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第140房 「コースを変えられない愚か者 」 (2009/08/30)

 

先週の日曜日のシングルスの大会、予選リーグで第一試合は2-6、第二試合は1-6、いつも出ている大会のレベルより、一ランク上の大会なので、ある意味当然の結果ではあるのだが、それでも負けて落ち込んだ。ブログに書き込む気力が起こらなかった。
如空はショットを打つときの打球感にとてもこだわる。厚い当たりのショットが打てなければテニスをする意味がないと思っている。だがこれは「試合に勝つテニスをする」という意味では間違いだ。その日調子のよいショットのみをチョイスして、そのショットだけを使ってどうすれば勝てるか、というところを頭を使って展開し、相手の弱点を突いて、自分のテニスの内容に左右されずに、試合に勝つという姿勢が勝つためには必要だ。調子が悪いショットにこだわって、そのショットをひたすら矯正できるまで打ち続けるようなテニスをしていると、自分のテニスを取り戻せるころには試合が終わっている。いいショット、納得いくショットが打てなくても、その日打てるショットを駆使して、相手の弱点を突き、試合の勝利を目指す。そういう姿勢が勝利には必要だ。それをこの7年以上、テニスの試合に出続けて、ダブルスでもシングルスでもそれが大事だということはいやというほど身にしみている。だがシングルスでは納得いくショットを打って、かつ勝利を目指そうという、時に矛盾してしまうかもしれない二つの課題を追求していた。そのせいで勝てなくても、それでもかまわないと思っていた。
だが、さすがに去年の後半より負けが続いている。さすがこうも負けが込むとこのままではいけないと思う。だから今日は勝とうと思った。いつも出場している大会よりレベルが高い大会なのだが、それでも勝たなくてはならないと思った。だから、納得いくショットを打てなくても、「テニスはゲーム」と割り切って、与えられたオプションのみを駆使して、あくまで勝ちに行った、だがこの結果だった。
いつもの大会よりレベルが1ランク上だったのだが、だからと言って、先月のシングルス大会のあの凄まじいハードヒッター達に比べれば、まだ打ち合える相手だった。何よりオープンコートを作ることに成功していた。相手を動かして振る事に成功していたのだ。サーブをワイドに入れて相手をコートの外に追い出す。センターに入ってきたサーブをセンターに打ち返して、相手が先にワイドに振ったところで、その逆を突いてさらに角度をつけて切り返す。セカンドサーブは逆クロスに打ち込んでそのままネットアプローチ。そういうプランを持って、試合に臨んだ、そして、その作戦はほとんど成功していた。
だが、オープンコートにボールを入れるショットをミスした。ハードヒットしたわけではない。コントロールショットだ。力を8割から5割で打ったショットだ。これがほとんどラインを割った。特にフォアの逆クロスが全然入らない。入らないショットは捨てると決めていたので、バックのクロスで入れに行ったのだが、これも入らない。相手をバックサイドに追い出してからフォアでオープンに打とうとすると、今度は角度がつかずに甘くかえってしまい。相手に逆襲を喰らった。たまに入ってそのままアプローチした攻撃はほとんど上手くいった。特にシングルスではエラーしまくりの如空のボレーが今日に限っては良く決まった。オープンコートに入れるあのショットが入ればとてもいい展開に持っていけそうな状況である。だが、出来なかった。
如空はようやく気がついた。コースを変えることが出来ないのだ。下手なのだ、コースを変えることが。タッチでコースを変えている。スピンがかかっていない。だからネットするかオーバーするかで、コースを変えるときに高さと距離をコントロールできていないのだ。今まで何してきたのだろうと、さすがに落ち込んだ。そんなこと、もっと前に気づくべきだった。いいショットばかりを打つことばかり考えてシングルスしているから、ボールのコースを変えたときのコントロールなど、意識する機会がなかったのだ。如空がウィナーを取るときって、余裕のあるときに肩を入れてフォアの逆クロスを打つぞと見せかけて、相手の足を止めて、そこからクロスなり逆クロスなりに打つときだ。あるいはバックハンドのショートクロス、これは両手打ちの特権とも言うべき武器である。この二つは、クロスラリーが続いたときに、緩急をつけて、相手をラリーの中で油断させてからドカンと大砲を撃つ攻撃である。だからショットの威力とタメが物言う。その前のコースの振り合いがない。だがそれだけでは勝てないのだ。だから、今日は展開を意識して試合をしたのだが・・・・・基本的なところが確立していなかった。情けない。ああ、やり直しだ。あんなにコースを変えたときのコントロールが悪ければ、戦術も展開もあったものではない。今まで何してきたんだ。落ち込むぜ。

チェンジオブコースを意識して色々と悩んでいる間にいつの間にかストロークそのものがおかしくなった。産みの苦しみとはいえ、これではまずい。まずボールがスイートスポットに当たらずに深くに飛んでいかない。全てボールが短くなる。コーチに言わせると「如空さんのスイング、小さいく縮こまっていますよ。」ということらしいがコースを意識すると、スイングに思い切りがなくなる。とりあえず、昔コースの変更にと教わった基本、「クロスに打つときはボールの後ろを打つ、ストレート(回り込みのときは逆クロス)を打つときはボールの内側を打つ」というコツに意識を集中させてひたすらラリーを続ける。如空はまた「薄いグリップのストロークのスイングはインーアウト、厚いグリップのスイングはアウトーイン」というコツを長い間信じてきたのだが、最近これは少し違うのではないかと思うようになった。グリップの厚い・薄いにかかわらず、ストレートや逆クロスに打つときはインーアウト、クロスに打つときはバックーフロントという意識で打った方が上手くいくようだと気がついた。少なくとも如空の場合はそうで、今日もそれでフォアハンドを打つとだいぶましになった。でもバックはまだダメだ。いっそ全てスライスで打つかとも考えた。

そんな如空の悩みを知ってか知らずか、今日のシングルスの練習は途中からコーチとマンツーマンの個別個人練習になった。コーチが一面使って各自に個別練習して、もう一面で他の人はボレー対ストロークのポイント合戦をひたすら続ける

如空の番が来た。「如空さん、何がしたいですか。」とコーチが問うので迷わず「バックハンドのストローク」と答えた。「それではボールを手で出しますのでそれをストレートとクロス、交互に打ってみてください。」という。さすがコーチ、如空が何を悩んでいるのか良くわかっている。ボール出しが始まった。クロスには打てるがボールが浅い、ストレートへのボールはあたりが薄い。めちゃくちゃだ、これではテニスを始めたばかりの初心者と同じではないか。「ストレートだけ打ってください」とコーチが言う。やけくそになってひたすらストレートにボールを打つ。でも打てない。

「ボールを押せていないのですよ」とコーチは言う。
「ラケット面がボールを捕らえた後、すぐにあちこちにぶれているのです。同じコースに打っているときはまだましですが、特にクロス・ストレート交互に打つとその面のブレがモロに出てしまっています。」
「今の如空さんのバックは、面の操作だけでボールを打とうとしてしまっている状態なのですよ。手首とグリップとの角度をあまり変えないで、そのままグリップを前に押し出してください。振り切ればドライブはかかりますから、あまり回転をかける事を今は意識しないで、その代わりに面を前に押し出すことを意識した方が良いです。グリップがボールを追い越すくらいのつもりでボールを捕らえて、捕らえてから面がグリップを追い越す、そんな感じで打ってみて下さい。」
「打点に対して足の踏み込みが横から入ってしまっています。横向きになって腕だけで横にラケットを払っているような感じになっています。後ろから前に足を踏み出さないと。昔やったコーン回りをやりましょう。」
というわけでコーンを立ててそこをぐるぐる回りながらボールを打つ練習をひたすらした。しんどい、足ががくがくで膝が笑う。太ももに力がなくていく。それでもボールは打ち続ける。打ち続けなければ体が覚えない。
次にバックハンドダウンザラインを打って、そのあと、短いボールをフォアで叩く練習をした。フォアとバックを交互に打つとさらにバックのスイングが崩れやすい。「バックハンドのスイングが雑になってきていますよ。フォアのあと一度ニュートラルな状態になって、そこから再びバックをしっかりスイングする。それを繰り返して体に覚えさせるのです。」とコーチの声が飛ぶ。があ、足が限界だ、へろへろだ。終わったときには膝をコートについてしばらく立てなかった。

「強打の後、ネットを常に意識しておいてくださいね。」とローテーションで各自が移動するなか、膝をついて動けない如空にコーチがボソッと声をかけた。
「ボールが短くなったらネットに出る、だけでなく、もう一つ武器を持ちましょう。ハードヒットする、相手がそれを打ち返すために動いてボールに集中する。その瞬間にネットにするすると出るのです。オープンコートにハードヒットすれば相手は横を向いて視界の外にこちらは出ます。そこでネットに出るのですよ。相手はまだこちらがベースラインにいると思って返球する、そのボールをダブルスのポーチの感覚で打ち返すのです。もちろん開いている方向にですよ。そのためにハードヒットするのであれば、ハードヒットにも意味があります。」
コーチは如空がむやみやたらにハードヒットしすぎだといいたいのだ。打つべき場面をもっと考えろと。打った後、次に何をするかをもっと考えろと。考えずにむやみやたらと打つなと。

へろへろになった足ではまともに動けず、その後の練習はむちゃくちゃであった。そして如空の悩みもまた解消されないままだった。だが色々とやるべきことが絞られてきたような気がする。悩みはあっても迷いはなくなりつつある。進むべき方向が示されれば、ただひたすらにそこに進むのみ。

 

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