テニスのお寺  電脳網庭球寺

 

山門

講堂

夢殿

僧房

経蔵

宝蔵

回廊

 

夢殿

 

 

 

第029房 2005年 ツアー選手権・マスターズカップ TV観戦記 (2006/01/08)

 

2005年10月27日 マスターズカップの11月

契約しているケーブルTV局から11月の番組表が送られて来た。今月GAORAはMSパリ大会の準決勝、決勝を放送した後、ATPツアー最終戦マスターズカップを放送する。上海から全戦完全実況中継である。マスターズカップの週のガオラは一日の番組の半分がテニス中継である。しかも上海と日本だと時差が近いので日中からゴールデンタイムにかけてのいい時間帯に放送される。ゴールデンは毎日生中継だ。グランドスラムQF〜SFにかけてのWOWOW以上の力の入れようだ。これ、録画しても全てを見終わることは出来るだろうか。まだ全米の録画で見ていない試合もあると言うのに。

去年のGAORAの放送ではおなじみのマスターズシリーズのオープニング「JUST ONE」の映像が流れる前に前日の試合内容を簡潔に総括した映像が流れていた。スペインの闘牛士をイメージさせられるようなとても渋いBGMに乗せて流れる、前日の試合での各選手の表情と振る舞い、それを簡潔に語る語句、そして試合結果。めちゃくちゃかっこよかった。今年はどんな映像を見せてくれるのだろう。試合内容もさることながらそちらも気になる。

フェデラー、ナダル、サフィンのGSタイトルホルダー以外に現在出場を決めているのはロディックとヒューイットである。これで5人、後3つの枠をめぐって、今年台頭著しいロシア勢、クロアチア勢、アルゼンチン勢がしのぎを削る。生ける伝説アガシの存在も忘れてはならない。
フェデラーは去年・一昨年と全勝で優勝を決めた。彼を如空が皇帝と呼ぶのはひとえにこのマスターズカップでの圧倒的強さを目の当たりにしているからである。マスターズカップの結果にかかわらず、もはやフェデラーの年間最終ランキング一位は揺らぐことはないだろう。しかし、フェデラーに立ち向かう7人はここで骨のあるところ大いに見せて来年以降に期待をもたせて欲しいものだ。

選ばれた8人によるハイレベルな戦いの連続、今年もいよいよマスターズカップの11月が来た。今年も大いに期待している。だからフェデラーよ、ナダルよ、上海にまでには完全に回復してくれ。「怪我人同士のライバルがバーゼルで会って、20分間お話しました。」なんてニュースが上海でも再現してしまうことだけは避けてくれ。

 

2005年11月01日 出来すぎた話

今シーズンもいよいよ大詰めである。マスターズシリーズ第9戦パリ大会が今週開催される。ヒューイット不在、フェデラー、ナダル、サフィン欠場とトップ5の内4人が見事に消えているこのマスターズ、第一シードは当然唯一のトップ5ランカー、アンディ・ロディックである。以下、第二シードコリア、第三シードダビデンコ、第四シードプエルタという顔ぶれである。マスターズシリーズにしては地味な顔ぶれになった。ロディックとしては最高でも優勝、最低でも優勝である。最近早いラウンドで敗退することが多いが、後二大会は結果重視で臨んでもらいたいものだ。来年のためにも。GAORAもしっかりいい時間帯で生放送である。

ちなみに、今年のマスターズシリーズはインディアナウェルズ・マイアミ・ハンブルグ・シンシナティの4大会をフェデラーが、モンテカルロ・ローマ・モントリオール・マドリッドの4大会をナダルが取った。両雄が仲良くそれぞれ4つずつマスターズを分け合っている。今年のATPの状況を端的に表しているといえよう。しかもこの8大会のうち、フェデラーとナダルが直接対決したのはたったの一度、マイアミの決勝戦だけである。神の見えざる手が直接対決を避けさせて大事な局面で二人をぶつけているように感じているのは如空だけではあるまい。そして今回もまた二人はそろって欠場、直接対決は避けられ、二人仲良くタイトルを同じだけ分け合って、最終戦マスターズカップに臨む。なんとも出来すぎた話ではないか。まるでスポーツ漫画のクライマックスのようだ。二人の欠場は、かえってマスターズカップでの対決への期待を盛り上げる。しかも第一シードがフェデラー、第二シードがナダルになると順当に行けばマスターズカップ決勝で再戦することになる。今年双璧たる活躍をした両雄の決着をつける試合がATP最終戦のファイナルというのは、くどいようだが出来すぎた話だ。最後の決着はどうつくのか。皇帝フェデラーが覇権を確立するか。不動のナダルがその覇権を突き崩すのか。大いに期待が高まる。

さて、こちらは純粋にNo1争いが激しさを増すWTAである。
アメリカのフィラデルフィアではティアU大会アドバンタ選手権が行われる。第一シードダベンポート、第二シードシャラポワ、第三シードモーレスモ、第四シードディメンティエワの堂々たる顔ぶれである。今年何度目かの対決が決勝で待っているダベンポートとシャラポワ、No1争いに大きな影響を与える直接対決が実現することを期待しよう。

 

2005年11月04日 けが人

さて、サフィン君がマスターズカップ欠場を発表した。ついに故障から今年は回復できなかった。ヒューイットも出場が危ぶまれている。雲行きが怪しくなってきた。フェデラーとナダルは大丈夫だろうか。代わりに先週アガシが出場を決めた。もう一花咲かせるか35歳。

 

2005年11月05日 2005年の8人

サフィンの欠場を受けて、コリアが3年連続のマスターズカップ出場権を手にした。直後にロシアのダビデンコも上海へのチケットをゲット。そして進行中のマスターズシリーズ第9戦パリ大会でベスト4SF進出を決めたリュビチッチが最後の切符を手にした。ヒューイットの出場に関してまだ不安要素が多々あるため、ここで確定とは言い切れないがとりあえずATP最終戦マスターズカップ出場の8人が決定した。

WTAの最終戦ツアー選手権も出場者8名が決まった。ダベンポート、クライシュテルス、シャラポワ、ピエルス、モーレスモ、シュニーダー、ペトロワ、ディメンティエワである。今年のGSタイトルホルダー4人中出場するのは全米覇者のキムだけ、全豪覇者Sウィリアムズ、全仏覇者エナン、全英覇者V・ウィリアムズは不在と異例の最終戦となる。今年全豪全英のファイナリストリンジーと全仏全米のファイナリストピエルスはそろっているとはいえなんとも地味な最終戦になってしまった。本来のテニスを発揮すればクライシュテルスが圧倒するだろうが、ダベンポートの老獪なテニスとシャラポワの熱く激しいテニスがそれを崩せるかが見ものである。

 

2005年11月08日 2005 WTAツアー選手権 ランドロビン

先週のWTAアドバンタ選手権ではモーレスモがSFでバディソワ、Fでペトロワを降し、今季3勝目を上げた。これでWTAはツアーの日程を終え、最終戦ツアー選手権を残すのみとなった。ロサンゼルスで8日から始まるツアー選手権は8名を4人リーグに分けて予選リーグを行い、それぞれ2名が決勝トーナメントに出場するラウンドロビン方式である。予選リーグは下記のとおり。

グリーン・グループ
ダベンポート
シャラポワ
シュニーダー
ペトロワ

ブラック・グループ
クライシュテルス
モーレスモ
ピエルス
ディメンティエワ

No1ダベンポートとNo2クライシュテルスが2005年の女王の座をかけて決勝でぶつかる、と言うストーリーが一番盛り上がるだろうが、ディフェンディングチャンピオン・シャラポワの存在はその両者にとって大きな壁となるだろう。高速サーフェイスにめっぽう強いシャラポワである。対シャラポワ戦でよい感触を持っているリンジーもキムもここは簡単には勝たせてもらえまい。シャラポワが優勝する可能性は去年より今年の方が高いという見方もある。GSタイトルホルダー4人中3人欠場という異例の2005年WTA最終戦、エナンもウィリアムズ姉妹もいない大会で負けるわけにいかないトップ3シードである。

惜しいところでGSタイトルを逃しているモーレスモもピエルスもやる気十分だろう。去年だけの勢いで終わるかと思われたロシア勢だが、シャラポワのほかにディメンティエワとペトロワがしっかり出場してきた。彼女たちもまた存在感を示す格好の舞台である。その活躍に大いに期待しよう。

 

ヒューイットよおまえもか 

ヒューイットがマスターズカップ欠場を公式に発表した。理由は怪我によるものではなく、夫人の第一子出産に立ち会うためである。彼の欠場を受けてリザーブだったガウディオが去年に続きマスターズカップ出場の機会を得ることになった。ガウディオは今年のクレーシーズンでナダルと共にタイトルを稼ぎまくったので、選ばれるにふさわしい成績を残している。しかし、去年のマスターズカップもそうだったが高速サーフェイスを苦手にしているガウディオがこのマスターズカップでどれほど活躍できるか、期待はあまり出来ない。

ロディックも危ういという報道が流れている。去年のマスターズカップではフェデラー・ロディック・ヒューイット・サフィンのランキングトップ4がトップ4シードとなりベスト4揃い踏みという予想通りの展開になったが、今年は予想通りに行かないことが既に確定してしまった。結果も大いに予想を裏切られるかもしれない。それがいい意味で期待を裏切る結果となってくれれば良いのだが。

 

2005年11月09日 満ちていく潮のごとく

WTAツアー選手権 初日
ピエルス 6-1, 4-6, 7-6(7-2) クライシュテルス

キムが初戦を落とした。時差ぼけが原因だとインタビューで答えているが、最終セットは先にサーブインフォーザマッチまで至っているのだ。おそらく第二セット途中からはキムのペースだったのだろう。それなのに、相変わらず詰めの甘さが露呈したのではないだろうかと心配になる。第二シードだったのが幸いした。この後、予選リーグで対シャラポワ戦か対ダベンポート戦が待っていれば予選敗退のピンチにいきなり立たされるところだった。いや、ディメンティエワもモーレスモも全米後好調であることを考えると、クライシュテルスの道程は結構厳しいものがあるかもしれない。
しかし、今年二度までもグランドスラムファイナルにまで来ているピエルス、それが最後の輝きかと思っていたが、なかなかどうしてやるではないか。本人は来年以降のグランドスラムタイトル奪取にも意欲を燃やしているらしい。恐ろしいベテランだ。

シャラポワ 6-1, 3-6, 6-3 シュニーダー

こちらもフルセットである。シャラポワがブランク明けとはいえシュニーダーもなかなかやるではないか。シャラポワの側に波があったらしいが、それでも油断すればこの大物食いのシュニーダーのことである。シャラポワもキムの二の舞になってしまう危ないところだったに違いない。

ダベンポート 6-2, 7-6(7-1) ペトロワ

ダベンポートはストレートで初戦を突破したが第二セットはTBまでもつれた。ペトロワはこの秋にツアー初優勝を遂げて心身ともに充実しているのだろう。手ごわいものだ。やはり選ばれた8人である。みななかどうしてやるじゃないか。

充実と言う意味では、ダベンポートはUSオープン後は無敗の3大会連続優勝である。シャラポワやクライシュテルスは津波のようにやってきて優勝まで一気に駆け上がるが、ダベンポートは静かに満ちる満ち潮のように、他者を最後には圧倒して勝っていく。満ちていく潮を止めるのは誰か。ダベンポートが押し切るのか、あるいは満ちきれずに引いていくのか。2005ツアー選手権は熱戦の予感を十分に感じさせながら開幕した。更なる熱戦を期待しよう。

 


2005年11月10日 大物が次々と・・・・

ロディックまでが戦線を離脱した。今年年頭ハードコートの御三家とかフェエラーを加えて四天王とか言って持ち上げていたサフィン・ヒューイット・ロディックの3人は揃って2005年のマスターズカップを欠場することになった。今年後半の3人の不振を象徴しているかのようだ。もちろん3人ともトップ10ランカーであり、タイトルもとっている。今年の成績はけして不振とはいえない、むしろ順当だろう。だが、何せ元エントリーランキングNo1にしてGSタイトルホルダー、男性アスリートとして最も充実しているはずの20代前半であるだけに、ナダルとフェデラーに存在感を薄められた感は否めない。

ロディックの欠場を受けてナルバンディアンが繰り上がり当選を果たした。結果、マスターズカップのラウンドロビンは下記の通り。

レッド・グループ
 フェデラー
 コリア
 リュビチッチ
 ナルバンディアン

ゴールド・グループ
 ナダル
 アガシ
 ダビデンコ
 ガウディオ

赤組はいいとして、金組ってどういうネーミングセンスじゃ。
ハードコート御三家の欠場のおかげでクレーコートスペシャリストが極端に多い顔ぶれになってしまった。どうせなら上海の会場に赤土を敷いて、最終戦をクレーで行ってみたらどうだ。少なくてもリュビチッチ以外は盛り上がるのじゃないか。

ATP最終戦マスターズカップは顔ぶれが大きく変わり、大物選手の欠場が相次ぐ結果となった。WTA最終戦ツアー選手権もエナンとウィリアムズ姉妹という今年のGS覇者である大物3名が欠場をした。そして出場者の中で唯一の今年GS覇者である彼女にも波乱が待っていた。

WTAツアー選手権 二日目
モーレスモ 63 76  クライシュテルス
ピエルス      62 63  ディメンティエワ
ダベンポート   63 75  シュニーダー

キムダウン!二連敗だ。決勝トーナメント進出がほぼ絶望的になった。おいおい、今年のツアー選手権の決勝トーナメントへ進むベスト4は今年のGS覇者が一人もいなくなるのか。ダベンポートの年間最終ランキングNo1もほぼ確定だな。
ピエルス強い。ディメンティエワを一蹴である。クライシュテルスの替わりに優勝候補に名乗りをあげたといっていいだろう。今の彼女なら決勝トーナメントでリンジー・シャラポワといい勝負が出来るかもしれない。
シュニーダーもやる。ダベンポート相手に第二セット1ブレーク差まで粘る。しかし、これはリンジーの想定の範囲内なんだろうな。同時に彼女の余裕も感じる。

さてさて、男子も女子もこの先どうなることやら。違った意味で目が離せない状況である。



2005年11月11日 最終日を待つことなく

シャラポワ来たー!

2005年WTAツアー選手権 三日目
シャラポワ 63 57 64 ダベンポート

3セット連続の僅差の接戦をシャラポワが制した。優勝に向けて大きな一歩を踏み出したといってよい。
今年年頭の東レパンパシフィックオープン決勝でもフルセットのタフマッチを演じた二人である。そのとき勝ったのはシャラポワだった。後にダベンポートは語る。曰く「あの娘とは長いラリーをしてはいけない。」と。高速サーフェイスを得意にしているくせに、粘りのラリーを続けることで自分のペースに持ち込むのがシャラポワのテニスだ。それに付き合ってはいけない。サーブ・リターンから早い展開でポイントを取っていく。それがシャラポワの攻略法だとダベンポートは語る。東レの数ヵ月後にダベンポートはその対シャラポワ戦略の妥当性を6-0、6-0の完封勝ち(串団子ともダブルベーグルとも言う)することで証明した。今年の後半には胸などの故障で試合から遠ざかっていたシャラポワである。今日の対決は当然ダベンポート有利の戦前予想の中で行われた。そしてシャラポワはその予想を見事に覆した。
クライシュテルスが不調で決勝トーナメント進出が困難になった今日の状況ではダベンポートとシャラポワが数日後の決勝で再戦する可能性が濃厚である。実現した場合、今日のこの結果がどのような影響を与えるのか、大いに注目していこう。


モーレスモ 62 63 ディメンティエワ
アメリー強い、デメちゃんはまたもやフランス勢の猛攻の前に一蹴されてしまった。モーレスモはクレー育ちなのに妙にインドアハードコートで好成績を残している。ここでもその力は大いに発揮された。

シュニーダー 60 57 64 ペトロワ
シュニーダーは地味に強い。彼女は女子には珍しいカウンターショットの使い手である。相手がハードヒッターであればあるほどにその力を発揮する。この試合も後半はペトロワペースであったことと思われるが、その流れを見事に断ち切ったのはおそらくシュニーダーのカウンターショットだったことだろう。

ランドロビンは最終日を待たずにベスト4を決めてしまった。そして同時にダベンポートの年間最終ランキングNo1も確定させた。だがけけして盛り上がりに欠けることはないだろう。
シャラポワとダベンポートという難敵を好調なフランス勢ピエルスとモーレスモがいかに崩すか、崩せずにシャラポワとダベンポートが再戦するのか、決勝トーナメントは大いに持ち上がることだろう。更なる熱戦を期待しよう。

 

2005年11月12日 代役はパーフェクト・ピエルス

2005WTAツアー選手権 4日目
シャラポワ 16 26 ペトロワ
ピエルス 26 64 62 モーレスモ
クライシュテルス 62 63 ディメンティエワ

シャラポワは昨日の対ダベンポート戦のフルセットマッチで気力も体力も使い果たし、魂の抜けた人形のようだったと報道されている。まあ、決勝トーナメント進出も決めていているし、リーグ戦だから負けても大勢に影響はないということもあったのだろう。ペトロワにあっさりと勝利を譲った。
一方注目のフランス勢対決はピエルスに凱歌が上がる。第一セットはミスを連発するが、第二セット以降は安定し、そして圧倒した。
キムもようやく時差ぼけから抜け出し、エンジン全開でディメンティエワを一蹴した。

だが明らかにキムのエンジンはかかるが遅すぎた。ここで勝っても意味がない。ペトロワはシャラポワから勝利を譲ってもらったのに、キムがここで意味もなくエンジンをかけてしまったので、ディメンティエワは一勝どころか1セットも取れずにツアー選手権を終えた。そしてシャラポワの敗北で緑組は全勝がいなくなった。直接対決ではシャラポワが勝利しているが、収得セット数でダベンポートが上回り、リンジーはランドロビンを一位通過した。全勝はただ一人、黒組一位通過のピエルスである。


この大会でクライシュテルスに期待されていた役割を今ピエルスが演じている。今のピエルスならリンジーにもシャラポワにも対抗できるだろう。週末のドラマに期待しよう。


お詫びと訂正

この日の記事で、2005WTAツアー選手権のSFはダベンポート対モーレスモ、シャラポワ対ピエルスと表記しましたが、ダベンポート対ピエルス、シャラポワ対モーレスモの誤りでした。お詫びの上、訂正いたします。

 

2005年11月14日 モーレスモ、勝利の時

2005WTAツアー選手権 決勝
モーレスモ 57 76 64 ピエルス

なんとモーレスモが逆転勝ちである。正直言ってこの展開を予想できた者は少ないはずだ。激戦は3時間に及んだらしい。ファイナルの最後でピエルスが崩れたらしいが、それでもよくモーレスモは粘った。そしてよく攻めきった。見事なツアー選手権初制覇である。
彼女はこれで年間最終ランキングは3位に浮上、タイトルを逃したもののピエルスも5位に浮上する。シャラポワは4位に落ち、1位ダベンポート、2位クライシュテルスに変化はない。

ロシア勢の台頭に沸いた去年とは一変して、今年はかつての女王達、Sウィリアムズ、エナン、V・ウィリアムズの復活があり、最後に無冠の女王達、クライシュテルスが全米を、モーレスモがツアー選手権を初制覇という積年の課題が解決された一年だった。ビックタイトルを逃したものの、4回目のNO1となったダベンポート、そして全仏・全米・ツアー選手権で決勝にまで進んだピエルスなどベテランもその健在振りを示した。そして、一時的とはいえNo1の座についたシャラポワはグランドスラムとツアー選手権で歴史に残る名勝負を演じて、人気だけでなくテニスの内容そのものもWTAの主役は自分であることを示した。
圧倒的な強者が存在したわけでもなければ混乱した状況でもない、選ばれた実力者達がしのぎを削り、覇を競い合った充実したWTAの2005年だった。熱戦を届けてくれた選手たちに感謝。来年も今年以上の盛り上がりを期待しよう。



2005 マスターズカップ開幕 2005TMC 初日

フェデラー 63 26 64 ナルバンディアン

ナルが第三セットで先にブレークしたときには「もしや」「ひょとっして」と思ったが、やはり皇帝の貫禄というべきか、すかさずブレークバックしてその後は第一セットと同じくいつもペースで押し切って、ブランク明けの初戦をなんとか突破した。ナルバンディアンは調子の良いときの彼らしい、カウンターショットで見事なウィナーを連発したが、フェデラーのサービスゲーム完全に崩しきるところまで行かなかった。ナルにチャンスがあっただけにもったいない試合だった。

リュビチッチ 62 63 コリア

ハードでもそれなりに強いクレーコーターであるコリアだが、好調リュビチッチのサービスゲームはさすがに崩せなった。そしてリュビチッチはビックサーブだけでなく、リターンも良い。あっという間の2セットだった。
あのサイボーグのようなSF映画チックなオレンジのピタTシャツはコリアには似合わない思うが、アディダスは最近あの路線だからな、来年はアガシもサフィンもあんなウェアを身につけるのだろうか。TMCに関係ないが少し気になる。

いよいよ開幕したATPツアー最終戦テニスマスターズカップ(TMC)、日曜日スタートとなり日程が少し楽になっている。これがエリート8と呼ばれる選ばれた8人にどう影響を及ぼすのか。熱戦を期待しよう。



2005年11月15日 ジーパン最後の台詞

2005マスターズカップ二日目
ダビデンコ 64 62 アガシ 
ガウディオ 63 75 プエルタ

今年の全仏ファイナリスト・プエルタがなぜTMCに出ているのでしょう。それはナダルが怪我のために棄権したからだそうです。MSマドリッド大会で無理をしたことが原因らしく、結局回復できなかったとさ。アガシも負けました。そして、残り試合を全て棄権することを決めました。こちらも故障したらしい。アガシの代役はゴンザレスに決まりましたとさ。

と言うわけで2005年ATP最終戦マスターズカップを棄権したのはヒューイット・ロディック・サフィン・ナダル・アガシとなりましたとさ。

さあ皆さん。往年の刑事ドラマ「太陽にほえろ」で松田優作演じるジーパン刑事が殉職するシーンを思い出して一緒に叫びましょう。

「なんじゃこりゃあああああああああああ!」

 

2005年11月16日 決勝戦無敗の男と、決勝で何度も負けた男

悪夢の二日目から一夜明けた。現在上海で開催されている「ハードコートの上で一番強いクレーコーターは誰だ、ただしナダルは抜きで」選手権は順調に三日目の日程を消化した。

2005マスターズカップ三日目
ナルバンディアン 75 64 コリア

ナルバンディアンはジュニア時代には世界的に注目されていたらしい。フェデラーなんか目じゃない存在だった。彼はテニスを始めた頃、コンクリートで作ったコートで練習をしていたと言う。その為に速いコートでもライジングからボールのコースを変えることがとても上手い。クレー育ちのアルゼンチン勢の中では高速サーフェイスでも強い異色の存在だ。2001年にはウィンブルドンでいきなりヒューイットの待つ決勝に進出したし、その後、その一発で終わるかと思ったが、2003年にはUSオープンでSFまで進出、優勝するロディックの最大の難関としてフルセットマッチの激闘を戦った。2004年にはクレーのフレンチオープンで本領を発揮、SF対ガウディオ戦まで進んだ。速いサーフェイスでも強いクレーコーターの筆頭だ。初戦でブランク明けだったとはいえフェデラーからセットを奪い、そして今回は同様にハードでも強いクレーコーター、コリアをストレートで降し、しまった内容の試合をしてその力を大いに見せつけた。かつてはフェデラーの天敵としても知られたサーフェイスを選ばない実力者、ナルバンディアンは残念ながらビックタイトルに恵まれていない。今回はひそかにチャンスを伺っているはずだ。その野心をうかがわせる内容の試合だった。

さてこの「ハードコートの上で一番強いクレーコーターは誰だ、ただしナダルは抜きで」選手権(別名マスターズカップとも呼ぶらしい)では完全に蚊帳の外に出されている二人、ハードコートの支配者皇帝フェデラーとミスター・ファイナリスト、リュビチッチが今年何度目かの対戦をした。

フェデラー 63 26 76(4) リュビチッチ

フェデラーはまだ完調ではない。だがファイナルセットでマッチポイントを先に何度も握ったのはフェデラーのほうだった。しかし、リュビはしのいだ。そしてTBに持ち込んだ。TBはサーブの威力がモノをいう。リュビチッチ有利かと思った。しかし、必殺のバックハンドダウンザラインがきわどくラインをそれた。その瞬間リュビの勢いが消えた。コートはフェデラーに完全に支配され、74でフェデラーは勝利をモノにした。

二人の対決はここで終わりではない。数日後の決勝戦で再戦が待っていることだろう。フェデラーにとっての今年最後の好敵手に選ばれたのはナダルではなくリュビチッチだった。リュビチッチは今日の敗戦で、久しぶりの対フェデラー戦の感触を掴んだはずだ。次は修正してくる。セットを奪っていることも自信になっていることだろう。ラウンドロビンの間に復調してしまわないとフェデラーは厳しいぞ。

今年、一度も決勝戦で負けていない皇帝フェデラー、彼の一年間決勝戦無敗の記録を最後に破る役割を与えられたのは、この一年間で何度も決勝戦で負けた男リュビチッチになる。決勝戦無敗の男と、決勝で何度も負けた男の最後の対決、一年の締めくくりにはもってこいの大一番ではないか。選ばれた8人、エリート8から5人も脱落してしまったが、唯一の見所は残っている。この対戦の実現を切に期待しよう。

 

2005年11月17日 地味なりに

2005マスターズカップ(TMC)4日目
ダビデンコ 60 64 ガウディオ
ゴンザレス 63 46 60 プエルタ

ダビデンコもゴンザレスもサーフェイスを選ばないタイプかもしれない。ゴンザレスはサーフェイスなど関係なく強打の連続だ。ランキングが10位以下であるがいまやベスト4でSF進出の可能性が出て来ている。金組の決勝進出者は誰か、代役たちは地味ながらも大会を盛り上げている。

2005年11月18日 最後の希望までも奪われて

5日目になってさらにまた「なんじゃこりゃあああ」と叫ぶことになるなんて、

2005マスターズカップ(TMC)5日目
フェデラー 60 16 62 コリア
ナルバンディアン 62 62 リュビチッチ

対ナルバンディアン戦のリュビチッチは対コリア戦、対フェデラー戦とまったくの別人だった。ここで元気を無くしてどうする。MSパリ大会の故障が再発しでもしたのかい。二敗だぞ、二敗、予選落ちじゃないか。如空が期待した「年間決勝戦無敗の男 対 ミスターファイナリスト(それでも二勝はしているが)」の最後の決勝対決はどうなるんだ。最後の希望まで奪ってしまうなんて。勝負の神様を恨んでも仕方ないのか。

去年、モヤに1セット奪われただけで後は全てストレートでエリート8を退けたフェデラーだったが、今年はブランク明けによりラウンドロビン3戦全てフルセットになった。しかし全勝であることにも替わりはない。完調でなくても勝つ男、フェデラー、このあたりに他のトップ選手との違いがあるのだろう。これで赤組は一位フェデラー二位ナルバンディアンで予選通過者を決めた。

決勝戦、盛り上がってくれるかなあ、大会関係者でもないのにとても心配である。



2005年11月19日 ガウディオの運命論

金曜日の夜、仕事を終えて帰宅するとTVの中でガウディオとゴンザレスが戦っていた。スコアを見るとファイナルセットである。おお、このセットでSF進出者が決まるという大事な場面ではないか。しばし着替えることも食事をとることも風呂に入ることも忘れて、TVの中の接戦に見入っていた。

2005マスターズカップ 6日目
ガウディオ 16 75 75 ゴンザレス
ダビデンコ 62 63 プエルタ

ガ、ガウディオが決勝T進出だなんて。ゴンザレスがハードコートの上でガウディオに負けるとは予想だにしていなかった。現に録画を見直すと第一セットはゴンザレスの圧倒である。しかし、ガウディオは気負いなどこれっぽっちも感じさせずに淡々と自分のテニスをする。ゴンザレスの強打をしのいで、人を喰ったようなドロップショットと鋭いバックハンドでポイントを淡々と取っていく。ドロップショットもさえているが、なんと言ってもツアー中そのフォームの美しさはNO1であるシングルバックハンドのダウンザラインは何時見ても素晴らしい。一見ゴンザレスに押されているかのように見えるのだが、ポイントを要所で連取してゲームを取っていく。ゴンザレスが先にマッチポイントを握っていたにもかかわらず、ピンチをしのぎ、気が付けば第二セットを取ってしまい、ファイナルセットも何時の間にか取ってしまった。

バックハンドの素晴らしさもさることながら、その天然ボケのキャラのとぼけた性格はツアー中サフィンと双璧とまで言われる。不幸な目にあった同僚の選手たちの境遇について「それも運命、仕方ないよ」とよく言う。日本語に訳されるときに、ある程度小生意気な印象をもたせるように訳されているので「他人の痛みのわからぬやつ」とよく言われる。今回のマスターズカップのトップ選手の欠場問題しかり、2004年の全仏決勝でのコリアの足の痙攣問題しかりである。だが如空が思うに多分ガウディオは運命論者なんだろう。運の悪い時は誰にでもある。そのときは何をやってもだめ。その不幸を受け入れられずに無理やり原因を見つけ出して自分を責めたり、他人を責めたりしても仕方ない。運の悪いときは休んでいろ、そして流れが来たらそれにのって一気に駆け上がれ。自分のチャンスが相手の不幸の結果だとしても、相手に気兼ねしての遠慮はするな。運の良し悪しは順番で持ち回りだ。替わりに自分の不幸が他の人に幸運をもたらしていることもある。だから人が不幸だからって遠慮することはない。同様にこちらが不幸のとき、チャンスの相手に同情などして欲しくない。だから、経緯がなんであれ、自分にチャンスがくればそれを生かすべく全力を尽くすのさ。そんなふうに考えているのではないだろうか。

以上は如空の推論でしかない。実際のガウディオの性格や考えが同様なものかを正確に知るすべもない。ただ、報道を通じて知るガウディオの言動に如空は彼なりの運命論を強く感じるのだ。去年の全仏決勝、足を痙攣した同国人コリア相手の試合はさぞかしやりづらいものがあったろうと如空は考えたのだが、実際、ガウディにはプレーでもその後の会見でもそんなやりづらさを感じさせる部分は見受けられなかった。そのときから多分ガウディオはそういう運命論者なのだろうと如空は勝手に想像している。

マスターズカップSFはその運命論者ガウディオ対皇帝フェデラー、ロシアの実力者ダビデンコ対切返しの上手いナルバンディアンである。フェデラーは未だにフィジカルが完全ではない。しかし、それに遠慮するどころかチャンスと受け取るガウディである。ハードコートの上とはいえ、去年の全仏決勝の再現にならないとも限らない。皇帝の3連覇への道程に予断は許されない。

 

2005年11月20日 TMCでの串団子

2005年マスターズカップSF
フェデラー 60 60 ガウディオ
ナルバンディアン 60 75 ダビデンコ

ATPの試合で、しかもTVで中継されるような大きな大会のSFで、しかも共にグランドスラムのタイトルホルダー同士での試合で、まさか串団子が起こるなんて。今年のTMCはサプライズの連続だ。
休日出勤した職場のパソコンで仕事をしながらライブスコアをチェックしていた。6060でフェデラーの完封勝利を見たとき、どうせまた気分屋のガウディが途中でふてくされてやる気を失ったのだろうと思った。帰宅後録画を見た。ガウディオは確かにいつもと少し違っていた。サーブが安定せず、ダブルフォルトを連発していた。フォアも少しふけていた。しかし、やる気を失うところまで行っていたわけではない。現にディースまで行くゲームがいくつも見られた。
気負っていたのはフェデラーのほうである。ミスも多かった。だがそれ以上にウィナーが多かった。最近ではほとんどしなくなったサーブ&ボレーも織り交ぜ無理やりにでも攻めること攻めること。ハンドルが不安定なのにいきなりエンジンを全快させた車のように12ゲームを一気に走りぬけた。
フェデラーは明らかに決勝を見据えて自分のレベルを上げるべく、このSFでギアを上げたのだ。たとえそれがミスを生み、一時的に不安定になるリスクを負うとしてもSFで調子を上げてしまわなければ決勝で調整していては間に合わない。そんな感じを抱かせる、フェデラーの力の入れようだった。

そのフェデラーの決勝の相手はナルバンディアンである。ダビデンコ相手にこちらも第一セットを完封した。そして第二セットは一転クロスゲームできわどい1ブレーク差を終盤につかんで勝ちきった。
いったんギアをトップに入れたフェデラーを止めることは簡単な事ではない。明日も串団子にされる可能性もある。しかしSFの対ダビデンコ戦は非常によい内容であった。さて、そのナルバンディアンがどこまで今のフェデラーに通用するのか。ATPツアー今年最後の一戦が迫ってきた。いよいよ大詰めである。決勝戦にふさわしい好勝負を期待しよう。

 

2005年11月21日 感動のナルバンディアン

2005年ATP最終戦 マスターズカップ決勝
ナルバンディアン 67 67 62 61 76 フェデラー

仕事をしながらライブスコアで経緯を見ていた。ニセット連続のTBを制した時点でフェデラーの3連覇がなったと思った。第三セットをナルに取られてもその確信は揺るがなかった。だが第四セットも一方的なスコアで取られた時点で不安がよぎる。そしてファイナルセットでナルに4-1にされた時、背筋がぞっとした。ここまできて負けるのかフェデラー。トラブルでも起きているのか。仕事が手に付かなくなった。しかし、フェデラーは強い。4-4に戻した。如空も安堵した。そのまま競り合いになりTBに突入した。TBならフェデラーが勝つ。そう信じていた。しかし、液晶のモニターに映るTBのスコアはフェデラーのポイントが3で止まったまま、ナルバンディアンのスコアが7になった。今年4度目の皇帝の敗北をスコアは告げていた。

すぐに帰宅して録画を見た。
フェデラーはいつもどおりのフェデラーだ。ナルバンディアンが凄い。この高速サーフェイスで後ろに下がらずライジングでフェデラーのストロークを裁く。フォアのアングルショットの角度がフェデラーのそれよりもさらに鋭い。バックハンドのダウンザラインも冴え渡る。だがフェデラーも負けじとやり返す。両者共に仕掛けが早い。鋭いショットの応酬が展開される。素晴らしいストローク戦である。流れの中から出て行くネットへの展開も素晴らしければ、それを抜き去るパスも素晴らしい。ドロップショットのタッチも絶妙。近年まれに見るハイレベルの好勝負である。
フェデラーはビックサーバーではないが要所要所でサービスエースを含むサービスポイントを取ることでサービスキープを確実なものにする選手だ。しかし、今日のナルバンディアンはフェデラーにサービスから攻めさせなかった。堅実なレシーブでフェデラーのサーブからの展開を無効にしてストローク戦に持ち込むことに成功していた。サーブの力が劣るナルバンディアンがフェデラー相手に第一セット2ブレークづつ取り合うというブレーク合戦に持ち込んだのはナルバンディアンのペースであったといってよい。しかし、TBを取ったのはフェデラーである。第一セットはフェデラーのリターンがネットインして際どいセットポイントをものにした。だがナルバンディアンがこれで「今日はやれる」と思ったことだろう。

第二セットも先にフェデラーがブレークするがナルバンディアンはあわてない。静かにブレークバックし、再びTBに持ち込む。今度はリードしたのはナルバンディアンである。しかし、静かに追いついたのはフェデラー。手に汗握る一進一退の攻防が続く。13-11で連取したのはフェデラーであった。

ラケットだけでなくウェアも全身ヨネックスで固めている今季のナルバンディアンはここでシャツを黒から赤に着替えて第三セットに臨む。今日のナルバンディアンはサーブをフェデラーのボディに集めて、フェデラーのリターンからの攻撃もさせていない。サーブを入れてからとにかくストローク戦に持ち込む。フェデラーは少し集中力が落ちたのか26でナルバンディアンにセットを譲る。

問題は第四セットにあった。いつもならここで集中力を高めてギアをトップに入れて畳み掛けるのが皇帝フェデラーのテニスだが、このセット先にギアをトップに入れたのはナルバンディアンのほうだった。入れるだけのリターンから攻めのリターンへ、サーブがそれほど強くないナルはアガシやヒューイットのごとくリターンからの攻撃で主導権を握ろうと画策した。フィジカルが万全ではないフェデラーは調子を上げきれない。メディアカルタイムアウトで足をマッサージするが効果なし。ナルバンディアンは61でセットを取りセットオールに持ち込む。

ナルバンディアンの勢いは止まらない。ファイナルで一気に4-1まで持ち込む。際どいジャッジがフェデラー優位に判定されてもぐっと我慢して攻める攻める。コースを肩で隠して予想だにしない角度にショットを放つ。フェデラーは完全にお株を奪われていた。フェデラーがようやく調子を上げることが出来たのはファイナルも中盤になってからである。
しかし、そこからはさすが皇帝、万事休すの場面がいつの間にかブレーク数で上回りサーブインフォーザチャンピオンシップスを握る。ところがここで決められなかった。土壇場でまたナルバンディアンにブレークを許してしまう。
運命のTB、4-3でフェデラーの集中力散漫になる。ナルバンディアンの圧力に抗し切れない。フェデラーのバックがネットにかかり、ナルバンディアンは仰向けに大の字になってコートに倒れこんだ。

半年振りの皇帝の敗北がこんな形になるとは誰が予想しえただろう。今シーズン最後の最後に全豪SF対サフィン戦、全仏SF対ナダル戦に匹敵する名勝負が実現した。フェデラーはフィジカルが万全でなく。ナルバンディアンは際どい判定が味方をしてくれなかった。お互いハンディを背負いつつも、コート上のプレーと試合内容は今年のベストマッチの一つであることに異論はないだろ。ナルバンディアンはこれが生涯4個目のタイトルである。これほどの実力者がわずかに4つめ。いかに今のATPがレベルが高いかを示しているといえよう。2セットダウンになってもあきらめず、逆にファイナルでリードしてから追い上げられても揺るがず、TBになっても終始自分のテニスを貫き、ついにつかんだビックタイトルである。その姿、そして今日の試合内容そのものも実に感動的なものであった。

トップランカーの相次ぐ欠場により盛り上がりに欠ける大会になりつつあったが、代役たちの試合はそれなりに好試合があり、何より最後に生まれたこの名勝負が全てのネガティブな要素を帳消しにしてくれた。熱戦を届けてくれた選手たちに感謝。来年も名勝負が生まれることを期待しよう。





戻る