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2007年 全日本ジュニア選手権 観戦記(2007/08/23)

 

日本のトップジュニアたちに盆休みはない。大阪のうつぼテニスセンターで全日本ジュニア選手権が行われていた。主に18歳以下の男子シングルスを中心に少し観戦したのだが、やはりトップジュニアたちの試合を間近で見ると色々と学ぶところがある。

フェデラーの影響だろうか、バックハンドで片手打ちの選手が数年前より増えている。両手打ちでも片手打ちでも、バックハンドはそれぞれ個性的な独特のスイングをする彼らが、フォアハンドは一様に同じであった。厚いハンマーグリップ、オープンスタンスでラケット面を外側に向けて体より遠くに構える、そのラケットをサイドスローで前に放り投げるようにトップスピンを打つ。高い打点で打ててもフラットで打たずにスピンをかけて高い弾道、高いバウンドのボールを打ち続ける。基本的にストロークラリーの中で相手のミスを誘うのがポイントの源であるが、フォアのダウンザラインはウィナーを狙って取る場面が良く見られる。逆にバックハンドは繋ぎに徹している。ネットに出るシーンは少ないが、チャンスボールではなく短い球で出されるとネットに出た方がミスさせられる。サーブもフラットで速い球を打たずに、スピンサーブを相手のバックハンドにせっせと入れていた。勝負はあくまでストロークの中のフォアハンドであった。極端な緩急は付けず、とにかくスピンボールを根気良くつないだほうが勝つような試合展開であった。だからとってシコラーというわけではなく、威力のあるトップスピンで相手を後ろに追いやり、左右に振って相手を崩そうとしているようであった。

男子の決勝戦では大阪テニスアカデミーの選手が優勝した。相手はハードヒッターだが、先にミスすることが多かった。第二セットの前半はそのハードヒットが入りだし、流れを握っていた。相手がサーブとストロークの威力で押す一方であったのに対し、優勝した選手はネットプレーにドロップショット、バックハンドスライスとプレーが多彩であった。優勝した彼は我慢強く粘り、チャンスを待って、ここぞという時にストレートに打つテニスで後半挽回して、結局ストレートで勝負が決した。
センターコートで男子の決勝が終わった後、第一コートに行くと女子の決勝がまだ続いていた。ジュニアの中のでは注目株の奈良くるみが大阪テニスアカデミーの選手相手に長いディースを繰り広げていた。奈良選手は全身を大きく使ったショットで正確なハードヒットを左右に繰り出し、最後には相手が追いきれずにウィナーを取る。結局ストレートで彼女が勝った。
その後、昼過ぎから男女の18歳以下ダブルスの決勝が行われたので少しだけ、女子を見た。最近高校女子テニス界で流行の縦割りテニスが両者で行われていた。ダブルスペアのうち、先にネットに着く選手が決まっているのである。先にネットに出る選手がサーブとリターンをするときは、ベースライン担当の選手は前衛の位置にはおらず、ベースラインでポイントを開始する。つまりネット担当の選手がサーブ・リターンのときは2バック、ベースライン担当の選手がサーブ・リターンのときは雁行陣なのである。2バックでポイントをスタートしても、ネット担当者は流れの中でするするとネットに出て行く。ここから雁行陣になるわけだが、それもすぐにサイドチェンジさせてストレート雁行陣に持ち込む。それでポーチで決めるのである。ベースライン担当者もベースラインにへばりついているわけではない。ポーチになかなか出られなかったり、中ロブ合戦になったりしてポイントが長引けばこちらもするすると前に出てきて2トップの並行陣になって勝負を決しようとする。つまり、一ポイントの中に2バック並行陣、クロス雁行陣、ストレート雁行陣、2トップ並行陣の4つの陣形を段階的に使い、ポイントを取っていくのである。このテニスが見られるので、最近高校ダブルスは男子より女子の方を良く見るようにあった。数年前、まだ無名だった長尾谷高校(大阪テニスアカデミーと関係が深い高校)の女子ダブルスの試合を見て、この縦割りダブルスを見て、これは面白いと思った。数年後、長尾谷高校テニス部はいつの間にか全国大会で優勝するような高校になり、このダブルスが他の地域の女子ダブルスにも普及していくようになっていった。この決勝戦では両者が同じスタイルのダブルスを展開していた。結果は元祖である大阪テニスアカデミーのペアが61 61 で圧勝していた。

ATPやWTAのツアーとは世界の違う、独自のテニスではあるが、それだけにとても勉強になるジュニアたちの試合であった。


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