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第070房 「ボディを突かれた時のリターン」(2006/05/13)



ダブルスの練習はリターンの強化。コーチがサービスライン付近までコートの中に入ってきて、そこから打つサーブを返球する。コーチはかなりゆっくり打っているが、距離が近いのでスピードが速い。「スプリットステップを踏んでタイミングを合わせないとレシーブできませんよ。」とコーチが叫ぶ。ステップを踏むことが目的ではない。最初の一歩をタイミングよく出す、そのための準備がスプリットステップだと言う。フォアにくれば右足、バックにくれば左足をとにかく前に出す。ラケットは引かない、代わりに上体をターンさせる。ボールを面でとらえて押し出す。とまあ、コーチの指導とおりに行けばよいのだが、その通りに体が動いてくれない。特にフォアバックどちらに来てもよいように構えるとどうしても一歩が遅れる。体が覚えるまで反復練習あるのみである。ちなみにフォアはラケットをどうしても引いてしまいがちである。これを防ぐためにフォアのとき脇を締めて右肘を脇につけるようにしている。そうするとリーチが短くなるがボディーターンをせざるおえなくなるのでラケット引きすぎによる振り遅れがなくなる。いい感じなのでフォアリターンはこれでしている。

ところでフォアかバックかとサーブを待ち構えているときにボディーに打たれるとなかなか反応できないものだ。余裕があれば回り込んでフォアで打ちたいところだが、不意を突かれて初動が遅れると回り込めない。こういうときは片手のバックハンドでブロックするしかない。ローボレーの要領でボールの下に面を滑り込ませると程よくスライス回転がかかっていい感じでネットを越えてくれる。とっさにこの片手ブロックリターンをするためには左手をラケット面に添えておいて右手のグリップをニュートラルにしておかないとできない。少なくとも如空の場合、サフィンやヒューイットのように両手とも厚くグリップを握ってレシーブを待っているととっさに片手のスライス面が作れない。多くの片手打ち選手のように面に左手を沿えて左人差し指で面のストリングを感じさせておかないとコンチネンタルグリップでの処理が上手くできない。だがこの構えだと速いサーブに対して両手バックの面を作るのが今度は上手くいかなくなる。フォアはどんな構えでもすぐにグリップをチェンジして面を作れるのに、バックはどうしてこうも不器用かね。仕方がないのでバックは片手のスライスブロックリターンを主体にして、準備する余裕のあるときだけ両手で打つようにしようと最近考えるようになった。ただ、ボディに不意を突かれてスピンサーブがキックしてきたらどうしようもない。如空は低いボールをスライスで打つことはできるが、高くバウンドしたボールを打つことは片手でも両手でもスライスでも苦手である。だからバックでは打てない。フォアに回り込みたい。が初動が遅れると動けない。ボールがゆっくりと目の前で跳ね上がるのを見ているだけと言うときが良くある。「それは技術の問題でなく、心構えの問題です」とコーチはいう。「速いボールには早く反応し早く動けるものです。しかし、速いボールを待って緩いボールが来ると反応も動きも遅れやすくなります。人間の反射神経とは生理的にそうなっているのでしょう。だからボールが速かろうが遅かろうが関係なくすばやく動くのだ、と意識して待つ必要があるのです。」
そういう意識をもって待っているつもりだが、反れでも動けない如空はどうしたらよいのでしょう。意識の持ち方が違うのでしょうか。


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