとっては今後のキャリアに大きな影響を与える一戦だろう。その行方に注目し よう。

 

2008年10月20日 目覚めつつある大器 MSマドリッド大会2008決勝

ATPマスターズシリーズ第八戦マドリッド大会2008決勝
マレー 64 76 シモン

第一セット、静かに試合は始まった。両者共にサービスゲームが安定している。マレーの圧力がやや優ったのか、1ブレークでマレーが先取した。
第二セット、シモンがギアを上げていく。打撃戦が白熱していく。それでも両者ともに譲らずに、TBに突入する。実はシモンはこの大会ここまで5試合の内、 4試合をファイナルTBで勝ち進んだ。これはシモンの流れになりつつあるのではないかと思われた。ミニブレークの応酬で競り合う二人、マレーはここでド ロップショットを続けるが、それをシモンは見事に切り返す。そしてセットポイントを握ったのはシモンであったが、そこでマレーは執拗なドロップショット攻 めで切り抜ける。そしてバックハンドリターンを逆クロスに決めてチャンピオンシップ・ポイントを握る。勝負のかかるポイントで、二人は前後左右に走り回り、 打ち合うが、最後にボールをラインの外に外したのはシモンであった。シモンのTB連勝記録もここで止まり、マレーがマスターズシリーズ格二勝目を上げたの であった。
マレーの堅実なテニスが終始発揮され続けられた試合であった。強力なフラットサーブを持ちながらも、そのフラットサーブをより効果的にさせるスライスサー ブの使い方が憎いばかりである。そしてリターンが強い。現在リターンの名手として知られるフェラーやジョコビッチをもしのぐのではないかと思われるほどの ものである。堅実さと力強さを併せ持つ、手堅く、かつ攻撃的なリターンである。サーブが強く、リターンが強い、それでもマレーは速攻を仕掛けるのではなく、ゆったりとしたクロスコートラリーからの展開でポイントを取っていく。本来トップスピン打法に比べてリスキーとされるフラットドライブ主体のストロー クを見事な集中力で安定させている。そしてバックハンドスライスとネットアプローチを効果的に織り交ぜる見事なオールランドプレーであった。
去年のジョコビッチの台頭に遅れること一年、マレーもまた今年マスターズシリーズで初優勝をとげ、全米で決勝まで進む。だがジョコビッチは去年この終盤戦 で失速したが、マレーは逆にこの終盤戦で加速しつつある。ATPの3強の一角がいつまでもジョコビッチのもであるかどうか、その現状を揺るがすマレーの優 勝である。大器が目覚めつつある。そんな感じのするMSマドリッド大会2008の決勝戦であった。

 

2008年10月28日 マスターズシリーズ最後の大会

いよいよ今シーズンも残すところ数大会、ラストスパートである。ATPはマスターズシリーズ第九戦パリ大会BNPパリバ・マスターズが 開催される。第一シードはナダル、以下フェデラー、ジョコビッチ、マレー、フェラー、ダビデンコ、ロディック、ナルバンディアン、デルポトロ、シモン、ブ レーク、バブリンカ、ツォンガ、ガスケ、ベルダスコ、モンフィスと続くトップ10勢ぞろいの豪華メンバーとなった。マスターズシリーズという名称が使われるのは今年が最後である。ある意味最後のマスターズシリーズ大会となるこのパリ大会のタイトル、ナダルにしてもフェデラーにしてもタイトルが取れていない この大会はぜひとも最後に優勝で決めておきたいとこだろう。ところで如空が個人的に注目しているのはジョコビッチとマレーの動向である。今季後半戦になって元気のないジョコビッチに対して台頭著しいマレー、この二人の明暗がどのように分かれるかを注目している。さて当然GAORAも生中継である。最後のマスターズシリーズにふさわしい熱戦を期待しよう。

 

2008年10月31日 悩めるジョコビッチ

ジョコビッチダウン、またしてもシードを守れず。

2008MSパリ大会3回戦
ツォンガ 64 16 63 ジョコビッチ

今年年頭の全豪決勝の再現でもあったこの試合、フルセットマッチの末にツォンガが現No3を突破した。ジョコビッチはこの調子でマスターズカップも去年のように惨敗などしたら、ランキングを一気に落とすことになる。大丈夫だろうか。とても心配だ。
ということでマスターズシリーズ最後の大会のベスト8が出揃った。QFは下記の通り。

ナダル対ダビデンコ
フェデラー対ブレーク
マレー対ナルバンディアン
ロディック対ツォンガ

第五シードのフェラーも途中敗退で、その位置にブレークが勝ち上がっている。がおおむねシード勢が順調に勝ち上がっているといえよう。さあ、ここからだ。マスターズシリーズ最後の大会のタイトルを取るのは誰だ。その行方に注目していこう。

 

2008年11月01日 青天の霹靂

久しぶりに叫んでみよう。
なんじゃこりゃあああああああ

MSパリ大会2008 QF
ダビデンコ 61 ret ナダル
ブレーク walkover フェデラー
ナルバンディアン 76 63 マレー
ツォンガ 57 64 75 ロディック

ナダル途中棄権、フェデラーも棄権、マレーはストレートで敗退、ロディックはフルセットマッチの末のファイナルTBで敗れる。パリでは一体何が起こってい るのだ。シード選手が揃ったベスト8で4試合ともシード下位の選手がSFに進出したことになる。ベスト4にランキングトップ4がいないのだ。なんか転換期 の2008年を象徴するような大波乱だな。マスターズシリーズ最後の大会のSFは下記の通り。

ナルバンディアン対ダビデンコ
ブレーク対ツォンガ

地味ジャー。まあ、ツォンガは地元だから会場は大いに盛り上がるだろう。しかし、ナル、ダビ、ブレ、この三人は長年フェデラーとナダルに頭を抑えられて来 第二勢力だった。そして、フェデラーの力が衰え、いよいよ自分たちの出番と思ったら、今度はジョコビッチやマレー、ツォンガ、デルポトロ等の新鋭の台頭 に突き上げられる格好になっている。なんともかわいそうな男たちではある。だが勝負の世界に生きるモノたちの宿命でもある。この時代の変わり目とも言うべ期はとてもの短いものだ。このチャンスを大いに生かしてもらいたいものである。

 

2008年11月02日 充実のナルバンディアン MSパリ2008SF1

ATPマスターズシリーズ2008第九戦パリ大会
準決勝第一試合
ナルバンディアン 61 57 64 ダビンデンコ

調子のいいときのナルバンディアンはいつもそうだ。ベースラインの中に入って下がらない。ライジングでボールをさばく。そしてアングルショットの角度が信じられないほどに厳しい。サーブもリターンもネットプレーも高いレベルで安定している。ナルバンディンのボールはどれも深い。その深いボールに押されて ダビデンコはミスを重ねる。あっという間にナルバンディアンは5ゲームを連取し、第一セットは結局6-1でナルバンディアンが先取した。
第一セットの最後の二ゲームでダビデンコはナルバンディアンのストロークにようやくタイミングを合わすことができたようだった。第二セットは競り合いに なった。5-5なった。ダビデンコが先にサービスゲームをキープする。6-5でナルバンディアンのサービスゲームである。最初のナルのワイドサーブを外か らダウンザラインに合わせたダビのリターンはラインを捕らえ、リターン・エースとなった。ポイントを先行したダビデンコはストロークで果敢に攻め、最後に ネットに出てバックのアングルボレーを鮮やかに決めて30-0とする。ここでナルバンディアンは痛恨のダブルフォールトを犯す。訪れたブレークポイントを 一発で決めて、ダビデンコは第二セットを7-5で取り返した。
第三セット、緊迫した競り合いが続く。観客席からどよめきが起こるほど素晴らしいストローク戦が何度も繰り広げられる。3-3になった第七ゲーム、その見 事なストローク戦の中から、ナルバンディアンの圧力が優り、ダビデンコにミスが出た。それがナルのブレークにつながった。お互いキープし合い5-4となっ てナルバンディアンのサーブイング・フォー・ザ・マッチを迎える。ドロップボレーにアングルショットでポイント先行30-0、互いにミスをして40-15 となってナルのマッチポイントである。最後はダビデンコのショットがラインを割って、ナルバンディアンが二年連続で決勝進出を決めた。
ダビデンコはエンジンがかかるのが遅すぎた。だが見事なのは、ダビンデンコがエンジンがかかってからも終始崩れず、更にギアを上げることができたナルバン ディアンであろう。地味ながらもその強さに厚みを増している感がするナルバンディアンの勝ち方であった。ちなみにナルバンディアンはこの大会で優勝すれば ツアー最終戦マスターズカップの出場権となるエリート8の席を得ることになる。ダビデンコは既に最終戦の出場権を得ている。

 

2008年11月02日 ツォンガ旋風再び MSパリ2008SF2

地元の圧倒的な声援を背に受けて、あの男がまたもコートを震撼させる。

ATPマスターズシリーズ2008第九戦パリ大会
準決勝第二試合
ツォンガ 64 63 ブレイク

スコアだけ見れば1・2ブレーク差の競り合いに見えるが、その内容はツォンガが完全に試合を支配していた。第一セット序盤でブレイクからブレークを奪う と、淡々とキープを重ねて第一セット先取、第二セットも早々にブレークして最後の5-3でもう一度ブレークして勝利を決める。ツォンガは力が抜けていた。 だがそのショットは力強かった。コンパクトなスイングからボールをあわせるように打つショットは、そのスイングからは想像もつかないほどに力強い。そして 足が速い。速いだけでなく動きがいい、予想がいい。ブレークとコートの中の走りあいをして走り負けないのだ。そして静かに出てくるネットプレーでも逆を突 かれることはほとんどなく、柔らかいタッチボレーから高い打点を走りこみながら豪快に叩き込むハイボレーまで縦横無尽であった。あの全豪SFの世界を震撼させたプレーを彷彿させる見事なテニスだった。
この敗退でブレイクのエリート8の道は閉ざされた。そしてツアー最終戦マスターズカップの切符をデルポトロが手に入れる。エリート8残りの一つの席は明日 の決勝の勝者が手に入れる。ナルバンディアンかツォンガか。マスターズシリーズ最後の試合にふさわしい熱戦を期待しよう。

 

2008年11月03日 ツォンガが来た 2008MSパリ決勝

二連覇なるか、地元の英雄が初優勝を飾るか、その結果は今年のツアー最終戦マスターズカップの最後の椅子の主を決める。秋のパリで技と力がぶつかった。

ATPマスターズシリーズ2008第九戦パリ大会 決勝
ツォンガ 63 46 64 ナルバンディアン

第一セット、ナルバンディアンにやや固さが見られる。最初の自分のサービスゲームをダブルフォールトでブレークされてしまう。一方でツォンガは相変わらず 落ち着いている。メンタルは落ち着いているが、プレーは豪快だ。強いサーブ、強いリターン、コートを縦横無尽に走り回り、鋭いストロークとセンスに溢れた ネットプレーでポイントを量産する。観客の声援にも後押しされ、ツォンガは第一セットを6-3で先取した。
第二セット、ナルバンディアンの攻めが徐々に鋭さを増す。ブレークポイントがナルバンディアンに訪れるようになる。そしてキープ合戦の末に5-4で迎えた 第十ゲームでついにナルバンディアンはツォンガと捕らえた。ツォンガのサービスゲームで0-40のブレークポイントを一発で決めて、ナルバンディアンが第 二セット6-4で奪取、セットオールに戻した。
第三セット、ナルバンディアンの方に勢いがある。だが第三ゲーム、ナルのサービスゲーム15-15、ツォンガがフォアのハードヒットを連打してポイントを 先行した。そのツォンガの圧力にナルバンディアンは抗しきれずにミスを重ね、ツォンガがブレークに成功した。ナルバンディアンは強い気持ちでコートの中に 入り、ライジング打法で何度もツォンガを追い込むが、そのたびにツォンガはスーパーショットで切り返し、ピンチを切り抜けた。5-4でツォンガのサーブイ ング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった。さすがに力が入ったか、ポイントを続けて落とし、0-40でブレークポイントを三つナルバンディアンに握 られた。そこからのツォンガが見事だった。ファーストが入らない中、フォアのハードヒットをひたすら打ち続け、3ポイント連取しデュースに持ち込んだ。そ してようやく来たサービスエースでチャンピオンシップ・ポイントを握った。最後もフォアの深い球を打ち続け、それにライジングの名手ナルバンディアンがこ らえ切れずにミスをして、勝負がついた。第三セット6-4、ツォンガのマスターズ格初優勝であった。地元フランス人によるこのMSパリ大会の優勝はグロー ジャン以来7年ぶりのことであった。
ストローク戦中心に展開するかと予想していたが、実際は二人とも流れの中からガンガンネットに出て、シングルであるにも関わらず、ネット対ネットという シーンも続出した、二人ともコート全面を使った見事なオールラウンドプレーが展開された。技の切れという点でナルバンディアンの方が優っていたとも思うの だが、その技術的な優位を覆すほどのツォンガの勢いであった。
これでツォンガがツアー最終戦マスターズカップの最後の切符を手に入れた。あの世界を震撼させた全豪の活躍より一年、故障により一時戦線離脱を余儀なくされたが、再びツォンガが舞台に上がる。その大いなるテニスの今後の展開に注目していこう。

 

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