テニスのお寺  電脳網庭球寺

 

山門

講堂

夢殿

僧房

経蔵

宝蔵

回廊

雑記

 

講堂

 

 

 

第085房 「ロングボレー」(2006/05/13)

 

今日のダブルスの練習はロングボレーがテーマ。サービスラインの後方からボレーをしてベースラインの相手とラリーをする。夜に雨が降ったらしく、オムニコートが湿っている。バウンド後のボールは伸びてくれない。ただでさえ長い距離のボレーなのに、コートがそんな状態なので、ボールにかなり勢いを与えてやらないとベースラインまで届いてくれない。
「如空さん、ボール伸びていませんよ。ベースラインまで届いていませんよ。ドロップボレー打っているんですか。」
とコーチが嫌味を言いながら如空のロングボレー(もどき)をベースラインで受けてくれている。
「距離を出すのためにラケットを振ったり、グリップの強弱で飛ばそうと思ってもだめですよ。時にうまくいくときがあるかも知れませんが、それでは安定しません。足ですよ足、腰を落として下半身全体でボールを運ぶのです。ボールに腰をぶつけに行く感覚ですかね。今の打ち方は止まりながら打ているというか、止まったまま打っているというか、とにかく前への体重移動が伴っていないのです。もちろん、動きながら打ってはだめですけどね。」
止まってもいない、動いてもいないって、どんな状況なんですか。
「後ろ足のかかとを地面につけて後ろ足で腰から上を前に押し出しているような感じです。」
つまり足を踏ん張って体重移動している状態って感じですか。試してみよう。
スタンスを広く取って、面を作ってボールのコースにいれて、当たる直前・当たった瞬間・当たった直後に腰を後ろ足で押し出す。フォアはいい感じになってきた。でもバックがうまくいかない。どうにも腰が折れてしまう。フォアのときの後ろ足である右足のひざはよく曲がるのだが、バックの時の後ろ足である左足が曲がらない。というか体重が乗っていない。右足に体重が残っていることが多い。それで体重移動できずに、面だけ前に出そうとしてつんのめる格好になっているらしい。バックのときは左足に体重を乗せるように癖をつけないといけないな。

このロングボレー、どこで使うかというとミドルコート、以前は絶対に「そこに立つな」といわれていたベースラインとサービスラインの間の別名「デッドソーン」である。しかし、最近はあまりデッドゾーンと呼ばれることがなくなっているように気がする。初中級レベルのダブルスではボールが短くてここに立って打つことが多いし、ネットへいたる過程で足の遅い人はここでボールを一度二度と打たされる。中途半端なロブでミドルコートまで戻されてここもベースラインまで戻らずに、ここでプレーして再びネットにきたければロングボレーで対応しなくてはならない。上級者のダブルスならなおのこと、リターン以外はボールをコートに落とさない究極のボレーボールでガンガン攻めてくる。攻守一体の平行陣の展開に、ロングボレーは打つ機会は少なくても欠かせない技術である。
低いボレーはロングボレーで、浮き球はドライブボレーで打てればミドルコートでも無敵なのだが、そこにいたるまでの道程は果てしなく遠い。


戻る