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第064房 「片手打ちの衝動」(2006/05/13)


ある日突然バックを片手で打ちたくなる。時々そういう衝動に駆られる。そのままバックを片手に変えるようなことはないのだが一年のうち何度かそういう日がある。今年は今日がその日だった。

バックを片手で打つと打点を前に取れる。フォアと同じ打点で打てる。あまり深いところに速いボールを打つ相手ではないときは如空の片手バックでも十分テニスが出来る。ただリターンだけは片手だと面が負けるので両手でリターンした。程よい回転でムーンボールを打つときは両手よりコントロールがよくなる。打ち返しにくいバックに高く弾むボールも、なぜか如空の場合片手の方が上手く返球できる。両手打ちはやはり打点の幅が狭いことが改めて感じる。しかし、威力はない。食い込まれるとネットにかかりやすい。本当は両手と併用するのが良いのかも知れないが、コーチは口をそろえて「それはやめておけ」という。打点の入り方、フットワーク、腰と肩の回転の使い方が違うので上手く使えないという。ならスピンとスライスの併用は問題ないのですか、あれも打点・フットワーク・腰と肩の使い方が違う、と突っ込みたくなったがやめておいた。

如空の場合、片手打ちだとリターンと速くて深いボールを上手く裁けないので試合ではあまり使えない。安全性と合理的な理由、そして好きな選手の多くが両手打ちという理由で両手打ちにしている。でもシングルスの試合に出るようになり、シングルスの練習をするようになってから、左に来たボールもフォアで極力回り込んで打つことが多くなった。強打はフォアで打つ、という方針なのであれば、バックは強打できなくてもつなぎでOKのような気もしている。速い球やサーブに対するレシーブでスライスをもっと効果的に使えればバックが片手だろうが両手だろうがそれほど気にする必要がなくなるのだろうが、如空はなぜかこれが上手く出来ない。

ダブルスの練習ではいいサーブにストロークはハードヒットという相手が多かったので片手バックの面が負けることが多かった(振り遅れて打点が食い込まれている状態)が、その後の仲間内でのゲームではみんなそれほどボールが深くなかったので片手で十分対応できた。バックを片手にするとフォアの打点もあわせて前になるのでフォアの調子も良くなる。たまの片手打ちも良いものだ。


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