第120房 「スタッタードステップ その2」(2007/09/27)
先日の試合の反省から今日もコーチは攻めと守りのメリハリをつけさせるべく、ひたすらボールを打たせた。左右の振り回しでボールをつないで6往復するドリル、左右の振り回し6往復の後に更にドロップショットを拾うドリル、センターからフォアハンドで左右の打ち分け6連打のドリル、そしてその後左右の打ち分け6連打の後にチャンスボールを叩くドリルをする。
次にネット、フォアハンドでストレートにアプローチしてパスをボレー、バックハンドも同じ。これを何度も繰り返す。
「常々言っていますが、ダブルスとは違って、シングルスのネットアプローチにつなぎのボレーはいりません。ボレーでラリーをしてはいけませんよ。アプローチを打ったらできるだけネットに近づいて一発で仕留めてください。」
「高い球を叩いてアプローチする時は姿勢に気をつけてください。叩くときは腰が高くなっています。その腰が高いままネットに突進するとミスしやすいです。ハードヒットした後に腰を徐々に沈めながら、視線をネットの高さにおろしながら、姿勢を低くしながらネットに近づいてください。」
ネットに近づくにつれてスタンスを両側に開いていき、腰が落ちていき、姿勢が低くなる。これをすることで体をストロークからボレーに切り替える。コーチが言っているのはスタッタードステップと呼ばれるものだ。
しかし、頭ではわかっているのだが、実際にはうまく行かない。特に反復練習でアプローチだけをしているときはいいのだが、試合でストロークのラリーを長く続けた後、ボールが短くなって叩いて前に出るときにこれを忘れて腰が高いままネットに出てしまいミスをする。その後1対1で更にゲーム形式からネットに出る練習をしたのだが、やはりラリーの後だとスタッタードステップを忘れる。コーチと1対1をした。コーチはわざとラリーの最中に短いボールを打ってアプローチをさせようとする。でも如空さんはうまく行かない。練習で出来なければ試合でも出来ないわな。
「如空さん、チャンスボールで慌てすぎですよ。打点に入って構えてから打ってください。それで十分間に合います。相手の動きが目に入っても気にしないで、逆クロス方向に肩を入れて一度止まってから打つのです。ためを作れば、相手の動きも止まります。オープンコートが出来ているから相手が戻りきる前に打とうという気持ちはわかります。でもそのために軸足も決まらず、打点も定まらず、肩もいれずに流れの中で打ちにいって結局打てずにいるでしょう。それならば、相手に追いつかれてもいいからしっかりとかまえていいショットを打ったほうが良いです。追いつかれた相手の返球を逆の空きコートに入れるのは次のボレーでやればよいのですから。」
「ボレーを打つとき、下半身の押し出しがなくて上半身だけ突っ込んでいますよ。腰を押し出すように前に詰めないと。特にクレーやオムニのように脚を滑らせることができるコートなら、スライドステップを使ってください。前にステップインしてボレー、打った後、ステップインした勢いを殺すのために脚を滑らせるのです。打点で止まろうとするから下半身がついてこず上半身だけ突っ込むようなボレーになるのですよ。腕でフォロースルーするのではなく、体全体が体重ごと前にフォロースルーする感じです。」
つまりはネットで落ち着きがないわけだ、如空は。ネットで居心地よくなるためには練習するしかない。そして試合でもリスクを背負って前に出て行くしかない。