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第139房 「臨時コーチの有意義なレッスン 」 (2009/08/30)

 

新しいコーチはどんな人だろうと、楽しみにしてダブルスのレッスンに向かったが、そこにいたのは臨時の若いコーチ「新コーチは今週はお休みです。」だと、初日にいきなり休むとはどういう了見だ、まったく。というわけで、臨時の若いコーチの奇妙なレッスンが始まった。

ショートラリーの後、そのまま下がってロングラリー、そして次にさらにベースラインのはるか後方に押し下げて何をしたかというと、トップスピンロブのラリー。「手首を柔らかく使って、ボールが落ちてくる軌跡をラケット面でなぞり上げてください。腕はスピンをかけるだけですよ、ボールの距離は足と腰と肩で出すのです。足は体重移動させるより、後ろ足一本で立って打つ感じでいいです、その代わりに腰も肩もしっかりまわしてください。肩が回った後に腕とラケットがついてくる感じで振り切って!バックが片手の人はフォアだけでいいです。両手打ちの人はバックでも試してみてください。」
「ダブルスでスピンロブを使えるようになると雁行陣側の選択肢がぐっと増えます。並行陣と戦うには必須の技術です。スライスロブだとボレーヤーにつかまります。スライスロブは緊急時のリカバーショットです。攻めのロブはスピンロブです。早くて鋭いボレーの球にはスライスロブしか打てませんが、ゆるいボレーで余裕のあるときにはスピンロブを試してください。これでスマッシュをさせずに相手の上を抜くのです。これとネットぎりぎりのパスを組み合わせて並行陣と戦うのです。いいパスが打てそうな緩い球が来たときこそ、タメを作った後にスピンロブです。これが効くのです。」
こ、この臨時コーチ、いきなりコアな技術論をはじめたぞ。なんか面白そうだな。とちょっと期待しながらフォアでガンガン調子に乗ってスピンロブを打ちまくる。けど如空が打てるのはフォアだけ。バックは両手打ちだけどスピンロブを打てない、フラットしか打てないのだ。ここも如空の課題ではある。

続いてボレーのレッスン、ネットより高い浮き球を叩く練習である。
「スライス回転はいりません。フラットで叩いてください。スライスを使うのはネットより遠いときやネットより低いローボレーのときです。それは守りのボレーですからベースライン深くに返すショットです。スピードがなくてもいいからバウンド後はねさせない、それで相手の強打を防ぐ、そういう目的を持ったショットです。それにはスライスボレーが適しています。」
「でもスライスボレーが打てるようになると皆さん叩けるときもスライスをかけてしまうようになってしまうのです。叩くときは回転などいりません、ネットより高いところで、ネットに詰めて打つのですからフラットで叩けばいいのです。深さはいりません。むしろ短い方がいいです。角度をつけてアングルに叩くか、相手の足元に打つか、あるいは相手の手に届くときにはツーバウンドしているか。とにかく短く鋭く打つのです。」
「その叩くボレーをスライスで打ってしまうのはフォロースルーを長く取ってしまうからです。『フォロースルーを大きく取ることがいいことだ』という考え方を全てのショットに適用してしまおうとしているのです。叩くフラットボレーにフォロースルーを長く取る必要はありません。むしろ打つ瞬間に面を止めるぐらいの感じでちょうど良いです。ぱちんとボールをつぶして打ってください。」
と浮き球を叩く練習をひたすらする。フォアは言われたとおりにすぐ出来たけどバックがねえ。止める感覚で打つとボールが浮く浮く、ふけてしまう。打点が近いのかな。研究が必要だ。

ゲーム形式に入った。サーバーは強制サーブ&ボレー、リターンは強制クロスパス。そこからの展開である。
「サーバーは前に突っ込みすぎないことです。リターンはサーブ&ボレーを警戒してリターンを沈めてきます。それをローボレーしようとすると出来るだけ前に行きたいという気持ちはわかります。でもそれでスプリットステップはしないわ、味方の前衛を追い越すわでは何のためにサーブ&ボレーしているかわかりません。サーブ&ボレーの意味は相手より先にネットに出て、相手より先に並行陣になってしまうことです。そのためにはファーストボレーできれいにローボレーすることに固執する必要はありません。サーブ&ハーフボレー、サーブ&ライジングショットでもいいのです。ステップを踏んで、余裕を持って相手のリターンを返球して、ゆっくりとネットにつけばいいのです。攻撃はそこから始めれば十分です。」
「このクラスの皆さんは共通してリターンが下手ですね。サーブ・ストローク・ボレーの技術のレベルに比べて極端にリターンが下手です。ストロークと同じようにテイクバックをしてしまっています。リターンはストロークのグリップで打つボレーです。サーブの威力を利用してライジングで打ち返してください。スイングしてボールを飛ばすのでなく、サーブの勢いを利用してボレーのように打ち返すのです。サーブの威力がないときは脚で踏み込んで自分の方から勢いをつけてボールを打ってください。軽く肩をまわすだけでドライブはかかってくれます。腕を大きく振る必要はありません。」
「皆さんセンター開きすぎです。ストレートを警戒しすぎてポジションが外よりです。アレーは捨てるつもりでセンターをまず固めてください。センターセオリーでボールを打っていればそうそうストレートは抜かれませんよ。相手がアレーのライン上に乗って打つときだけストレートを警戒すればいいです。インからアウトに打つとボールはまずサイドに切れます。それでラインを捕らえたショットは山を張って待っていても取れなかったとあきらめた方が良いです。ナイスショットと相手をほめればいいのです。それよりそのためにセンターが空くことの方が致命的です。ストレートはラインを割るかもしれないですが、センターはまず確実にコートの中に入ります。ストレートは穴があってもそこに打ち込むことはリスクがあります。ですが、センターが空けばそこはリスクなくボールを打ち込めるのです。相手に打たせるならリスクの高いほうのショットを打たせるのです。テニスは確率のゲームです。自分たちのミスを如何に減らして相手に如何にミスさせるか。そこを良く考えてください。そうすればおのずと導かれる結論は所謂セオリーとか基本とか言われるものになってくるはずです。」
「足が遅いからネットダッシュできない、だから並行陣にならずに雁行陣で戦うという人がいますが、それは逆ですよ。相手がロブを使いこなすペアなら、そして並行陣なら、雁行陣のほうが走らされるのです。だから負けるのです。たまに年齢層の高い方のダブルスを見ることがありますが強いペアは例外なく並行陣です。走れなくなれば雁行陣は出来ないのですよ。足が要るのは雁行陣なのです。年齢と共に足は動き辛くなりますよね。だからこそ並行陣でプレーするようにするのです。そのために、どうすればネットにつけるかを常に意識して置いてください。」

このコーチが言わんとしていることは我々が普段ダブルスの練習の中で漠然と無意識に行っている色々なプレーの意味を良く考えて、目的を意識して練習せよ、そしてそれをゲームに生かせ、ということであったかのように思う。技術的にはこれというコツがあったわけではないが、とても有意義なレッスンであった。

 

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