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第053房 「ポイントはグリップではなくリスト」(2006/05/13)

 

「ボレーのグリップと言うのは握力で固めるのではないのですよ。手首で固めるんです。グリップ自体は少々ゆるめで、掌に隙間を作らずに、掌と指全体でグリップに接触する面積が最大になるように手を当ててください。強く握る必要はありません。タッチは握力で調節するのではありません、リストの固め具合で調節するのです。」
これまた難しいことをコーチは言う。
ダブルスの練習でのコーチのとのボレーストロークのときである。強い球が続くとき、ゆるい球が続くときは上手く対応できる。しかし、強い球のあとのゆるい球は足が出ない、そしてゆるい球のあとの強い球はガチャボレー、そんなことを繰り返しているとコーチが近寄ってきて如空にこう言う。
「小指から握ろうというイメージを実行しようとしていることは認めます。しかし、それはゆるいボールにスライスをかけて長く打つときに有効なのであって、強い球をブロックするにはむきません。そして今度は強い球を打ち返すべく、グリップを強く握ったままゆるいボールを待つと、体が固まって足が前に出ないのです。ブロックボレーをした後のロブなど最悪です。グリップを強く握ったままボールを見上げているので足は動かないわ腕力でラケットを振るわでスマッシュが打てなくなってます。」
といいたい放題言う。
「グリップの力を少し抜いてください。そのかわりに掌とグリップの間の隙間を埋めてください。そして手首をリラックスさせて構えてください。そうすれば余計な力が抜けて動きやすくなります。ゆるい球が来たら足で運んでボールを押し出してください。強い球が来たら、面をコースにセットして手首を固めてください。グリップをぎゅっと握るのではなく手首を固定するのですよ。そうすれば面がボールの勢いに負けることなく、しかも微妙なタッチのコントロールが出来るようになります。ロブが上がったら手首を緩めてスマッシュの構えをしてボールを追ってください。グリップを緩めるのでなく、手首をゆるめるのですよ。手首を緩めてスイングすればきれいにボールの頭を鞭のようにラケットで叩けます。」
このアドバイス、フォアボレーでは絶大な効果を現して、ボレーが安定した。しかし、残念ながらバックは安定しなかった。これはアドバイスが悪いのではなく、バックハンドストロークを両手で固めて打つ如空には上手く片手のバックで手首を固定したり緩めたりすることが出来なかったからだ。まだまだ修行が足らない。

レッスンの後に仲間とダブルスのゲームをする。先ほどの練習で手首の脱力と固定を意識したことがストロークに意外な効果を現した。今まで漠然とフォアのスピンが良くかかる日とかからない日があるなあと感じていたのだが、あの感じは手首の柔らかさに原因があったのだ。スピンの好くかかる時はテイクバックで手首を緩めてから降り始めているので、ヘッドが柔軟に走っているのだ。スピンのかかりが悪い日は手首ががちがちに固まっていてボールがフラットにしか飛ばなくなっていたのだ。それに気づいたので今日はスピンとフラットを打ち分けてフォアつ打ったのでストロークは絶好調だった。問題はバックハンドで、こちらは手首を緩めてもラケットが鞭のようにしならず、ふにゃふにゃになってしまうのであたりが薄い。フォアのようにズバッとスピンを打てないものか。研究がまだまだ必要だ。

 

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