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第084房 2008年東レ・ジャパンオープン TV観戦記  (2008/12/28)

 

2008年09月15日 東欧スラブ系軍団大挙日本上陸

秋のアジアシリーズ全開だ。日本の東京でティアT大会、東レパンパシフィック・オープンが 開催される。去年まで全豪の後の1月末から2月にかけて東京体育館で行われていたこの大会は、ジャパンオープンなど他のアジア開催ツアーと連動して「アジ アシリーズ」を盛り上げるために(もちろんそれ以外にも様々な事情はあるだろうが)この9月に移動してきた。会場はホークアイシステムを導入した有明コロ シアムである。第一シードはヤンコビッチ、以下イバノビッチ、ディメンティワ、サフィーナ、クズネツォワ、ラドワンスカ、ハンチェコワ、チャクベターゼ、 バルトリ、ペンネッタ、ウォズニアキ、コルネ、リー、サバイ、チブルコバ、ペトロワ、キリレンコとティアT大会にふさわしい豪華な陣容である。セルビア勢 とロシア勢の主力がこぞって参加のこの大会、東欧パワーに飲み込まれているWTAの現状をよく示している。日本勢は杉山・中村・森田が参戦する。GAORAが準々決勝まではライブで、準決勝と決勝は後日録画で放送してくれる。準決勝と決勝のライブ中継は地上波のTBSだ。実力だけでなく、これだけスラブ系美女が集まればシャラポワがいなくてもTV的には大いに盛り上がるだろう。熱戦を期待しよう。

 

2008年09月17日 受難の東レ

ハンチェコワダウン、チャクベターゼダウン、キリレンコダウン、モーレスモもサバイもウォズニアッキもダウン。クルム伊達は予選で敗退、杉山のダブルスも初戦で敗退と、注目選手が苦しい展開である。豪華な顔ぶれだったはずのティアT大会、東レPPCは波乱の幕開けである。
森田はサバイに勝利したが、中村はラドワンスカに破れ初戦敗退であった。中村は少しドローに恵まれていないね。今年は大きな大会でことごとくトップシード と初戦で当たっている。そういうランキングにいるのだから仕方ないという意見もあるだろうが、そのランキングを上げるためにもこれは苦しい展開だ。運の良 し悪しは順番で持ち回りだ。彼女に運が巡って来ますように、そしてその運を活かせる力が彼女に備わりますように、と願うばかりである。

 

2008年09月19日 東レ2008ベスト8

第一シードイバノビッチダウン、というわけで東レ2008のベスト8QFの組み合わせは下記の通り

ヤンコビッチ対クズネツォワ
ディメンティワ対スレボトニック
サフィーナ対カネピ
ラドワンスカ対ペトロワ

半分がロシア勢で、全員勝てばベスト4はオールロシアンSFとなる。対抗するのがセルビア、スロベニア、エストニア、ポーランドの各トップ選手だから、まさに東欧スラブ系軍団にティアT大会が占拠されてしまった状態だ。この大会、ウィリアムズ姉妹が来てくれていたら、もっと面白くなっていただろうに、残念 だ。とにもかくにも、ティアT大会らしい「強い選手がさらに強い選手に挑む」という熱戦を東京で見せて欲しい。有明は開閉式屋根があるのだろう、ならば台 風の心配もないよね。熱戦を期待しよう。

 

2008年09月21日 東レ2008 SF

ディメンティワダウン!東レ2008のベスト4はそれでもロシア勢3人が進出した。

東レPPO2008 SF
クズネツォワ 76 62 スレボトニク
サフィーナ 61 60 ペトロワ

TBSはクズネツォワ戦を中継した。第一セット、解説の松岡氏は「クズネツォワ疲れています。でも頑張っています。」と何度もいってい。解説通り、クズネ ツォワに切れがない。サーブとストロークでスレボトニクを押せない。スレボトニクは果敢にネットに出てクズネツォワからポイントを奪う。6-6になった。 ここでギアを上げるスレボトニク、4ポイント連取した。これで決まったと思った。がクズネツォワはここから突然エンジンがかかる。なんと7ポイント連取と いう大逆転で第一セットをTBの末に奪った。
第二セットでも苦しいながらも、かかったエンジンの勢いを落とさずに6-2で取りきった。クズネツォワの底力を見せられたような試合だった。
もう一つのSFはサフィーナがペトロワを圧倒した。1ゲームしか取らせなった。公開処刑だなこれは。
さてオールロシアンファイナルとなった。勢いはサフィーナにあるが、一つ年上のクズネツォワはこれを止めることができるだろうか。熱戦を期待しよう。

 

2008年09月22日 サフィーナの足音 東レ2008決勝

サフィーナ、強いわ・・・・

東レPPO2008 決勝
サフィーナ 61 63 クズネツォワ

サーブが強い、リターンが強い、ストロークが強い。サフィーナがあれだけすき放題、バカスカと強打を打ちまくって、それが全て入るのだから、クズネツォワ もどうしようもなかっただろう。第一セットを圧倒されたあと、第二セットの序盤ではやや反抗の姿勢をクージーが見せることができたが、それでも途中からサ フィーナは強引にねじ伏せてきた。足も速い、クズネツォワのナイスショットを見事なフットワークで切り返した。攻守で圧倒してティア場J大会のタイトルを奪った。
これでサフィーナはエントリーランキングNo3、ロシア勢No1となる。グランドスラムタイトルこそ取っていないが、女王の座に着実に近づきつつある。その足音を聞かされたような感のする決勝戦であった。

 

2008年09月30日 秋の祭典2008

秋のアジアシーズンはクライマックス、日本在住のテニスファンにとっては秋の祭典となるAIGジャパンオープンが開幕である。
WTAはティアV大会となるこの大会の第一シードはウォズニアッキ、以下キリレンコ等など・・・・・地味じゃ。去年も記事にしたがジャパンオープンの女子は東レPOPと統合してしまったほうがよいと思うぞ。開催時期も会場も重なったことだし。
国内唯一のATPツアーの大会となる男子は第一シードフェラー、以下ロディック、ゴンザレス、ガスケ、デルポトロ、ロブレド、ツォンガ、ユーズニー、ベル ディッヒ、モンフィス(欠場)、ニーミネン、シュトラー、カレリと続く、なかなか豪華な顔ぶれである。これでエントリーランキングトップ3の一人が来てくれればいいのだが、贅沢は言うまい。
さて錦織圭、彼の動向には日本中の注目が集まっている。GAORAでは初日から三日目までを中継、地上波総合が準決勝と決勝を録画中継する。ん、NHKはBSで二日目から四日目までを録画中継すると言っているぞ。これも錦織とクルム伊達の効果であろうか。せっかくの秋の祭典である。大いに楽しみにしよう。

 

2008年10月02日 近年稀に見る充実 ジャパンオープン2008

錦織負けちゃった。

ジャパンオープン2008男子単3回戦
ガスケ 61 62 錦織

負けたことより、スコアが一方的であったことの方が驚きだ。これで錦織に期待していた日本のファンは残念であったことだろうが、如空的には今年のジャパン オープンは盛り上がってきた。シードダウンが毎年相次ぐこのジャンパンオープンにおいて、今年はトップ5シードがベスト8に残っているのだ。QFの組み合わせは下記の通り。

フェラー(1)対デルポトロ(5)
ガスケ(4)対シュトラー(12)
ベルディッヒ(9)対ゴンザレス(3)
トロイッキ対ロディック(2)

おお、豪華じゃ、如空がテニス観戦をし始めてより、ジャパンオープンの結果は毎年チェックしているが、過去これほど豪華なベスト8はなかったのではないだ ろうか。トップ4シードがベスト4揃い踏みすれば準決勝・決勝は大いに盛り上がるぜ。逆にトップ4シードが全滅してもデルポトロとベルディッヒ・シュト ラーの存在は要注目である。これは週末が大いに楽しみだ。その前にこのQFフェラー対デルポトロって事実上の決勝戦になるのではないか。近年稀に見る充実 振りのジャパンオープンである。期待に応えた熱戦見せてくれ。

 

2008年10月04日 これがツアーだ ジャパンオープン2008SF

ジャパンオープンQFでデルポトロがフェラーを突破した。波に乗る二十歳はいよいよこのアジアでもタイトルを挙げるのか。ゴンザレスもベルディヒの前に敗れた。そして近年まれに見る激戦のジャパンオープンはSFでも大接戦となった。

AIGジャパンオープン2008SF
デルポトロ 63 46 75 ガスケ
ベルディッヒ 67 75 76 ロディック

シード勢同士がぶつかり合う準決勝で二試合ともフルセットマッチ、しかも一方的なスコアはどのセットもない。まさに大激戦だった。特にファイナルセット、 どちらの試合も最後までどちらが勝つかわからない、どちらにも勝つチャンスがある接戦だった。どちらかといえば攻めているほうよりも我慢して耐え忍んだ方 が勝ったような試合だった。
全米終了後の秋に行われるジャパンオープンはどうしても消化試合の感が否めない。毎年豪華な顔ぶれが予定されるが、蓋を開けてみるとその豪華な顔ぶれたち は、来ない、出ない、早い段階で負ける、あっさりとした試合をする、と毎年のごとく盛り上がりに欠けていた。シャラポワが優勝したり、フェデラーが優勝し たりした年も、試合内容の面白さという意味では今一であったように思う。決してツアーのトップ選手たちが手を抜いていたわけではないが、この大会で全力を 尽くして優勝を目指すというモチベーションが少しかけていたのも事実であろうと想像している。
だが今年は違う。皆タイトルを本気で目指している。使えるあらゆる手段を使って勝利しようとしている。そして強いやつが更に強いヤツに挑み、そして時には 破れ、時に打倒を果たす。その差はわずか、勝利の女神が最後にどちらに微笑んだかによってきまる。そんな好勝負が続いている。超人達の超人的なプレーの激 突に見ている方も引き込まれる。これこそがツアーレベルのテニスだ。
男子単の決勝はデルポトロ対ベルディッヒである。この素晴らしい大会の結末にふさわしい好勝負を期待しよう。

 

2008年10月05日 それぞれの決勝戦 ジャパンオープン2008

AIGジャパンオープン2008決勝
ベルディッヒ 61 64 デルポトロ

お腹をこわしたデルポトロ、走ることができずに第一セットをあっさり落としてしまう。これはこのままベルディッヒの圧勝で終わるかと思った第二セットも中 盤、3ゲームを連取されたところでデルポトロの息が吹き返す。コートを縦横無尽に走り回り、長い手足でボールを拾いまくり、高い打点から打てるときは叩き 込む。ゲームが競るようになった。デュースが続くシーンが続出する。メンタルが試される厳しい展開の中、しかし、ベルディッヒの手堅い攻守の姿勢は崩れな い。チャンピオンシップポイントを何度もデルポトロの粘りの前に潰されるが、ひるまない。手堅く守るが、攻めるときは攻める。そしてデルポトロに負けると も劣らないサーブの威力は最後まで健在であった。最後に長いデュースを取りきり、ベルディッヒは優勝を決めた。今季初優勝であった。
男子に比べれば注目度が低かったジャパンオープン女子だが、シングルスは如空が前から注目していたデンマークのウォズニアッキが優勝した。なぜ彼女を注目 しているかといえば数年前に大阪のスーパージュニアで優勝したところを会場で目撃したからだ。期待通りにツアーで優勝するところまで成長してきた。これか らも注目である。
ちなみに、女子ダブルスでは森田・中村ペアが決勝まで勝ち進んでいたが、決勝はフルセット後スーパータイブレークで破れてしまった。残念。今年は運に恵まれていなかった二人、森田と中村、これを期にまた運を引き込んで活躍してほしいものである。

 


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