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第049房 2006年 フェドカップ日本対スイス TV観戦記

2006年04月18日 
WTAのツアーはお休み。フェドカップが世界各国で開催される。組合せはベルギー対ロシア、フランス対イタリア、ドイツ対アメリカ 、スペイン対オーストラリアである。いきなり事実上の決勝戦とも言うべき対ロシア戦にベルギーは久しぶりに二枚看板クライシュテルスとエナンをそろえてきた。対するロシアは人材豊富、ミスキナ・シャラポワを抜いてもディメンティエワ、ペトロワ、サフィーナ、キリレンコをそろえてきている。この対戦は見てみたいなあ。
Jスポーツでは日本チームの対スイス戦を中継してくれる。さあ、杉山の復帰がどういう結果となって現れるか。要注目である。


2006年04月22日 自信が選手を強くする

そのGAORAの中継の数時間前からJスポーツでフェドカップの日本対スイスを生中継していた。中村・杉山がシングルス1・2を連取してくれたが、二人ともジュニア相手に第二セットを落としている。相手は結構自信をつけてしまったと思うぞ。ニ連勝で「王手」とか報道されているが明日のシングルスは油断できない。まあ、最後のダブルスで日本が勝つだろうけど。


2006年05月04日 驚愕のスイスジュニア

Jスポーツで放送されたフェドカップのワールドグループU 日本対スイスを録画してあったのでGWの間に見た。
ツアーのランキングではNo1、No2となるヒンギスとシュニーダーが出てきておらず、ランキング200位台やWTAのランキングそのもがないような16歳前後のジュニアをスイスチームは連れてきていた。対する日本はランキング100位以上の杉山、中村、森上、浅越とベストメンバーをそろえてホームで迎え撃つ。日本が負ける要素はまったくなく、楽勝の予想であった。結果はもちろん団体戦としては勝つことには勝ったのだが・・・・・

一日目
中村 62 36 61 バシンスキー(16歳)
杉山 62 46 61 フェーゲル(16歳)

二日目
浅越 26 26    バシンスキー(16歳)
中村 61 36 62 リーナ(15歳)
杉山・森上 62 26 60バシンスキー・ボッファ(16歳と17歳)

日本ぜーんぶ第二セットを落としている。二日目、浅越は第一セットも落として、なんと16歳の小娘に負けてしまった。浅越の落ちこみようたるや目も当てられず、帽子を深くかぶり、第二試合の最中は顔を上げることが出来ずにずっと下を向いてうつむいていた。浅越は4人のメンバーの中で一番騒がしい性格だ。その彼女がベンチでうなだれたままななので、さすがに解説の沢松・長塚おとぼけコンビも心配そうで、さかんに気にしていた。ベンチの中で杉山が浅越を時折抱きかかえて頭をなでなでしながら慰めていた。森上も一緒になって浅越の髪をいじったり整えたりして雰囲気を和らげようとしていた。まるで仲の良い3人姉妹のようだ。
杉山は初日のシングルスでフェーゲルをフルセットにもつれながらも降している。だが、足の故障がそのためにやや悪化した。初日の対戦終了後、杉山は「明日は別の人がシングルスに出た方が良いかもしれない」とコメント、監督は杉山の意向を受けてダブルス要員の予定だった浅越を出した。しかし、二日目のバシンスキーは初日に中村がフルセットの末、降したバシンスキーよりもバージョンアップしていた。
サイドによって照明の位置が違うために、サーブのトスアップの時に目に入る光が変わるという有明インドア特有の条件に初日はアジャストできずに、サーブに苦しんだバシンスキーである。だが二日目はそれを完全に修正して出てきていた。フラットサーブがガンガン入る。大事なところではダブルファーストで打ち込んでくる。そこにきてあのバックハンドだ。フラットの強打でクロス、ダウンザライン、逆クロスと大砲を打ち込んでくる。ベースラインから大砲一発でウィナーを取られ、途中から浅越は気持ちを挫かれた。またバシンスキーはそのバックハンドの大砲を打つ前にフォアハンドのループボールを相手バックハンドに弾ませて、相手のストロークを崩すという古典的な戦術を多用、これが見事にはまった。初日の中村もこのループボールに苦しめられ第二セットを落とした。二日目のバシンスキーは戦術も技術も全てにおいて初日よりパワーアップしていた。正確かつ強力、さらにループボールにドロップショットと老獪な面も見せる。これがランキング200位台のジュニアのテニスかと疑いたくなる驚愕の16歳であった。
初日に杉山から一セット奪ったフェーゲルも見事だった。高い打点からのフォアハンドが角度を付けて右に左に打ち分けてくる。闘志むき出しのエース・バシンスキーと対照的に終始表情が変わらないクールなハードヒッターである。解説の長塚氏はバシンスキーよりこのフェーゲルの方のテニスを評価しており、二日目もフェーゲルが来ると予想していた。
だが、二日目のシングルス2に出てきたのはリーナというまったく無名のスイスチーム最年少選手だった。スイスチームがなぜフェーゲルを出さなかったのかはわからない。だがこの左利きの15歳は予想を上回る善戦をした。中村相手に第一セットを圧倒され落としても動じない。第二セット、中村が勝利を意識して少し固くなり、ショットのコースと深さが少しだけ甘くなった。その「少しだけ」甘くなった部分を彼女は見逃さない。フォアの逆クロスにアングルショット、自分の武器を大いに活用して、グランドスラム本戦ストレートインする中村をランキングすらない15歳が第二セットを奪った。第三セット、再び横綱相撲で押し切ろうと5-0にした中村に対して、2ゲームを返して最後までひやりとさせた。見事な15歳である。
杉山は二日目、ベンチで終始落ち着きがなかった。怪我で譲ったシングルス1で浅越がまさかのストレート敗退、中村もセットオール。「どこがジュニア相手の楽勝ゲームだ。大苦戦じゃないか。」とチームリーダーとして声を出して皆を懸命に盛り上げていた。第二セットを落とした中村は試合中、杉山が「後ろには私たちがいるから!」と言って、安心させるために声を掛けてくれたのが救いになったとコメントしている。最悪の場合、マッチカウント2-2でダブルス決戦もありうると考えていたのだろうか、杉山はさかんに肩を回して臨戦態勢を整えていた。
団体戦としての決着は中村が決めてくれたので、杉山は森上と共に消化試合となったダブルスに参戦する。世界的なダブルス巧者の杉山率いる日本チームである。消化試合とはいえ、いや、プレッシャーのかからない消化試合だからこそ、ここは格の違いを見せ付けて圧倒して欲しいものだったが・・・・またしてもバシンスキーにやられた。第二セット、ガンガンポーチに出るわ、サービスエースは決めるわ、バックハンドの大砲でウィナーを取るわ、日本チームの陣形を散々破ってくれた。相方のボッファもサーブとボレーが強い大型選手で、ダブルスでもなかなか強かった。もちろんこれで日本チームが崩れるわけもなく、杉山がネットでWTA最高峰の動きを見せ、第三セットは圧倒してくれた。だが消化試合という気楽さは感じられない試合だった。

浅越戦はさておき、それ以外の試合はフルセットとはいえ、第一セットと第三セットを取っているので、第二セットを落としたのは交通事故が続いたようなものという見かたも出来なくはない。最初と最後はしっかりと決めたということは、要所要所を押さえているということである。だが・・・・そんな余裕などこれっぽっちも感じることのない試合だった。恐るべしはスイスのジュニアたちである。彼女たちはちょうどスイスに移民してきてスターの道を上り詰めたヒンギスの活躍を見て育った世代である。ヒンギスの展開力を身につけつつ、ヒンギスになかったパワーも身につけて世界に乗り出し、世界ランカーに挑もうとするジュニアたち。ヒンギスがプロに転向したのは14歳、初のグランドスラムタイトルを取りNO1になったのが16歳、決して「若すぎる」年齢ではない。今後に注目のスイスジュニア四人であった。


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