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第154房 「一段上のダブルス」 (2009/08/30)

 

今日のダブルスの練習はローボレーとハーフボレー。
まずはローボレーを打つ。
「上半身を折らずに腰を落としてください。膝を曲げて。低くても打点は前ですよ。踏み込んだ足のさらに前です。」
ローボレーの連続練習は下半身に厳しい。ふくらはぎがぴくぴくする。
「でもふくらはぎが痛くなるようではまだまだです。」
とコーチが言う。
「プロの選手が足を痙攣させるときはどこが痙攣しますか?ふくらはぎですか。違いますよね、太ももです。太ももを使って動いて、太ももを使って腰を落とすのです。太ももよりふくらはぎが痛くなるのは、膝が曲がっておらずに足首を酷使している証拠です。」
膝を曲げればふくらはぎでなく太ももが痛くなるはず、か、確かにまだまだだね。膝が曲がっていない。

その後は連続でハーフボレーである。
「ローボレーのように面を上に向けてボールの下に滑り込ませるとボールが浮きます。面を伏せ気味にして、テイクバックなしでライジングを打つ感じでネットぎりぎりを越してください。」
ふむ、ハーフボレーの方が楽に返せるね。みなそんな感じだ。
「ではランダムに出しますから全部ハーフボレーで返球してください。」
浅い球は問題ないが、深い球や大きくワイドに振られた球に足を合わせようとしてみな、足がもつれる。
「次、全てローボレーで拾ってください。」
すると、足はよくでる。でも浅い球がうまく拾えずに、結果ハーフボレーになったりする。
「それでいいのです。」
とコーチは言う。
「ハーフボレーは楽なのですぐ多用してしまいたくなります。でもハーフボレーを最初から打つつもりで動くと、足が前に出ずに、前に進み辛くなるのですね。基本はローボレーで返す。そういう心構えでネットに出れば足が前に出ます。そのうえで、前に鋭く落ちてくるボールに関してはとっさの判断にてハーフボレーで返す。そうすれば、流れの中で自然に足元に来たボールを時にローボレー、時にハーフボレーで返せます。フットワークはあくまでローボレーで打つつもりで前に出てください。」

そのあとゲームをして、終わったあと、コーチが総括する。
「ダブルスにおける攻撃とは結局のところ、相手を動かしてオープンコートを作るか、相手の足元にボールを入れて、ボールを浮かさせて、その浮いたボールを叩くことです。ローボレーとハーフボレーが自在に使えれば、このうち、相手の足元にボールを打って、浮き球を叩くという攻撃を封じることが出来ます。そうすれば後はお互い動かしあい、陣取り合戦というダブルスの戦術の妙が競われるレベルになります。逆にローボレー、ハーフボレーがうまくない相手には、オープンコートをつくる作戦など無用です。足元にボールを集めてミスさせる、浮き球を叩く、これだけでポイントが取れるのです。皆さんもローボレー・ハーフボレーを使いこなして、もう一段上のダブルスを目指してくださいね。」
そのもう一段上のダブルスとやらにはまだまだ至りそうにないな。足元のボールをもっとさばけるようにならなければ。

翌週のダブルスの練習はただひたすらにサーブアンドボレーを繰り返す。
「ファーストショットを丁寧に打ってください。」
とコーチは今日の練習で意識するべきところを言う。
「サーバーは最初のサーブ、まずファーストサーブをきちんといいれること。セカンドがあるからといって、むやみにファーストを打たないでください。自分のイメージしたコースにきちんと入れることです。サーブの威力も大事ですが、サーブアンドボレーをするためには配球の方がもっと大事です。レシーバーはセカンドになれば叩いてきますよ、リターンの上手な相手ではセカンドではネットに出られなくなります。そのためにもある程度威力のあるサーブを、イメージしたコースに高い確率で入れることが大事になります。」
「サーバーがネットダッシュしてのファーストボレーが重要である事は言うまでもありません。同時に、サーバー側・リターン側両前衛の最初のボレーも大事です。ポーチに出ない限り、自分から最初のボレーを打つ事はありません。一方で相手はストレートアタック、ストレートロブ、ポーチなど突然前衛を狙ってきます。その不意打ちに対応できるよう、心の準備を常にして、出来れば予測できるようになって、最初の前衛ボレーもミスしないようにしてください。そうすればダブルスはミスによるポイント合戦から、配球によるウィナー合戦になって行きます。一段上のダブルスになるわけです。」
と今日も一段上のダブルスを目指してひたすらサーブアンドボレーを繰り返す。久しぶりにテニスをするので、少し不安であったが、サーブとストロークは問題なかった。だがボレーが入らない。サービスダッシュの後のファーストボレーがミス連発である。ボールを待ちすぎるのかね。特にハーフボレーになったとき、打点を誤ってボールがすり抜けていくシーンが多かった。腰の落ちが甘いのだろうか。

前半、クロスで1対1の練習の後、フルコートで2対2の練習をする。如空に限らず、全般的にワイドにファーストボレーを入れた後にセンターをパスで抜かれるシーンが多く見られた。
「並行陣側の前衛のポジションに間違いはありません。並行陣側後衛に問題があります。」
とコーチは言う。
「雁行陣後衛がワイドに振られたら、正面のネットにいる並行陣側前衛はストレートパスをふさぎに行きます。ペアの並行陣後衛がそこで前衛と一緒に寄らないとセンターが開くわけです。」
「センターによればショートクロスがあきますよね。打たせればいいんです。センターを抜くより難しいわけでから、ミスしてくれる確率が高くなります。この場面ではセンターによって、ポジションでセンターをケア、ただし、気持ちはショートクロスをケアして、ショートクロスに来れば飛びつくつもりでいればいいのです。」
といって我々の動きではまず飛びつけないのだけどね。ただ簡単にセンターを抜かれはいけない。センターケアはダブルスの大原則である。ポジショニングを気をつけなければ。

バックのリターンがこのところ調子が悪かった。この日も、皆サーブに威力のある人が多く、バックのリターンに苦労した。レディの時、バックが両手打ちの人は両手ともグリップを握っていることが多い。その方がバックに反応しやすいからだ。如空もそうである。だが少し窮屈に感じて、片手打ちの人みたいにラケット面に左手を添えてリターンを構えて見た。バックをスライスでブロックリターンするためである。ところがこの構えからバックの両手打ちリターンをすると不思議とうまくリターンできるようになった。ラケットを引かずに。へその前でグリップチェンジをすると、そのときにはサーブがきている。引くひまもなく、そのままラケットを押し出すとうまくボールが返った。両手バックのリターンはこうすればいいんだ。うれしくなって、フォアで打てるリターンもバックに回り込んでリターンした。いい感じである。後はサーブの後のファーストボレーを何とかしなくてはね。

 

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