第151房 「コートを狭めるために 」 (2009/08/30)
今日のダブルスのレッスンは地道にネットでのポジションキープである。
まずは個人技、ネットで多種多様なプレーを連続で行う。フォアに遠い球、バックに遠い球、フォアにネット際の球をローボレー、バックにネット際の球をローボレー、深めのロブを下がりながらスマッシュ、フォアに浮いた球をハイボレーで叩く、またロブを下がりながらスマッシュ、今度はバックの浮き球をハイボレーで叩く。それを何度も繰り返す。
「どんな球も打った後、すぐに定位置に戻ることが重要ですよ。」とコーチは言う。
「並行陣の基本はポジションキープです。打っては戻る、打っては戻る。その単純な繰り返しが並行陣から穴をなくすのです。打つことだけに神経を集中させないで、踏み込んだ足を使ってすぐにポジションにもどってください。」と何度も何度も同じ事を繰り返す。
今日はウォーミングアップのショートラリーでバックハンドを片手で打った。おかげでバックハンドボレーの調子がよい。予想通りだ。実は先日のミックスダブルスでバックハンドボレーが不調であったのだが、その前日の神戸で練習したときはバックボレーがすこぶる調子がよかった。この二日間の違いは何だと考えた。それで後日思い出したことがある。試合前日の練習では、練習相手に付き合って、ショートラリーとストロークラリーをバックは片手で打ったのだ。それでボレーも打点が前になり、右手のタッチも良かったのではないか、と考えた。
基本は両手打だ。シングルスのストローク戦やダブルスでバックサイドに入ったときのクロスラリーでは両手でないと厚い当たりのボールが打てない。でもショートラリーなら片手でも十分やれる。ショートラリーでは片手打ちにして右手にバックの打点とタッチを覚えさせてからプレーしているので、バックの調子がよいのだ。プロでも女子のセリーナ・ウィリアムズもよくウォーミングアップではバックを片手打ちで打って打っているが、あれにも同様の何か意味があるのかもしれない。
今日はスマッシュも調子がよい。先日右肩を思いっきり前に出すことを意識して打ったサーブが好調を維持しているので、スマッシュでも同様に右肩を後ろから前に押し出すというより突き出す感覚で打ってみたが、なかなか良い感じで打てた。今日は調子がよいわ。
その後、今度は2対2でポジションキープの練習である。コーチがアットランダムに色々なところにボールを出す。並行陣側はそれに対応しながら決して穴を作らないようにネットで壁になる。
「二人の距離が常に一定になるように、動きを絶えず意識してくださいね。ペアがワイドに振られたら、センターによる、ペアがポジションに戻ったらこちらもポジションに戻る。」
「左右の動きは皆さん連携がうまくいく行ますが、前後はまだまだですね。前後でも距離は意識するようにしてください。ペアがポーチでネットに詰めたらもう一方は後ろに下がってロブケア。逆に二人で相手の片方を集中攻撃する場合はペアの距離を狭めて、攻撃する一人を包囲します。この連携がスムーズに出来るように練習しましょう。」
「ボールを打たないほうのネットプレーヤーの動き、といいますかポジショニングが鍵です。これがうまくいくと、並行陣から穴がなくなり、相手はボールを振って相手を動かしているのに穴がないと感じます。我々はよくこの状態を『コートを狭くする』といいます。いい連携をしているペアは相手にとっては穴がない、コートが狭く見えるようになるものなのです。」
とコートを狭くするためにネットでの振り回しが始まる。今日の如空はボレーのタッチがフォア・バック共に良いのでとてもこの練習が楽しい。だが足がついてこず、腰が折れてよくミスもした。やはり手だけでなく、足も大事だね。
その後、最後として、サーブからの2ポイント先取のゲームを繰り返した。リターンが勝ち残りなのだが、如空はリターンもボレーも調子がよい上に、ペアもいい感じなので、結構連勝して、長い間チャンピオンサイドにいた。コーチが途中で言った。
「如空さんはフォアのハードヒットから前に良く出ますよね。そのとき、フォアの強打一本でしとめようと考えずに、次のボレーを早いタイミングで打つことを意識ながらネットに出た方がいいですよ。今は一本打ったらそこでリセットしてまた次のショットと考えているでしょう。そうでなくて、フォアを打ったあと、出来るだけ早いタイミングで次のボレーを打つことを考えるんです。二本で一本の連続攻撃です。そうすればもっと前に出やすくなりますよ。相手から落ち着く時間を奪うんです。そのために、早いタイミングで打って相手の時間を奪うために前に出る、と考えるとスムーズに行きやすいです。」
フォアからの連続攻撃か、フェデラーみたいでかっこいいな。よし、身につけるべく練習していこう。