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第143房 「助走してネット、ラフターになってフォロースルー 」 (2009/08/30)

 

日曜日のシングルスのレッスンはまた個別で弱点の補修であった。今日もバックハンドかと思っていたら「今日はボレーをやりましょう。」とコーチが言った。先週の最後のゲーム形式でネットプレーをことごとくミスして「今度はボレーをやりましょう」と如空がゲーム後コーチに言ったことを覚えてくれていた。

如空はどうもストロークと同じタイミングでボレーをしてしまう。ミスする時はスプリットステップを忘れていることが多い。どんな練習をすればこのあたりの切り替えがうまくいくようになるのか、長年の悩みである。

「ボレーを止まって打たずに、前に走りながら打ってみましょう。」とコーチが言う。
「ボレーするためにステップを踏んでその場に止まるのではなく、踏み込んでボレーするために助走する、あるいは足を合わせる、そんな感じでネットにアプローチしてください。少しでも前に出ようという意識はシングルスでは大事ですが、それ故に前に突進して止れずに打点が食い込まれると意味がありません。全速力でネットダッシュ、そして相手が打つときにスプリットステップして止る、そこから踏み込む、という意識だとステップで足がなかなか止ってくれません。今の如空さんのアプローチがそれですね。それよりも足を合わせて助走しながら、踏み込み足を合わせながら、ネットというよりボールに近づいていくように動く方が如空さんには合うような気がします。」
といって、アプローチを打って、ネットにつめてボレーを何回も繰り返した。でもボールがしょぼい、当りが薄い、思った位置に飛ばない。
「上半身を固くしすぎですよ。ボレーの基本だからと言ってラケットを振らないでおこうと意識しすぎです。ラケットを前に出したまま打ちに行っています。もう少しラケットを引いて、肩をひねってから踏み込んでみてください。少し振ってもらった方が当りも厚くなるし、コントロールもよくなりますよ。でも腕を振るのではなくて肩を振るのです。ラケットと腕を前に出したまま、肩を引いて、反対側の肩を前に出すのです。腰と肩がねじれた状態で踏み込んで、打つときにねじりを戻してください。すると当りが厚くなります。」
「ラケットを立てたまま押すと、フォロースルーが小さくなってコントロールしづらいでしょう。立てたラケットを面ごとボールの下に滑り込ますように横に倒しこんでフォロースルーしてみてください。昔ラフターという選手がいたでしょう。彼のボレーのフォロースルーをイメージして打って見てください。ゆるいスライスがかかってボールが伸びていきますし、フォロースルーが大きく取れるので深いボレーを打つときはコントロールがよくなります。」
俺はラフターだあ、と自己暗示をかけながら、ひたすらアプローチ・ボレーを繰り返す。「スプリットステップして一度止る」というより「助走しながらボールに近づく」という意識で動いたほうが確かにリラックスできる。コーチのいうとおりこちらの方が如空にはあっているようだ。これがいわゆるスタッタードステップというやつの本質ではないだろうかと、後で思った。立てたラケットを寝かせていくラフターのフォロースルーもいい感じだ。当分助走しながらネットに行き、ラフターのまねをしてボレーのフォロースルーをしてみよう。

 

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