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第092房 「黙々とサーブを打つ」(2006/05/13)




友人がコートをニ時間取ってくれたので、仲間内でダブルスをすることになっていた。その前の時間に、空きコートが偶然見つかったので、「連休の贅沢だ」と一人でコートを占有して黙々とサーブを打った。レッスンではまとまってサーブを打つ時間をなかなか取れないので、普段考えていることを色々と試してみるために時々こうして一人でサーブを打つ。男友達は「お。一人でいっぱいサーブ打つのか、いいな。」という。女友達は「コートに一人でサーブ打っていて寂しくないの?」と聞く。外野の声を気にせず、黙々とサーブを打つ。

トスが乱れるときは膝を伸ばしたままトスアップしたときである。サーブの癖は人それぞれで、トスを上げてからラケットを担ぐ、トスを上げてから膝を曲げるタイプの人と、トスを上げる動作とラケットを担ぐ動作と膝を曲げる動作を同時にするタイプの人といて、どちらが正解というわけではない。それぞれのやりやすい方でやればよい。如空の場合は全てを同時にスタートさせるタイプなのだが、前足の膝だけは疲れてくると棒立ちになって、そのままトスを上げてしまうことが多くなる。そうなるとトスが乱れる。最近そのことに気づいて、トスを上げるとき、疲れているときでも膝を軽く曲げる動作をしっかりと確認しながらトスを上げるようにしている。これで大分疲れてからのトスの乱れ・トスの上げ直しがなくなった。

サーブをたくさん打つと、徐々に肩が柔らかくなって肩甲骨の下に隠れたインナーマッスルと呼ばれる小さな筋肉がバネになって肩甲骨がスライドするのがわかるようになる。毎日これを続ければ肩の使い方が理想的な、強くて柔らかい肩が出来上がるのだろうが、今の生活ではそれはのぞめない。なにか室内で簡単にこの肩甲骨をスライドさせる練習ってないものだろうか。とりあえず野球選手の真似をしてタオルを背中でまわして投球フォームの素振りでも習慣化してみようか。ちなみに二時間もサービスを打ち続けた後の翌日は、右肩の肩甲骨の裏が痒いというかくすぐったいというか、筋肉を伸ばせば気持ちよいのだろうが関節の下に隠れているのでそこの伸ばし方が解らないという、奇妙な筋肉痛になる。

その肩甲骨のスライドが使えるようになると腕を回外・外転方向にねじってから肩甲骨を後ろから前に、下から上に引っ張り上げると自然と腕が回内・内転してくれる。この状態を試合でサーブを4球打っただけで作らなくてはならない。毎日練習をしてなければそんなことは不可能だ。だから強くて柔らかい肩を使って打つ男性的なサーブより、良く女子のジュニアが打っている、背中でラケットと肘から先を回転させて、肩のばねでなく遠心力を利用して打つサーブの方が週末プレーヤーには向いているのではないかと考えたりもしている。

さて、腕を回外・外転方向にねじってから回内・内転させる。この腕を回内・内転させるために逆方向の回外・外転方向にねじっておく動作だが、これもまた疲れてしまうと腕が外側にねじれず回内・内転状態のまま腕を振ってしまってミスをすることが多くなる。腕を外側にねじると三角筋の前方(腕の付け根の筋肉の前)が上に向く。この状態から打ちに行きたいのだが、ラケット面と掌を地面に伏せてトスアップとラケットの担ぎ上げを行うと、腕は回内・内転状態のまま、回外・外転方向にうまくねじれてくれないときがある。疲れてくるとそうだ。調子の良いときはこの腕のねじりを回内・内転→回外・外転→回内・内転とタイミングよくねじるのが、調子の悪いときはこのねじりのタイミングが上手く合わない。その原因はなんだろうと長らく悩んでいたが、つい最近、昔のコーチの言っていたことを思い出して原因をつかんだような気がする。
「サーブというのはトスアップしてラケットを担ぐまでは横向き。そしてそこからラケットを背中に残したまま胸を正面に向ける。すると肘が前に出て、ラケットヘッドが落ちる。そして背中に残したラケットを前に引っ張り出す。それがサーブのスイングです」と彼は言っていた。
そう、ラケットを担ぐときはまだラケットを握る利き腕は回内・内転方向にねじれていて、この背中にラケットを残したまま肩を回して肘を肩の上に突き出すときに回外・外転方向にねじれるのだ。このときに三角筋の前が上に向くまでねじられる。そこから前に一気に振りぬけば鋭いスイングでサーブが打てる。このことに気づいてからスカ打ちが少なくなった。サーブでも当たりが厚くなった。今まで前に振りぬけていなかったのだ。当たりが厚くなると回転がかかり難いという人がいるが、如空はあまりそれは感じない。肘を上に突き出した後、頭の上で肘から先を下から上のワイパースイングしてやると厚い当たりでかつ回転がかかってくれる。

二時間もサーブを打ってからダブルスに参加したので、かなり疲れていたが、それでもラケットを背中に残して肩を正面に回して肘を肩の上に上げる打ち方で、かなりゆったりした、しかし、ボールは厚いあたりで飛んでいくという、いい感じのサーブが打てたので、サーブは良く入った。問題はネットプレーで、疲れが足に来て反応の悪いこと。ネットより高い位置で打てるボールを叩けなかった。構えるのが遅いのだ。疲れていても無理やりスプリットステップを踏む癖をつけないと。

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