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第061房 「Wの法則」(2006/05/13)

 

「ネットの並行陣対並行陣には『Wの法則』って言うのがあるんです。」
といつもニコニコしている若いダブルスの新コーチは言う。
「並行陣のボレー合戦は展開が早いので配球を考えているひまなどありません。そこで原則を作ってひたすらそれを続けるんです。原則は『センターに来たボールはセンターに返す。ワイドに来たボールはワイドに返す』です。センターに返すことはわかりますよね。センターセオリーです。センターから角度をつけてワイドに無理やり持っていくとセンターに体を残している状態なので、相手から見るとワイドが空いているのです。これがワイドに来たボールはワイドに入れると言うことです。オープンコートが空いているにもかかわらず、ワイドに来たボールをセンターに戻してしまう人が多いんですよ。これは理由があって、ボレー合戦の早い展開ではコースを変えることが難しいからです。とりあえず反応して面を合わせるだけではボールは飛んできた方向と同じ方向に打ち返されるだけです。センターは同じコースに打ち返せば言いのですけどね。ワイドに来たボールをワイドに返すにはコースを変えなければなりません。内側から外側に来たボールをさらに外側に打つかダウンザラインで打つ必要があるからです。ワイドに来たボールはチャンスなんですから意識してコースを変えてさらにワイドに打ってください。これが出来るようになるとボールの配球が上から見てWの文字をなぞるコースになります。これが『Wの法則』です。」

この『Wの法則』 を身に付けるために3対2でボレー合戦をする。3人側はセンターに一人、両アレーに一人づつ入ってWの文字の上の3点に位置する。Wの法則を実践するのは二人組の並行陣側で、3人組のセンターに入っているコーチとセンターセオリーでボレー合戦をしながら、コーチがワイドに打てば、それをさらにワイド目掛けて、つまりアレーにいる相手に目掛けて打つと言う練習である。
ワイドに来たボールをさらにワイドにふるって、クロスに入って来たボールをアレー目掛けて逆クロス方向に打たなくてはならないじゃないか。これは意識しても難しいぞ。如空を始め、皆なかなか上手くワイドに入れることが出来ない。戦術を教わってもそれを実現する技術が伴っていないのだ。もっと地味にボールのコースを変える練習をしなくては。

 

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