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第034房 「蟹になれ」(2005/10/20)

 

「いいか、ネット対ベースラインの攻防においてベースライン側のキーポイントはポジションキープだ。」
と、例によってコーチの演説でダブルスの練習が始まった。
「あなた方はよく、深い球を捌くのに、後ろ足だけを一歩下げて後ろ足重心でライジング処理する。そして、その場にとどまったまま、次の球のスプリットステップをする。そして短いボレーやアングルボレー、ガチャボレーを打たれて、それを拾えずポイントを取られてしまう。」
「あなた方はよく、短い球を拾うのにクロスステップで前に走り、前に体重移動しながらボールを打ち、その場で振り切って止まり、その場で次の球のスプリットステップをする。そして深いボレーを足元に打たれて、ポイントを取られる。『デッドゾーンに立ってはいかんわ』と独り言を言いながら。」
「打ったらすぐにもとの場所に戻れ。後ろに下がるときに一歩で下がるな。必ず両足を動かせ。ダブルステップで後ろに下がれ。そして打ったらすぐに元の位置に戻って、そこで次の球のスプリットステップをしろ。前におびき出されてもネットに出ないならすぐに戻れ。打ったらすぐ戻れ。スプリットステップする場所はいつも同じ場所だ。ポジションキープだ。ポジションをキープしている限り、ミスはしない。ポイントはとられない。」
「下がるとき、前に出るとき、戻るとき、頭を上下に動かすな。視線の高さを固定して動け。腰を横に向けてサイドステップで前後を移動しろ。そうすれば移動とスイング、そして戻る動作がスムーズになる。ベースラインでは蟹になれ。いいな。」

というわけで、ベースラインで蟹になる練習が始まる。短い球、深い球、バックにフォア、前後に振られる中、蟹になってサイドステップで前後に動く。
下がって打って前に戻るほうは意識すればできるのだが、前に出て打って後ろに戻ることは意識してもなかなか試合中できないものだ。特に相手の切り替えしが早くて、こちらが戻る途中で打たれるとまずボールは取れない。そうなると戻ることより相手が打つときには止まることを意識して、結果としてコートの中でとどまったまま深いボールをうたれてしまう。打ってからのフットワークに工夫が必要なのかもしれない。

最後にゲームを少ししたが、今日はフラットサーブがことのほか調子がよくてサービスポイントを量産できた。トスアップの時、ラケットも同時に担ぎ上げていたが、最近思うところがあってトスを上げてからラケットを担ぎ上げるようにしている。これがよい感じである。こちらのほうが肩の入れ替えがうまくいき、ひじが高く、そして打点が高くなる。結果、コントロールも威力もよくなる。実にいい感じである。後は回転系のサーブを打つときにもう少しコントロールがよくなるとよいのだが。





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