テニスのお寺  電脳網庭球寺

 

山門

講堂

夢殿

僧房

経蔵

宝蔵

回廊

雑記

 

講堂

 

 

 

第089房 「ロブボレーからの展開」(2006/05/13)


「今日はロブボレーです」とニコニコしながらダブルスのコーチが言う。
「パターン練習でダブルスの形式を覚えてもらいます。並行陣対並行陣でボレー合戦をします。クロスのローボレーのつなぎ合いから、片方が前に出てください。一人で縦にポーチに出るような感じでネットに詰めるのです。並行陣対並行陣のボレー合戦でローボレーのラリーが続くような状況では、思い切って前に飛び出すのも攻撃の選択肢のひとつです。どんな低い球でもネットを越すときはネットより高いところを通るのですから、そこでボールを叩いて決めるのがひとつのパターンです。」
「今日はそこで決める練習でなくて、前に詰めた人のボレーが相手に拾われた場合からの展開です。ここでもう一度前に詰めた相手にボールを返すと今度こそ決められてしまいますね。でも、この縦ポーチの詰めは動作が大きいので冷静に相手を見ていれば予測できます。『あ、相手が動いた』ってね。強いボールに対しては身構えて体が固まってしまいがちになりますが、そこで固くならずに面を柔らかく使ってロブボレーを使いましょう。相手は決めようと前に突っ込んできているので、そんなに高い軌道でなくてもロブは抜けます。」
「抜かれた側は前に詰めたボレーヤーのパートナーがロブを拾いに行きます。抜かれたボレーヤーはそのままサイドチェンジです。ロブを拾いに行って追いつけたら、そこからの展開は自由です。ロブをあげ返すなり、ストレートにパスを狙うなり、クロスでラリーを始めるなり、好きにしてください。」
「ロブボレーで抜かれたとき、抜かれた側のパートナーがボーっとその様を見ているだけのことが多いのですよ。でもロブボレーはストロークからのロブほど勢いがないので、走れば追いつけることがよくあります。パートナーがロブボレーを抜かれたらサイドチェンジしてロブを追う癖をつけてください。」

如空たちのレベルでは、並行陣対並行陣のボレー合戦でローボレーの打ち合いが続くようなハイレベルな状況にはまずならないのですけど・・・・・などとたわごとを言っている間に練習が始まる。みんな足が思うように動かなくて最初の縦ポーチがうまく詰められない。「もっと低く入って」とコーチに何度も注意される。ロブボレーは確かにストロークからのロブよりも勢いがないので追っても追いつくことは追いつくが、そこから選択肢がいろいろありすぎてかえって悩んでしまう。けど試合ではここに至るまでの間に、どちらかがミスして終わってしまうのが現実だ。こんなハイレベルの形式を使えるような日が来るのはいつのことか。


 

戻る