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第109房 「肩甲骨でボレーしてみる」(2007/08/23)

 

夏のネットプレー強化期間の締めくくりに、夏休み最後のレッスンを取った。炎天下のコートの上で黙々とネットプレーに精を出す如空。でも、今日はなぜかボレーの調子が良くない。サーブの調子も良くなかった。ストロークだけはミスが少なくてよい感じだった。日曜日にシングルスの練習でいやというほどストロークを打った割にボレーをしなかっただろうか。

ストロークのミスが減っているのは自分でも良くわかる。スイングの時、グリップを振り上げているからだ。打点がどこであれ、グリップは下から上に、ネットよりも高く、自分の肩よりも高く、上に振り上げようと常に意識している。これにヘッドをグリップより下に落としたまま振り上げるとスピンがかかりやすく、ヘッドを立てたまま振るとフラットになりやすい。フラットとスピンの打ち分けの練習をシングルスの練習で何週間もやったので効果が出て来たようだ。特に如空の両手打ちバックハンドではスイングが横振りになりやすいので、ヘッドを落としてからグリップを振り上げることを意識しないとすぐにネットしてしまう。スピンを打ちつづけている限りはミスが減る。ネットを越えてラインの中に落ちてくれる。自分自身ベースラインで安心感がある。

それに比べるとネットでの居心地の悪さは相変わらずだ。ローボレーを打つときは腰を折らずに、背筋を伸ばして、腰でボールを迎えに行く。緩いボールが自分目掛けて飛んできたときは回り込んで、体をコースから外して軸足をコースに乗せる。フォアボレーは開いた胸を閉じる、バックボレーは閉じた胸を開く。とまあ、色々と考えてプレーしているうちは身についていないのだ。これらのことが無意識にできるよう何度も何度も繰り返し反復練習していかなくてはならない。やはり如空はベースラインでプレーしすぎてネットプレーの練習が不足しているのだ。

練習の後、何か数日前と感覚が違ってしまったボレーとサーブに悩みながら一人あーだこーだと素振りをしていて気づいたのだが、今日は背中が固かった。ボレーやサーブを打つ前に肩甲骨が上に上がっていなかったようだ。コンチネンタルグリップでボールを飛ばすには足で押し出すことともう一つ、肩の肩甲骨をスライドさせて押すという飛ばし方があるようだと最近漠然と考えるようになった。肩を回してしまうとラケットも回転してしまって面を押しだせない。ラケット面を維持しながら面を水平に押し出すには、肩を回してはダメで、上半身を固定しながら下半身で固定された上半身ごと押し出す。それ以外はグリップワークでボールの勢いを利用してストリングの弾力とボールの弾力で飛ばす方法しかないと思っていた。だが最近、フォアの時は肩甲骨を背中から胸の方向に、片手バックの時は胸から背中の方向にスライドさせることでラケット面を押し出せることにことに気づた。特に足で力を入れにくいハイボレーの時に良くわかる。フォアのハイボレーはよく「お鍋の蓋を閉じるように打つ」といわれるがあれは腕力ではなく肩を引いてから前に出すコツを言っているのではないだろうか。このとき左肩も一緒に出すと上手く肩甲骨がスライドしてくれる。顔の前で左掌に右手のグリップを叩きに行くような感覚だ。こうなると胸が閉じる。ボールが勢いよく飛んでくれる。バックハンドはこの逆である。

たまに「ボレーは肩で打つ」という感覚がわかるときがある。フォアボレーで左手の掌を上に向けて指をしっかりと伸ばしてボールのコースにその左手を乗せて、そこに右手のラケットも面を作ってセットする。そこで右の肩甲骨を引くのではなく、胸を閉じるように前に出しておき、そこからさらに前に肩を押し出す。すると肩甲骨が前にスライドして、面がボールを捕らえた時、腕を振っていないのに、厚い当たりになる。今日もそんな「たまに」ある日だった。練習のあと、肩甲骨の奥あたりが痒い様な筋肉痛を感じる。普段動かしていない筋肉を使ったためだろう。この感覚を常時感じられるようになりたいものだ。


この感覚が今日は感じなかった。背中が動いていなかった、肩甲骨がスライドしていなかったのだ。サーブもまたしかり。肩甲骨を上に上げてスライドしやすいようにしてみよう。これで上手くいけばまた面白いコツを見つけたことになる。忘れないうちにテニスをして試してみたい。


 

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