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2007年 USオープン TV観戦記(2007/09/27)

 

2007年08月23日 2007 全米オープンドロー

早くも全米オープンのドローが発表された。例によってドローを4つの山に分けて、独断と偏見とエコ贔屓による展望を無責任に見てよう。
男子の第一シードはエントリーランキングNo1、ATPに君臨する圧倒的強者、如空が「皇帝」と呼ぶロジャー・フェデラーである。彼の山であるトップハーフの上半分は、第5シードロディックを筆頭にニーミネン、フェレーロ、ガスケ、ベルディッヒ、マチュー、カルロヴィッチらが顔をそろえた。フェデラーは前半戦をほとんど予選上がりの選手と試合することになる、フェデラーが本来の力を発揮すれば、皇帝を止められそうな選手は見当たらない。去年のファイナリストで年末にはマッチポイントを取るとこまで追い詰めたロディックに期待は出来るだろうか。意地を見せてもらいたいものである。
第四シードはダビデンコ、彼の山には第六シ―ドブレークを筆頭にアルマジロ・・・じゃなかったアルマグロ、マレー、カナス、ハース、バクダティス、ボランドリーらが実力者が集う。ダビデンコが勢いに乗り切れていないので、誰がSFに進出してもおかしくはない。フェデラーの壁としてSFに立ちふさがるのは誰か、熱戦が大いに期待できる山だ。
第三シードは今季の台頭著しいセルビア勢のジョコビッチ、彼の山であるボトムハーフの上半分は第八シードのロブレドを筆頭に、モヤ、ユーズニー、ヒューイット、モナコ、メルツァーらが集結した。順当に行けば4回戦でジョコビッチとヒューイットがあたる。これは要注目である。
第二シードはチャンピオンズレースNo1、赤土の覇者ラファエル・ナダルである。彼の山は第七シードゴンザレスを筆頭にサフィン、チェラ、リュビチッチ、フェラー、ナルバンディアン、ツルスノフと多彩な顔ぶれがそろった。ハードヒッターにビックサーバー、ライジングの名手にシコラーと各タイプの実力がそろいに揃った。クレーならともかく、ハードコートでこれらの実力者を迎え撃たなければならないナダルには厳しいタフドローとなった。だがNo1になるためにはこの壁を越えなければならない。
予想された事態ではあるが、ジョコビッチが第三シードで第二シードのナダルと同じボトムハーフとなってしまった。この二人がつぶしあって生き残った片方をフェデラーは決勝で迎え撃てばよい。常に第一シードはもっとも有利な状況にあるわけだが、今回はモロにその第一シードの優位が示されたといってよい。マレーやカナス・vボランドリーなどここ数年でフェデラーに土をつけた選手がトップハーフにいるが、それらの選手がフェデラーの当たるところまで勝ちあがれる可能性はそれほどあるとはおもえない。フェデラーの連覇への可能性は相変わらず高いといえよう。もちろん、ジョコビッチなりナダルなりが決勝でフェデラーを止める可能性は大いにあるわけだから、過去数年に比べれば今年は面白くなるだろうとは言える。

女子はモーレスモが不在である。
第一シードはエナン、彼女の山であるトップハーフの上半分は第八シードS・ウィリアムズを筆頭に杉山、ゴルビン、サフィーナ、バルトリ、サファロバ、スボナレワらが揃う。またしてもエナンとセリーナが同じ山に入った。だがそれよりもウィンブルドンでエナンと破ったバルトリがこの山にいることのほうが、エナンにとってはいやなことかもしれない。
第二シードはヤンコビッチ、彼女の山には第五シードのイバノビッチを筆頭にストーサー、ディメンティエワ、V・ウィリアムズ、ボンダレンコ、サンタンジェロらが終結した。今季台頭著しいセルビアコンビヤンコビッチとイバノビッチが同じ山である。しかもウィンブルドン覇者ヴィーナスまで同じ山だ。激戦必至のタフドローといえよう。
第四シードはクズネツォワ、彼女の山であるボトムハーフの上半分は第七シードペトロワを筆頭にクライチェック、スレボトニック、ハンチェコワ、ヒンギス、ガルビンらが揃った。クズネツォワの今季の調子からして圧倒的に強い存在とはいえまい。誰がSFに出てきてもおかしくない混戦の予感がする。
第二シードはシャラポワ、彼女の山は第六シードチャクベターゼを筆頭にミルザ、スキアボーネ、シュニーダー、バイディソワ、ピアーらが揃う。シャラポワは体調を万全にしてこの大会に入れるだろうか。フィジカルに不安があるとこのドローを勝ち進む事は容易ではあるまい。
エナンが本命であることにかわりはないのだが、それでもトップハーフは激戦となろう。逆にボトムハーフは本命不在の中で混戦となりそうだ。果たして決勝に勝ち進むのは誰か。熱戦を大いに期待しよう。

 

2007年08月27日 北米ハードコートシーズン2007クライマックス

さて、いよいよ全米オープンが始まる。ニューヨークでの試合時間は日本の深夜から朝にかけてなので、日本時間で深夜の録画中継では事実上三日遅れになる。という訳でWOWOWアナログの深夜録画中継は「火曜日の深夜」と呼ばれる水曜日の0:00から。第一週は2時間であるので、一試合か二試合しか中継されないだろう。けど、平日は仕事があるし、これくらいがちょうどいいのではないか。デジタルでは延々テニス中継しているが、あれ全部見ている時間がある人はどれくらいいるのだろう。とにかく今年最後のグランドスラムである。熱戦を期待しよう。

 

2007年08月28日 2007全米初日

全米初日で、フェレーロダウン、バクダティスダウン、その他の上位シードは安泰のようである。エナンは初戦突破したものの、フィジカルは完全ではないようで少し不安だ。一回戦注目のカードであったジョコビッチ対アンチッチ戦はアンチッチが試合直前で棄権して実現しなかった。さて、今夜のWOWOWアナログの中継は予想通り日本人女子選手、杉山と中村の試合である。中村の相手はイワノビッチ、勢いを増すセルビア旋風に、巨大なコートの中で中村がどこまで喰らいついたのか、存分に見せてもらおう。

 

2007年08月29日 2007 全米二日目

ハンチェコワダウン、ゴルビンダウン、初日にはニーミネンとマチューも初戦敗退していたんだね。でも大きな波乱は今のところ起こっていない全米二日目である。
第23シード・ニーミネンを負かしたのはアメリカ期待のアイズナーである。WOWOWのピックアップで試合のダイジェストを放送していたので、アイズナーのテニスを如空は始めて映像で見た。でかい、2mを越す長身なだけでなく、手足が長くて、各パーツがでかい。ラケットが卓球のラケットに見えるほどに小さく見える。アイズナーはその長身から繰り出すサーブが武器だ。フラットサーブを高い打点から、ありえないというよな角度、コースで打ち込んでくる。でかいくせに足が良く動き、ボールも良く拾う。ニーミネンとサービスのキープ合戦を繰り広げて3セット連続TBの大接戦であった。第四セットを6-4でニーミネンから奪いセットカウント3-1でシードを破って初戦突破に成功した。まだまだ荒削りだが、若い頃のロディックのような「未完の大器」の片鱗を垣間見た気がした。
さてWOWOWアナログの中継は杉山と中村。杉山はラリーの主導権をクレバックに握られ、結構相手に打ち込まれていたのだが、冷静にカウンターで切返して、押し切ろうとするクレバックにミスを多発させた。結果はストレートで圧勝。杉山のパワーに頼らず、むしろ相手のパワーを利用するクレバーなテニスが光った試合であった。一方で中村はイワノビッチに一方的にやられた。あのイワノビッチの左肩を入れてタメを作って、相手の動きを止めて、コースを隠してから打つフォアハンドにウィナーを量産され、ストレートで敗れた。イワノビッチはまだトップギアに入れていない力の抜けたテニスであったが、それでこれだけの高いレベルを発揮するのであるからすごいものだ。この大会もやはり要注目である。

 

2007年08月30日 2007全米 三日目

ゴンザレスダウン!2セットダウンからフルセットまで押し戻したがファイナルで力尽きた。引退を表明したヘンマンはツルスノフの突破に成功した。WOWOWアナログで中継されるとこまでは勝ち進んでくれ、最後にヘンマンのネットプレーをもう一度見ておきたいから。
そのWOWOWアナログの中継は森上とジョコビッチ。
森上は負けてしまった。若いラドワンスカにパワーで押し切られた。打った後しゃがみこむ癖のあるラドワンスカのショットは地面からの力をボールにしっかりと伝えている。ストロークの力で試合巧者の森上をねじ伏せた。世界にはあんなのがごろごろしているかと思うと恐ろしくなる。
ジョコビッチは堂々としたテニスで力強い勝ちっぷりを見せた。コートに立つ姿に貫禄さえ漂う。自信をつけた選手は強いね。サーブはさらに速くなっているし、タメを作ってから肩をブンと一気に回し切るフォアは強い。強いだけでなく角度が厳しい、コースも逆クロスからダウンザライン・クロスまで自由自在だ。強打のときの打球音がすさまじく、コートに響き渡っていた。あれでコントロールが正確な上に安定しているのだから強いわけだ。
ナダルはフィジカルに不安を抱ええているらしい。今のままではSFでもしぶつかったとき、ナダルよりジョコビッチの方が有利だろうか。二回戦以降の出来に注目しよう。

 

2007年08月31日 赤いウェアと黒いラケット 全米四日目

ガスケが不戦勝で終わったって、何が起こったのだろう・・・・他には特に波乱もなく順当な全米四日目である。
WOWOWの進行役ダバディ氏は例によって地元新聞の記事をピックアップして大会関連のニュースを取り上げている。その中でシャラポワのこの大会のウェアは過去のウェアの中でもっとも評判が良いとの話があったが、如空も同感だね。このブログで何度か述べているが体格があってスタイルのいい人はごてごてした衣装ではなく、シンプルな形状のウェアの方が良い。他者との差別化して個性を出すのはカラーリングや素材ですればいいのだ。
ところでこの大会のヒンギスを見て気づいたのだが、彼女のラケットはヨネックスでなくなっているのではないか。ヨネックス特有の六角形フレームではない。ストリングにマーキングしていないだけなく、フレームも真っ黒でメーカーのロゴが写真からは確認できない。ステパネックだけでなくヨネックスとも別れたのかヒンギス。あのラケット、どこのメーカーなのかすごく気になる。
WOWOWアナログの録画中継は杉山とナダルだった。
杉山は予選上がりにフルセットの末敗退した。ミスとウィナーをお互い繰り返す波の激しい試合にだった。一回戦では安定したクレバーなテニスを見せた杉山は二回戦でも予選上がりの格下マカロワが相手となり、順当に三回戦に進出し、そこでのエナンとの対決が期待されていた。だが解説の神尾米氏によると試合前の練習ではぴりぴりしていたらしい。マカロワは左利きだがそれを生かすようないやらしい回転をかけてくるタイプではなく、むしろロシア勢の王道を行く低い弾道のフラットなハードヒットで相手を押し込むタイプであった。一回戦では同じような相手を見事に封じ込んだ杉山であったが、この日は乱調、第二セットで主導権を握ったのだが、最終セットでまた押し戻された。技術や力がどうという前に杉山は精神的にやや不安定であったように思う。彼女らしくない苛立ちの表情と叫び声が何度も見られた。
ナダルは膝の故障を抱えながらの全米参戦となった。他の大会なら棄権していると言っているほどの重症らしい。コーチと話し合って「出来るだけ動かずに勝ちに行く」という方針で臨んだらしいが、動きこそがナダルの生命線だろうに大丈夫だろうか。試合そのものはアナログでは第一セットと最終セットしか放送されなかったが、ナダルの動きのそれほど問題があるとは見えなかった。だがショットの威力に頼っていたのは事実だ。回復してくることを切望しよう。

 

2007年09月01日 全米五日目

ああ、ヘンマンが負けてしまった。サフィンもダウン、ユーズニーもダウン、ディメンティワもダウン、気付かない内にカナスも負けていた。ジョコビッチはステパネックとフルセットの激闘を制した。5セット全て両者が5ゲーム以上を取り、内3ゲームはTB、取ったゲーム数は互角、最終セットのTBでかろうじてジョコビッチが上回り勝利したという大接戦であった。ステパネックのここに来ての充実ぶりには目を見張るものがある。
昨日のWOWOWアナログの録画中継はマレー対ビョークマン、バイディソワ対ペンネッタという渋い選択であった。再び調子を上げつつある20歳のマレーに対して真っ向勝負を挑む35歳ビョークマンのプレーは見事であった。両者ともにバックハンドの角度の付け方が見事である。逆クロスにショートクロスとベースラインでなくサイドラインに抜けていく見事なアングルショットで見事なウィナーを取る。ネットプレーとリターンではビョークマンのベテランらしい技が冴え渡っていた。だが、ストローク戦での圧力のかけ方にはマレーのほうに分があり、フルセットまで持ち込んだが、最後にビョークマンは振り切られてしまった。だが敗れたとはいえ、そのプレーは見事であった。
一方でバイディソワは相変わらず大事なところで締め切れずに、試合を長引かせた。マッチポイントを何度も逃し、第二セットをTBに持ち込まれてしまう。ラケットをコートに叩きつけて警告を受けるバイディソワ、気性は激しいが、なぜか勝ちびびりを起こしてしまう性格なんだねバイディソワは。TBはしっかりモノにしてストレートで勝ったバイディソワであるが、心のうちに爆弾を絶えず抱えている選手であることに代わりはない。爆弾を抱えたまま、どこまで行くか、注目しよう。

 

2007年09月02日 女子波乱 全米六日目

シャラポワダウン、ヒンギスダウン、バイディソワダウン、ペトロワダウン、キリレンコもダウン、何じゃこれわああああってな感じの全米第六日目である。前日のナイトセッションでヒューイットも負けとるし、今日になってマレーも負けとるし。フェデラーも勝っているけどセットを一つ落としたな。なにやらこの後も色々と起こりそうな気もする。
WOWOWアナログの録画中継はエナンとサフィンだった。
エナンは強いわ。攻めが早い。サーブが強い、リターンが強い、ベースラインからの強打に加えてネットへの詰めが早い。男子ならともかく、女子の選手の中で、これほどあらゆるシーンで強いオールラウンダーというのはエナンの以前に存在しただろうかと思わせるほどの圧倒的強さである。相手は荒波にさらわれた小舟のごとく押し流されていくようだった。
一方でサフィン君、集中できていませんね・・・・結局負けてしまった。WOWOWの解説で指摘されて改めて驚いたのだが、サフィンってあの2005年の全豪、SFでフェデラーを破り決勝でヒューイットを破ったあの優勝以来、ツアーでの優勝がないんだね。おいおい・・・・ヒューイットだってロディックだって、フェデラーに連敗し続けて色々言われているけど、それでもツアーでの優勝をコンスタントに取り続けているぞ。君ももう一花咲かせてくれないか。期待せずに待っているから。

 

2007年09月03日 接戦と強者らしさと 全米七日目

リュビッチがフルセットの末、チェラに敗れる。ナルバンディアンもフルセットの末、マッチポイントを握りながら逆転されフェラーに敗れる。ジネプリもフルセットの末敗れた。モヤは勝ったがこれもフルセットの大接戦だった。熱戦の中、ナダルは膝が復調し始めて、いい感じで勝ち上がり始めた。ジョコビッチも二回戦でのフルセットの疲労を引きずることなくストレートで三回戦を突破した。
今年の全英覇者V・ウィリアムズは全仏準優勝者のイワノビッチを、今年の全豪覇者S・ウィリアムズは全英準優勝のバルトリを、それぞれストレート降した。そして全仏覇者にして現女王のエナンはサフィーナを60 62で圧勝した。シード選手に2ゲームしか取らさない圧倒的な強さである。ヤンコビッチはフルセットにもつれたがそれでも勝利している。波乱の前日とは対照的に強者が強者らしく勝ち進む今日の女子である。
WOWOWアナログの録画中継はキリレンコとフェデラーであった。
キリレンコには今回シードがついていないのだね。シード選手だと勘違いしていた。キリレンコは粘りがなかった。エンジンがかかるのが遅すぎた。なんとも中途半端な試合で負けていった。
フェデラーからセットを奪ったのはアメリカの新星アイズナーであった。アイズナーって今年のレッグ・メーソン・テニス・クラシックで決勝まで進出していたんだった。大学からプロ転向していきなりこの活躍では注目されるわな。一回戦ダイジェストの印象でも述べたが、でかいくせに動きが速い。ビックサーブのみに注目が集まっているが、ストロークもボレーも丁寧で安定している。攻撃のオプションを増やしていけばもっと強くなりそうだ。でもフェデラーはそのアイズナーのテニスにタイミングが合うと難無く押し切ったね。見事なテニスでした皇帝陛下。

 

2007年09月04日 女子ベスト8出揃う 2007全米八日目

ロディックはまた対戦相手の棄権で勝利を拾った。これでQF進出、順当に行けばここでフェデラーと当たる。去年の後半はマッチポイントを握るところまで皇帝フェデラーを追い詰めたロディックであるが、今年の全豪SFでは公開処刑とも言うべき惨敗を喫した。ロディックが流れをもう一度引き寄せることが出来るか注目である。一方でブレークはまたしてもフルセットの大接戦を演じたが、今度は勝てなかった。相手はハース。ハースも今年の全豪絶好調だったのだが、SFでゴンザレスに圧倒され、勢いを失った。ここで挽回なるか。ハースは浮き沈みが激しいだけに、一度波に乗って駆け上がるところを見てみたいと思う。
女子はベスト8が出揃った。QFの組み合わせは下記の通り。
エナン対セリーナ・ウィリアムズ
ヴィーナス・ウィリアムズ対ヤンコビッチ
サバイ対クズネツォワ
チャクベターゼ対ペア
トップハーフに今年のGSタイトルホルダーの3人が集中している。そこに今年の出世頭ヤンコビッチが絡むという大激戦区になった。一方でボトムハーフはやや地味、クズネツォワは何が何でも決勝に行かなくてはならない。だがチャクベターゼの勢いはそれを阻止しうるかもしれない。サバイとペアはまだそのテニスを映像で見たことがないので、どんなテニスをするのか見てみたい。
WOWOWアナログの録画中継はナルバンディアン対フェラー、V・ウィリアムズ対イワノビッチであった。
ナルバンディアンはフェラーのハードヒットに対しては実に見事なライジングからの切り返しでウィナーを奪う。高速ストロークのハードコートであれほど簡単にボールのコースを変えるあのライジングの技術はツアーでも屈指だろう。だがそれは同時にナルバンディアンのショットが相手のボールの勢いを利用して打っていることを示している。フェラーのつなぎのボールを逆にうまく切り返すことが出来ずにミスも多く重ねた。逆にフェラーはナルバンディアンにカウンターで何度もウィナーを取られても諦めず、高い打点からのハードヒットを貫き、左右に振るナルバンディアンのストロークに走ってくらいついた。そしてマッチポイントを取られても逃げ切り、逆転して勝利をつかんだ。最後まで自分のテニスを貫いた見事な勝利であった。
V・ウィリアムズは強力なサービスを集中させ、勢いに乗ろうとするイワノビッチの迎撃に成功した。あのサーブは確かに強力ではある。しかしながらリターンのうまい妹セリーナやエナンに通用するだろうか。
女子はいよいよベスト8激突である。男子も好試合が続出している。更なる熱戦を期待しよう。

 

オールラウンダー二人風の如く 2007全米九日目

モヤはまだ31歳だったんだね。アガシやヘンマンと近い年齢かと思っていた。この全米でベスト8に入って来た。QFは下記の通り
フェデラー対ロディック
ダビデンコ対ハース
モヤ対ジョコビッチ
チェラ対ナダルとフェラーの勝者
ナダルが来ればトップ4シードが順当に上がって来ている充実のベスト8になるが、フェラーは調子を上げているので、いい勝負になるのではないかと思う。
WOWOWアナログの録画中継はペアー対ラドワンスカ、ハース対ブレークであった。
イスラエルの20歳ペアーとポーランドの18歳ラドワンスカは共にそれほど大きな特徴があるわけでもないオーソドックスなテニスをする。ただこの試合に関しては、ラドワンスカが途中で闘争心を失っていた。ここまで勝ち上がってきていたのにもったいない試合をしたものだと思う。
対照的にハースとブレークの試合は名勝負であった。ファイナルセットしか放送してくれなかったが、それでも会場の興奮が画面を通じて伝わってくる。共にバックハンドが片手打ちのオールダウンダー二人、コートを縦横無尽に走り回ってボールを拾い、オープンコートに切り返し、ウィナーを狙う。二人とも左右の振り回しから、一気にネットに出てくる。止まることなく動き続けてナイスショットを連発する。速きこと風の如し、まるでアイスホッケーの試合を見ているかのようなスピード感あふれるテニスが繰り広げられていた。ショットの威力では打つ前にタメを十分作るブレークの方が上であった。だがコントロールとコースの厳しさ、ショットの鋭さでハースは対抗した。特にバックハンドのストレートから逆クロスのかけてのショットが素晴らしい。ボレーも見事であった。これぞオールラウンダーのプレーだというところを存分に披露していた。ファイナルセットはハースが先行したが、ブレークが追い上げ4-4に戻すという追いつ追われつのドッグファイトとなった。地元の観客の声援に後押しされ追い上げるブレークを相手に、ハースは一歩も引かずに自分のテニスを貫き、最後にブレークを突き放してハースが勝利した。
この試合は最初から全部見たかったぞ。ペアー対ラドワンスカの凡戦なんかパスして二時間全てブレーク対ハースでも良かったのではないか。ああ、これデジタルでは完全中継されていたのだろうか。そろそろデジタルの移行を考えるかな。
今年の全米は前半戦で素晴らしい好勝負が続いている。後半戦も大いに期待しよう。

 

2007年09月05日 深夜の攻防戦の果てに

偶然ではあるが、如空は今年の全米が始まる前に2005年のマスターズシリーズマイアミ大会のSFとローマ大会のSFの録画を見ていた。夏休みの暇つぶしに見ていたのだが、当時台頭しつつあったクレー王国スペインの二人、ナダルとフェラーがそこでぶつかっていた。体格が小さめでサーブが弱いものの、高い打点からフラットで叩き込むストロークで打ち合いを挑むフェラーに対して、グリグリのトップスピンと脅威の脚力を持つナダルが迎え撃っていた。フェラーは攻めきれずにナダルに負けていった。2005年全仏のQFでも二人はぶつかり、フェラーの攻めをナダルは防ぎきった。そしてナダルは赤土の覇者となり、No2まで駆け上がり、一方のフェラーはスペイン勢の「その他大勢」の一人に留め置かれた。だがそのフェラーの攻めの姿勢には如空が共感するものがあり、彼の試合結果には常に目をかけていた。今年のフェラーは調子が上がっているようだった。先日の対ナルバンディアン戦を見ても、彼の攻めの姿勢は相変わらず貫かれていた。全米はハードコートだ、これは4回戦でナダルは苦労するぞと思っていた。だが苦労どころか、深夜の攻防戦の末、難攻不落の城塞は崩された。

2007全米男子4回戦
フェラー 67 64 76 62 ナダル

二人の戦前の対戦成績はフェラーが2004年の初対戦で勝利してからはナダルの4連勝であった。ナダルの調子は完全ではないので波乱は十分予想されたことではあるが、フェラーがここで止めて見せるとは思わなかった。映像を見ていいないのでまだ試合内容は分からないが、やはりこの衝撃は大きい。これでナダルの年間最終ランキングNo1奪取はかなり厳しいものになったといえよう。グランドスラムに今年二勝して三勝目に驀進中の皇帝フェデラーに対して、ナダルは結局今年もグランドスラムは全仏の一勝のみになってしまった。残りの後半戦はハードコートとインドア主体なだけにフェデラー優位に進む。結局ナダルは今年もエントリーランキングNo1には手が届かずに終わるのだろうか。
深夜の激闘フェラー対ナダル戦の直前に女子のQFが一試合あった。そこで全仏覇者エナンは全豪覇者セリーナ・ウィリアムズを 76 61 で退けた。エナンはこれで後、全英覇者ヴィーナス・ウィリアムズを倒して全米を取れば年間最終ランキングNo1にかなり近づく。もちろん、ヤンコビッチがその前にヴィーナスを止める可能性も大いにある。そしてエナンをも。女子は大一番が近づきつつある。
しかし・・・・フェラー対ナダル戦は現地時間で深夜の1時を過ぎてもプレーしていた。ナイトセッションの開始は19:00スタートらしいが、男子はベストオブ5セットマッチだからなあ・・・・もう少し早く試合を開始した方が良くないか。

 

2007年09月06日 負傷と落胆と 2007全米十日目

WOWOWアナログでもナイトセッションの生中継が始まった。だけど忙しくて全てをチェックできない。録画を流して見る限りは、ナダルは満身創痍だったようで、足だけでなく手にも傷を負っていたようだ。直前の試合では元気そうだったのにどうしたのだろう。一年を通じて健康にプレーする事は過酷なツアーのスケジュールでは難しいことだとは思うが、それでもナダルは、さあこれからフェデラー追撃だって時に負傷してしまう。なんとももったいないことだ。
エナンに圧倒されたセリーナはかなりショックだったようで、記者会見で「試合の事は話したくない。」「罰金を取られたくないから(記者会見に)出ている。」「ビデオを見てエナンの対策をこれから考える。」と酷い落ち込みようだった。一方でエナンは「第一セットのTBから第二セットのマッチポイントまで完璧だった。素晴らしい。」と自画自賛していたほどに、後半は見事な出来だった。この試合を見る限り、二人の差は守備だよな。エナンはセリーナに前後左右に振られても、走って、追いついて、しっかりとボールを打って、逆襲する。攻守一体の見事なフットワークである。一方でセリーナの攻めは単発的で連続攻撃から畳み掛けることが出来ない、エナンがそれをさせない。そしてエナンは逆に守りから攻めに転ずると連続攻撃でセリーナを抜き去る。第一セット中盤でほぼ一進一退の攻防を繰り広げられていたが、それもエナンはセリーナのショットにタイミングを合わせて、ギアを上げるチャンスを窺っていたかのようにも、後から見ると考えてしまう。それほどの完璧な出来であった。
ハースがダビデンコに迎撃されしまった。残念である。女子のボトムハーフはクズネツォワとチャクベターゼが勝ち上がってきた。そしてナイトセッションは注目のV・ウィリアムズ対ヤンコビッチ、フェデラー対ロディックである。前者が圧倒するか、長引けば後者のペースというこの二試合、大いに注目しよう。

 

2007年09月07日 敗れても貫かれるもの 2007全米QF

真夜中のNY、黒いウェアを身にまとった元No1と現No1は静かに激突した。

2007全米男子QF
フェデラー 76 76 62 ロディック

第一セットも第二セットもロディックはフェデラーに自分のサービスゲームでブレークポイントを握らせなかった。それどころか第二セットでは先にブレークポイントを握った。フェデラーの柔軟な対応に何度もいなされたが、それでもロディックは攻めることをやめなかった。ポイントが取れるまで何度も攻め続けた。ミスをしても強打を打ち続け、抜かれてもネットに出続け、ブロックリターンで無力化されてもビックサーブを打ち続けた。そのロディックの攻めをフェデラーは冷静に、そして柔軟に対応したが、ロディックの圧力の前に対抗しきれない場面が続出し、二度にわたりキープ合戦の末のTBにもつれ込んだ。TBも互角であった。だが先行され、最後はサービスポイントで決めて、フェデラーがTBを二セット連続で取った。
第三セット2-2になったところでフェデラーが一気にブレーク、4ゲーム連取で試合を決めた。ロディックはまた勝てなかった。だがいいのではないか。過去の対フェデラー戦の敗戦の中でも、もっともロディックは充実していた。去年の最終戦マスターズシリーズでフェデラー相手にマッチポイントを握るとこまで追い詰めたあの試合よりも、今日の試合の方が良かった。もうロディックも25歳だ。やりたいことをやればいい。自分がやりたいと思うテニスを貫き通せ。その先に光があることを信じて。

2007全米女子QF
V・ウィリアムズ 46 61 76 ヤンコビッチ

強打一辺倒かと思われたヤンコビッチであったが、ヴィーナス相手に柔軟な対応を見せた。ヴィーナスの強打を柔らかいテニスで切り返し、第一セットでブレークをすると、一気に第一セットを取りきった。ヤンコビッチに警戒心をあらわにしたヴィーナスは第二セットでさらにギアを上げて猛攻を見せて圧倒した。これでヴィーナスのペースかと思われたが、第三セットでヤンコビッチもギアを上げた。接戦となりTBまでもつれた。ヴィーナスはかろうじてヤンコビッチを上回ることに成功した。だが敗れたものの剛柔併せ持つヤンコビッチのテニスの懐の広さに、器の大きさを感じた。
これで女子はベスト4が出揃った。SFは
エナン対V・ウィリアムズ
クズネツォワ対チャクベターゼ
である。エナンが一つ頭抜けている存在であることに代わりはないが、ヴィーナスはセリーナよりもエナンに対して圧力をかけやすいだろう。果たして結果は如何に。更なる熱戦を期待しよう。

 

フェラーが来た、ジョコビッチも来た 2007全米QF後半

2007全米男子QF
フェラー 62 63 75 チェラ
ジョコビッチ 64 76 61 モヤ

来た来た、フェラーが来た、ジョコビッチも来た。二人とも難敵をストレートで下してやって来た。自分のテニスを充実させてやってきた。これで男子もベスト4が出揃った。SFは
フェデラー対ダビデンコ
フェラー対ジョコビッチ
ナダルが入ればトップ4シードのベスト4揃い踏みが見れるところであった。だがフェラーはナダルの代役として十分その役割を果たしうると思うぞ。ジョコビッチが優位であることに変わりはないだろうが、ハードコートではナダルよりも厄介な相手となりうるのがフェラーだ。意外な接戦になるのではないかと予想するが結果は如何に。またダビデンコがフェデラーの山で何度目かのSF対決となる。ダビデンコは今やフェデラーのお得意様とされてしまった感があるが、果たしてこの状況を打破しうる策はあるのだろうか。ダビデンコの奮闘を期待したい。さていよいよ男女ともベスト4激突である。実力者がそれぞれ生き残ってくれたのではないだろうか。週末は全米観戦モード全開だ。熱戦を期待しよう。

 

2007年09月08日 不思議な結末と接戦と 2007全米女子SF

2007全米女子単SF
クズネツォワ 36 61 61 チャクベターゼ、

2004年の全米チャンピオンと今年の台頭してきたルーキーによるロシア勢対決はブレーク合戦で幕を開けた。クズネツォワにミスが多い。最後もクズネツォワがダブルフォールトして、6-3でチャクベターゼが第一セットを先取する。
第二セット第二ゲーム、0-1でクズネツォワのサービスゲーム、0-40となった。でここでクズネツォワのエンジンがかかった。柔らかいフォームからポンポンとボールを入れ始め、逆にチャクベターゼは決まらなくなった焦りから強打を打ち始めてミスをし始めた。あっという間に6ゲーム連取して6-1でクズネツォワがセットオールに戻した。
第三セット、0-40からクズネツォワはいきなりブレークされた。だが直後にブレークバック、そこから6ゲームを連取して、逆転でクズネツォワはチャクベターゼを退けた。
第二・第三セットのスコアを見ればクズネツォワが圧倒したかのように思えるが、試合内容では実は一進一退、互いにミスで長引くゲームが多かった。クズネツォワは強打ではなく、柔らかいショットで切り替えし、配球の妙でポイントを取っていた。だがクズネツォワが主導権を完全に握っていたわけではなく、チャクベターゼの詰めが甘かったというべき試合なのかもしれない。とても不思議な試合だった。

エナン 76 64 ヴィーナス・ウィリアムズ

ヴィーナスのサービスで始まったオープニングゲームは、エナンの鮮やかなリターンエーズによりブレークされた。エナンはフォアハンドのキレが鋭い。ベースラインの後ろから豪打でウィナーを奪うほどに強い。ヴィーナスはサーブの力と積極的なネットプレーでかろうじて均衡を保つ。そして粘り強くエナンの攻めに耐えた。5-4となったエナンのサーブインフォーザセットでその粘りが効いた。エナンが攻めきれずにブレークされ、5-5となった。第11ゲームのファーストポイントでネットに出て壁となったエナンにヴィーナスはこれでもかこれでもかと何度もパスを打ち続け、ついに抜き去った。ポイントを取ったのはヴィーナス、しかし、同時に体力も集中力も使い切ってしまったのもヴィーナスだった。ヴィーナスの疲労は最初のピークを迎えていた。当然こエナンはここで止めを刺しにいく。だがヴィーナスは必死に食らいつき耐え切った。6-6となりTBに突入する。ここでようやくエナンはヴィーナスを仕留めることが出来た。7-6で第一セットをエナンが取る。
最初のヴィーナスのサービスゲームをまたしてもエナンがブレークして、第二セットは始まった。3-0まで行って、エナンがこのまま行くかと思われた。だが、3-1となった第5ゲーム、エナンのサービスゲームで40-15まで行ったところから4ポイント連取してヴィーナスがブレークした。ヴィーナスはここから3ゲーム連取して3-3まで戻した。次の第7ゲーム、エナンのサービスゲームはヴィーナスが圧力をかけ、0-40になった。だがそこからヴィーナスはミスを重ねてエナンが5ポイント連取のキープとなった。4-3となってヴィーナスのプレーがやや雑になる。それを見逃さないエナンはブレークして5-3にした。エナンのサーブインフォーザマッチが来た。慎重に、しかし強気に攻めるエナン、だが先行したものの、ダブルフォールトからヴィーナスの反撃を許して、この土壇場でヴィーナスがブレークバック、5-4になった。気力で走って、気持ちでボールを打つ二人、激しい攻防の末に30-30になる。ヴィーナスのフォアの逆クロスがラインを割る。胸を拳で叩いて気持ちを奮い立たせるエナン。マッチポイントでヴィーナスのバックが大きくふけた。エナンは両手を突き上げて自らの勝利を鼓舞した。
エナンもヴィーナスも体力的に厳しい状態であったところに、接戦で気持ちの持ち様が試された試合であった。ストレートではあったがエナンの勝利は際どい結果であった。ヴィーナスは勢いに乗ったときに畳み掛ける力が欲しいところだが、長いラリーの後での体力の回復力が遅かった。対するエナンは何度も調子が落ちたが、崩れ切ることなく、その度に持ち直し、粘って時には追い上げるヴィーナスを最後に振り切った。エナンの底力が示された試合といえよう。
今年の全米女子決勝はエナン対クズネツォワとなった。クズネツォワは来週発表のランキングでシャラポワを抜いてNo2となる。No2として、堂々とエナンに立ち向かっていってもらいたいものである。

 

2007年09月09日 強者たちの土曜日 2007年全米スーパーサタディ

2007年全米男子準決勝 
ジョコビッチ 64 64 63 フェラー
フェデラー 75 61 75 ダビデンコ

ジョコビッチもフェデラーも最初のサービスゲームをブレークされ、「もしや」と思わせる展開で始まった。フェラーもダビデンコもそのテニスキャリアの中で屈指のベストパフォーマンスを披露したのは間違いない。実際一つ一つのポイント、一つ一つのゲームではすばらしいプレーが続出した好試合であった。特にダビデンコは皇帝を圧倒するシーンが何度も見られた。だが、最後にセットを取ったのはジョコビッチとフェデラーだった。トップシードらしい、多彩な技と強い力で最後にねじ伏せての勝利であった。

2007年全米女子決勝
エナン 61 63 クズネツォワ

ギアをトップに入れて入ってきたエナンに対してエンジンのかかりの悪いクズネツォワ、第一セットはエナンの最初の4ゲーム連取で勝負があった。クズネツォワはサービスゲームを一つキープするのがやっとで、最後のゲームもエナンがブレークし、6-1でエナンが先取する。
第二セット、クズネツォワにやや落ち着きが見られ始めたが、エナンはかまわず攻め続ける。ブレークをものにし、サーブインフォーザマッチで粘るクズネツォワを振り切り、最後にはお互いにネットに出たところをロブボレーでクズネツォワを抜き去り、エナンがストレートで決めた。二度目の全米制覇は失セット0優勝であった。
強者が強者らしい勝ち方で、強い挑戦者を倒して、自身が強者であることを結果で示した一日だった。そして最後の日曜日、いよいよグランドスラムの決勝でジョコビッチがフェデラーに挑戦する。この一戦は結果次第では2005年全仏準決勝のフェデラー対ナダル戦に匹敵する、重要な試合になるかもしれない。その行方を興奮と期待を持って見守ろう。

 

2007年09月10日 勝利を引寄せるモノ 2007全米最終日

ああ、ジョコビッチ・・・・・大きな、大きな、転機だったのに。
ジョコビッチ自身だけでなくATP全体の勢力地図を、これからを大きく変える事ができたかもしれない試合だったのに・・・・

2007年全米男子単決勝
フェデラー 76 76 64 ジョコビッチ

第一セットも1ブレークづつでTB、第二セットも1ブレークづつでTB、第三セットは1ブレークで6-4、フェデラーのストレート勝利で全米4連覇が決まった。だが第一・第二セットの各ポイントを見ていると、まるでジョコビッチがストレートでフェデラーを負かすのではないかと思うほどの勢いがジョコビッチにあった。ストローク戦では十分ジョコビッチが主導権を握っていた。手にしたブレークポイントの数はジョコビッチが上回っていた。先にブレークして先行すらしていた。でも追いつかれた。TBで逆転された。そしてジョコビッチの全身から放たれていた覇気が第三セットでは消えた。
WOWOW解説の柳恵誌郎氏がジョコビッチのリターンをさかんにほめていた。確かにフェデラーのサービスをリターンから攻めることができたジョコビッチは見事だった。先日の準決勝ダビデンコ戦でもそうだが、フェデラー攻略の鍵は、案外強くて安定していると言われるフェデラーのサービスをリターンから攻めるところにあるのかもしれない。もちろんそれをするだけのレシーブの技術と力があれば話だが。だが結局ブレークポイントをいくか握ったが取れたのは二ポイントだけだった。そしてセット後半、勝負を決める意味を持つショットが、ジョコビッチのそれはきわどくはずれ、フェデラーのそれはわずかにラインを捕らえた。運の良し悪しもあったろう。だが、ナダルがフェデラーの勝つときは、あのショットが入るのだ。そしてそれがフェデラーの自信を揺さぶる。最初の2セットの後半、勝負どころで明暗を分けたショットに、ジョコビッチがグランドスラムタイトルにまだ届かない何かを感じさせられた。
セットカウントを見れば順当だが、試合内容としてはなかなかタフなドローであったといえる今回のフェデラーの全米制覇であった。要所要所で自分のポイントを取りきり、見事な勝利で勝ち進んだフェデラーであるが、如空が勝手に「皇帝」という称号で呼ぶゆえんである「圧倒的強者」としての存在の、圧倒的という意味がやや揺らぎつつあることも感じずにはいられない。皇帝フェデラーの覇権はあとどれくらい続くのだろう。そしてジョコビッチはグランドスラムで皇帝を倒せる存在になりうるだろうか。色々と思わせる2007年全米男子決勝であった。


2007年09月11日 風は秋色

USオープンではNo1が優勝を決め、ATPもWTAも秋風が早くも吹き始めている。
ATPのチャンピオンズレースでとうとうフェデラーが一位に躍り出た。4大大会全てに決勝進出、かつリトルスラム達成では当然なことではあるが、ナダルが決勝まで行けなかったのは痛い。今年も9月中にフェデラーの年間最終ランキングNo1が決まる可能性もある。今年は最終戦までの競り合いを期待していただけに残念だ。WTAもエナンがGS二勝を上げて二位以下に差をつけた。二位が今年GS無冠のクズネツォワだからね。秋のヨーロッパインドアの結果次第では、エナンも最終戦を待たずにNO1を決めるかもしれない。
今年の全米は中盤まで長い試合が多くて、中継泣かせであったが、その泣かされたWOWOWは録画で男女ダブルスの決勝戦を録画で放送してくれるのだね。杉山組の負け試合をWOWOWアナログの深夜枠で放送していたが、杉山組が決勝に進んだときはこの枠を録画中継に使うつもりだったのだろか。とにかくありがたいことだ。

男子:アスペリン/ノウル対ドローヒー/ビズネル
女子:デシー/サフィーナ対チャン/シュアン

デシーとサフィーナ以外は知らない選手ばかりだ。女子ダブルスの準優勝ペアは中国ペアと思っていたが、実は台湾ペアだったんだね。それにしても男子がね・・・・ブライアン兄弟もいなければビョークマン・ミルニーペアも途中で負けていたんだ。せっかく録画中継があるのに残念無念。しかし、プロのダブルスの試合もたまには見たいからね。楽しみに見させてもらおう。
WOWOWの全米中継で、試合の合間にジョコビッチがシャラポワとナダルの物真似をしているシーンが紹介されていた。シャツをハーフパンツに入れ、すまして背筋をのばして、ラケットを手鏡のようにもって髪を直してから、高く手を上げてボールをつくシャラポワのサーブ。袖を捲り上げて肩を出し、ハーフパンツを膝まで下ろして、蛙のように地面にはいつくばってから左右にステップしてコートに飛び出し、ソックスを直し、さらにハーフパンツを散々いじってから、ラケットヘッドを前に出して打つナダルのサーブ(でもさすがに左で打ちはしなかった)。共にコート上での勝利者インタビューでの一コマらしいが、観客は大喜びでスタンディング・オベーションだった。WOWOWの実況者によるとジョコビッチはこのパフォーマンスをした後日、ナダルとシャラポワにそれぞれすれ違ったとき、色々本人たちに言われたらしいが、なんと言われたかまでは教えてくれなかった。さらに余談でジョコビッチはフェデラーの物真似もするが、さすがにそれをこのグランドスラムの会場ですることははばかられたそうだ。もし決勝戦でジョコビッチが勝っていたら、フェデラーの物真似もしてくれたかもしれない。ジョコビッチのキャラクターなら許してくれたのではないか。ちなみに男子決勝戦のジョコビッチ応援団席の近くにシャラポワがいたが、あれは何か深い意味があるのだろか。深いなにかが。


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