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第125房 「 ボレーの踏み込み足 」(2007/12/12)

 

ネットプレーの練習をした。ボレー8連打である。ワイドに大きく振ったパスを出すのでそれをショートクロスとストレートに交互に打つ。膝を意識して、コースに膝とラケットグリップを入れるようにしてボールを拾う。足ががくがくになるまで左右に振られる。オムニコートなので足を滑らせるスライドステップを使う。バックは皆上手くいく。左足を踏み出した後、右足を踏み込んで、クローズドスタンスで足をスライドさせバックボレーをする。フォアは皆上手くいかない。右足を出したら、右足を出したままスライドさせて、オープンスタンスのまま打ってしまう。
「踏み込まなくてはいい球を打てませんよ。ストロークのときは上体を捻っていますから、捻り戻しで、オープンスタンスのスライドステップでも打てます。でもボレーはスイングせず押すので、捻り戻しの回転運動は使えません。だから左足をコースに踏み込まして体ごとネットに向かうことが大事です。たとえワイドに振られてもです。」
といわれてもなかなか実践できる奴はいない。皆蟹みたいに横滑りしてフォアボレーを打ってしまう。これには研究が必要だな。

翌週のシングルスの練習も相変わらずネットプレー中心である。
まずはネット前での振り回し。左右に六球、厳しい球をひたすらボレーで打つ。
「二歩いります。二歩です。一歩のオープンスタンスで打ってはダメですよ。」
と今日のコーチはいつになく饒舌だ。
「ボールが飛んでいく方向側の足が出ますよね。そこでそのまま出した足をスライドさせて打ってはいけません。二歩目を出さないと。ボールが飛んできた方向の足を軸足にしてもう一歩、反対の足をボールに向かって出して足で打つんです。一歩だけだとオープンスタンスで打ってしまうことになるでしょう。ストロークでは体幹部の捻り戻しで打てますが、スイングしないボレーでは足で打たないと飛びませんよ。パスのほうに勢いがあれば面だけでかえりますが、勢いがないボールに対しては踏み込まなければ飛びませんよ。」
ダブルスではポジションキープが大事なので、ダブルスのコーチたちはオープンスタンスになっても良いからつなぎのボレーのときは動くなという。だが「シングルスにつなぎのボレーはないですよ。ボレーは全てウィナーを狙って打つんですよ。ファーストボレーも、その次も、さらにその次があったとしても、相手がいないところにひたすら打つんです。オープンコートにボレーを打ち続けるんです。踏み込んで打つんです。」とシングルスのコーチは言う。
ボレーとはいえ、六球連続振り回しはキツイわ。足が攣りそうだ。それでもコーチはだめだしする。
「皆さん、バックハンドは踏み込み足が出ているんですけどねぇ、フォアボレーの踏み込み足が出ていませんね。キム・クライシュテルスの開脚打ちリカバーみたいに体が伸びきっています。しかも当てているのに飛んでないじゃないですか。踏み込み足がないからですよ。意識して足を出してください。」
とさらにボレーの振り回しは続いた。
だが踏み込み足がなかなか前に出ない。オムニコートの上でスライドしない。いろいろ試行錯誤しているうちに踏み込み足を出すときに、体重を完全に踏み込み足に乗せてはいけないことに気づいた。後ろの軸足に体重を少し残しながら、前足を踏み込むのでなく、宙に浮かすくらいの感覚で前に滑り出すのだ。すると腰が前に出て上手く足で運ぶボレーができる。なんかボレーがいい感じになって少しうれしくなった。


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