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第090房 「3手先を考えていますか?」(2006/05/13)

今日のダブルスの練習は、事情があっていつものコーチではなく、何年も前から良く知っている女性コーチである。彼女のレッスンを受けるのは久しぶりである。
最初のウォーミングアップでミニラリーをする。コーチの指導で最初はボールをバウンド後に落として打つラリーをする。次にハーフボレーで打つラリーをする。そして最後にライジングと落として打つ打ち方を織り交ぜて打つ。「ショートラリーでも続けることが出来ないのは一つの打点、一つのタイミングでしか打てないからですよ。落としても打てる、ライジングでも打てる、どちらも打てるようにならないとミスがなくなりませんよ。」
彼女のレッスンはちょっとしたコツを気づかせるためにちょっとした工夫を随所に織り交ぜて、レッスンに飽きないように、かつ技術的に上手くなるようによく考えられている。

練習のメインメニューはひたすらクロスでボレー対ストローク。ロブ禁止で一対一のポイントの取り合いである。
「球出しをしたら、即一対一の勝負ですよ。相手を動かして、空いたスペースにボールを入れる練習です。ラリーを続ける練習をしているわけではないのですよ。ポイントを取ることが目的です。一度や二度いいショットが打てたからって、そんなところで満足感に浸らないでください。ポイントを取って終らせることが目的です。続けることは目的ではないのですよ。」
「ストローク側は、深い球はライジングで返してベースラインから下がらない。短い球は打点を前にして踏込んで落として打ってすぐにベースラインに戻る。ポジションキープを意識してください。その上で出来るならボレーヤーにローボレーをさせてください。ネット側は、相手を動かしてください。動かすためにはコースを変えるのですよ。」
「皆さん、ボレーのラケットを振り過ぎです。ラケットを引くから振ってしまうのです。肘を前に出して、スイングで飛ばすのではなくて上から下にぐっとボールを押さえることで飛ばすのです。ゆるいボールを飛ばすときは足で勢いをつけるのです。その時、足を前に出そうとしても勢いはつきませんよ、腰が引けてしまって上体が突っ込むだけです。後足で地面をけって腰を前に押し出してください。そうするとラケットを振らなくてもゆるいボールを叩けますから。」
「ネット際にボールが落ちれば、次に来るボレーはアングルに短いボレーです。それを予測して拾いに行く準備をしておかないとやられますよ。」
なかなか、ボレーがストローカーを動かすところまで行かない。しっかりとボレーを打ちながらコースを変えるって難しい。

最後にゲームをしたが、そこで左利きのサーブに手こずった。ディースコートのリターンに入ったとき、一発リターンでストレートを抜いたが、コーチはすかさず「今のはただ振り遅れただけでしょう。」と突っ込む。はいそうですと如空は素直に認める。
「ボールはスライスサーブに限らず、サーブ・ストローク・ボレーも縦だけでなく若干横方向の回転がかかっているものです。それが左利きだといつも慣れている右利きのボールと逆方向にかかっているので、フォアハンドでボールを打とうとするとちょっとだけ内側に食い込みがちなボールを打つことになります。だから自分が考えているより少しだけ外側、つまり右にそれやすくなるんですよ。まして左利きのスライスサーブをフォアでリターンしようとするのなら、ストレートに打つときはクロスを狙って、クロスにリターンするならショートクロスを狙って打たないと、思った方向に飛ばないのですよ。」
「ついでに言うと、左利きのサーバーのペアは、リターンが右にそれやすい、つまり自分の方向にボールが飛んで来やすいということを頭の片隅にとどめておく必要があります。左利きのサーバーがいいサーブを入れているのに、前衛が決めてくれないんだというシーンが良くありますが、それは前衛にその心構えがないからです。左利きのサーブを右利きがリターンするときは前衛の方にボールが飛びやすいということを覚えておいて、それに備えておくことです。」
彼女のレッスンはいつも実に学ぶべきことが多い。

レッスンが終って引き上げるとき、コーチが如空に言った。
「如空さん最近試合で勝てていますか?」
いえ、ダブルスもシングルスも連敗が続いています。
「如空さん、ゲームの時、3手先を考えてテニスしていいないでしょう」
・・・・なんですかいきなり。
「練習では色々な展開をうまく使えているのに、ゲームになるとその場その場でとりあえず来たボールを打っているだけのように見えるんです。」
・・・・・そうかもしれません。
「それでは試合に勝てませんよ。技術的にいくら上手くなっても、来たボールを打ち返すだけでは試合には勝てません。勝てるのは相手が自滅するときだけですね。」
「セルフジャッジですからボールのイン・アウトに注意が行きやすいのわかるのですが、ボールがバウンドするたびに「入った」「出た」と一喜一憂していては初心者のままです。技術が上達して、強くて速いボールが打てるようになっても、ゲームの内容そのものは初心者のままです。」
「練習の時は展開もいろいろ考えているのが良くわかるのですが、ゲームになると相手の事情に関係になく、とにかく自分がいいショットを打つことだけに専念しているでしょう。だからゴルフの打ちっぱなしのように一本打ったらそこで終わり、はい次のショット、って。打つごとにリセットしてしまっていて、プレーがつながっていないんですよ。それでもポイントはたまに取れますよ、手の届かないところにいい球が行ったり、それで相手がミスしてくれたりしたら。でもそれは偶発的な出来事で、意図的にポイントを取ったことにならないでしょう。テニスは連続してポイントを取らなければゲームは取れないスポーツですからね。連続してポイントを取るためには意図的にポイントを取れるようにならないと。そのためには一打一打リセットするのではなく、プレーをつなげないと。」
「自分がここにボールを打ったら、次の相手のボールはここに来る、だからそこで予想通りにボールが来たら次はこれを打とう、って3手先を考えてテニスをするということはそういうことです。」
「練習で上手く打てているのに試合でミスするのはメンタルが弱いことだけが原因ではないですよ。次のプレーを予測していないからです。たとえば練習では打てているスマッシュが試合では打てない。ネットに出ますよね。アプローチを打ったとき、次に相手が打つのはパスなのか、ロブなのかそれを見極めながら前に出ていますか。パスだろうがロブだろうが何も考えずにネットに突進しているだけではないですか?そこでロブを上げられて、それで心の準備が出来ていないので、構えが遅れてスマッシュをミスする。それはメンタルの問題だけですかね?。練習で上手く打てるのは次に打つ球が何かを決めているからだというでしょう。であれば、試合でも練習と同じように次に打つ球が決めていればいいのですよ。相手が何を打つかわからないので全てに対応する準備する、なんて不可能です。それは何も準備していないのと同じです。相手が何を打つかを予想してください。そうすれば次に自分が何を打つか決められます。そして自分の打ちやすい球を相手に打たせるためにボールを打つ、所謂「作り」のショットとはそういうボールを打つことです。そうすればミスも減ります。相手に自分の想定の範囲内でプレーさせることですよ。そうすれば次に自分の打つボールを決められる。心の準備をして相手のボールを待てる。練習と同じように打てる。ミスも減るんです。」

3手先まで考えてプレーするとはどんなコーチも言うことだし、あらゆる技術書にも書いてある。でも実際にそれを実行することは今の如空には出来ていない。ゲームのとき、それをするだけの余裕がないのか、あるいは性格が自己中心的で自分のことだけ考えていないのか、原因はよくわからない。でもそれが出来るようにならなければ勝てないということは良くわかる。だけどなあ・・・・意識して変れるものだろうか?悩みが尽きない春の日の夜だった。


 

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