第066房 「空気椅子に座る」(2006/05/13)
「皆さん、ネットで左右の揺さぶりは結構ついていけています。しかし、上下・前後・緩急の揺さぶりに弱いですね。ローボレーの後のハイボレー、深い球の後の短い球、強い球の後のゆるい球、こんな配球が来るとすぐにミスする。足が地に付いていない感じです。腰が据わっていないんですよ。皆さん、姿勢を低くするのはいいですが、腰を折って、猫背になっています。腰を折らずに伸ばして、スタンスを広げて、腰の重心そのものを下げるのですよ。背筋は伸ばしたままです。この状態で腰を押し出すようにしてボールを拾うんです。低いボールも、短いボールも、ゆるいボールも、サボらずに腰を落として重心を押し出すのです。椅子に座ったままボレーを打つ感じです。では実際に椅子に座ってみましょう。」
といって、ダブルスのコーチは我々にコート脇のベンチに座らせてボレーをさせる練習を始めた。ボレーはタッチでボールを飛ばせるので座ったままでも結構ボールは飛ばせる。問題はネットの前で椅子に座った姿勢でボレーをさせられたときだ。タッチで飛ばない、手打ちではボレーが飛ばない。腰を伸ばしてお尻を突き出す、俗に「空気椅子に座る」と呼ばれる姿勢である。これでボレーすると腕が動きにくく、体全体でボレーを運ばないとボールが飛んでいかない。窮屈だ。この姿勢で一試合するのはつらいな。でも窮屈なおかげでラケットを引きすぎて打点が食い込まれることがなくなった。「セット&ムーブ」、姿勢を作ってから動け。ネットプレーでよく言われることだ。窮屈でもこの方がミスは減るかも知れない。また試してみよう。
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