第106房 「回り込みのボレー」(2007/08/23)
最近のダブルスのレッスンはもっぱらスライスアプローチからネットへの展開である。短くてネットの高さより低いボールをスライスを使ってゆっくりと深く運んで、その間にするすると前に出て行く。今日はワイドからの展開だった。
「ワイドに短く落ちたボールを相手前衛に捕まらないようにしてクロスに深くスライスを打ってください。スライスを打つときの体重移動を利用してそのままネットにアプローチします。このときあまりセンターに詰めすぎないようにしてください。むしろセンターをやや明け気味にして相手からセンターに打たせるようにしたほうが良いです。そしてセンターに来たボールをデースコートからならバックハンドボレー逆クロス、アドコートからならフォアハンドボレー逆クロスで深く打ち返してください。このとき勢いあまって味方の前衛を追い越してはいけませんよ。ロブで頭の上を抜かれますから。後は壁になって我慢です。ローボレーをひたすら打ち続けます。ボールが浮いてきたら体をセンターに入れて前に踏み込んで叩きに行きます。開いているところにハイボレーで打ち込んでください。」
ネットに出るとき、センターを空けてワイドを体で塞ぐか、センターを体で塞いでワイドを空けるか、人によって意見の分かれるところであるが、このコーチは前者の意見である。球出しでまずは練習するが相変わらずバックのスライスがよろしくない、ネットかオーバーかで程よくネットを越えて深くライン上に落ちてくれない。グリップが悪いのだろうか。
球出しの後はゲーム形式2対2でひたすらこのパターンを練習する。コーチとボレー対ストロークになったとき、コーチはわざと強い球の後ゆるいボールを打ってネットの如空にボレーをミスさせて楽しんでいる。
「強い球と打つときとゆるい球を打つとき、まったく同じ動きでボレーをしているからですよ。」
とコーチは言う。
「特にボディに来たゆるいボールをボレーでミスしているでしょう。ボールを待ってボールの勢いを利用して打ち返そうとしているからです。強い球ならそれで返りますよね。でもゆるいときは足を使ってボールを運ばなくてはいけません。そのときは足を使って回り込まなければいけませんよ。」
回り込む?
「ストロークのときよくバックに来たボールを回り込んでフォアに打つでしょう。同じように自分に向かってきた緩いボールのコースから体をはずして軸足をとラケットをコースに入れるのですよ。そして軸足で体ごと前に押し出すのです。緩い球でブロックボレーと同じように打っていてはだめです。」
素直にコーチの言うとおり足を動かして回り込んでみるが、まあしんどいこと。足がつるかと思った。確かにこの打ち方だと緩くてもいいボレーが返せるが、それを一試合続けるつ足がもたなくなるな。フィジカルが大事ということか。せっせと練習して体力も筋力もつけなければ。