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2004年 テニス界10大ニュース ベスト9

アテネに吹いたチリ旋風

 

今年はオリンピックイヤーだった。テニスがオリンピックの正式競技になって何年たつだろう。選手たちの受け止め方は様々で、「母国のために必ず勝つ」と意気込むものもいれば「オリンピックの雰囲気を楽しむよ」とエキジビション感覚のもの、「ツアーのスケジュールに合わない」と代表に選出の打診を受けていながらそれを拒否するものと選手も様々である。女子はエナン・モーレスモ・モリックのメダルで順当だったが、男子はフェデラーもロディックも早々に敗退した。彼らが何所まで本気だったかは分からない。雑誌のインタビューなどではかなり本気でメダルを取りに行ったと発言しているが、結果はうまくいかなかった。女子のダブルスでは日本の杉山・浅越ペアが期待通り勝ち進んだがスペイン・アルゼンチンに最後に阻まれメダルを逃した。

さて、その2004年アテネオリンピックのテニス競技で旋風を起こしたのはチリだった。男子単複において南米のマシューとゴンザレスが全競技を通じて初のメダルを母国にもたらした。WTAはいたるところでロシア旋風が巻き起こり、ロランギャロスでは男子にアルゼンチン旋風が吹いた。しかし、オリンピック発祥の地、アテネに吹いたのはチリ旋風だった。

男子はデント(USA)対マシュー(チリ)、フィッシュ(USA)対ゴンザレス(チリ)というSF。エントリーされたトップシードたちの豪華な顔ぶれとは裏腹に、なんとも地味なSFになった。オリンピックなのに決勝で同国人対決になる可能性が大きい、この時点でアメリカ・チリどちらもメダルは確実になった。男子ダブルスでもゴンザレス・マシューのチリペアが決勝まで来た。
そして男子シングルス決勝はフィッシュ対マシューとなった。3位決定戦はデント対ゴンザレス。その3位決定戦はゴンザレスがデントを破り、銅メダルを取った。
チリ強い。リオスが引退しても後継者がすぐ現れるあたり、チリの存在は侮れない。

そして日曜日、壮絶な試合はアテネのテニス会場センターコートで行われていた。男子ダブルス決勝をフルセットの末制し、ゴンザレスと共にマシューが金メダルを取ったのは現地時間で日曜日のほぼ午前3時、ろくに体力回復の時間を取れないままマシューは男子シングルス決勝に突入した。
第一セットを先取したものの、第二第三セットは足が動かずフィッシュに連取され大ピンチ、しかし第4セット途中から生き返り、セットオールのタイに持ち直す。最終セット5-4、1ブレイク差で迎えたサーブ・イン・フォー・ザ・ゴールドメダル、緊張と疲れを気力で克服したマシューが見事サービスゲームをキープして金メダルを手にした。


NHKのTV中継(録画)を見ることが出来たが、中々面白い試合だった。録画してなったことが悔やまれる。カットだらけでつぎはぎの映像だったが、試合時間の読めないテニスのフルセットマッチをいい時間帯に入れるためには仕方がないことだ。オリンピックはテニスだけでないのだから、贅沢は言うまい。
マシューのフォアハンドはゴンザレスとよく似ている。めいいっぱい広げたフルオープンスタンスから肩を大きく回し大きなスイングをする。太腿が太い。ストレートにつないでクロスに決めるという変わった攻め方をする場面が何回か見られた。あれだけ体が開いた状態でクロスもストレートも打てるとは相手もコースが読みづらいだろう。
中盤は傍から見て明らかに脚が止まってしまっていた時間帯があったが、5セットマッチであったことが逆に幸いし、見事な逆転劇を演じた。第一セットをよく取っておいたものだ。

地球の反対側チリではテニスの話題で沸いた。チリではえらい騒ぎで、サッカーのワールドカップで自国のチームが決勝に進出・優勝したかのような騒ぎっぷりだったそうだ。首都では大観衆が大型TVを設置した広場に集まり、声援を送り、メダルを決めると国中が大騒ぎ、帰国したマシューとゴンザレスは大統領をしのぐ英雄となっていた。
実は今回の男子複単の金メダルはチリがオリンピックに参加して以来、初めてもたらされた金メダルだそうだ。チリ史上初の金メダルがテニスによってもたらせたことは素晴しい。テニスをオリンピック競技にしたことの意味があるというものだ。




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