第015房 「センターへのローボレー」」(2005/05/06)
今日は終始、コーチにボレーのフォームについて懇々と説教された。
「上体が倒れています。首が折れて顔が曲がっています。ラケットが立っていません。ネットでバタバタしすぎです。腰を落として、上体と顔を常に真っ直ぐ立 ててボールに会い対してください。視線が傾いているのでボールが見えていないです。うまく打てている時はまぐれです。だからネットで安定しないのです。 もっとボールを引きつけてスイートスポットに当てることに集中してください。打点を前にしようしているのは分かりますが、足がついていっていないです。だ からラケットだけがボールを迎えに行って体が倒れるのです。腰ごと、重心ごと前に出なければいけません。しかしダブルスで繋ぎのボレーはポジションをキー プすることが大事なのでむやみに前に出てはいけません。そのためにローボレーを練習するのです。ネットにべた詰めしていればボールはネットを越えて来るの ですから全てミドルボレーで打てます。しかし、それは決めのボレーで繋ぎのボレーではありません。顔とラケットとの距離をとってみてください。そしてボー ルと顔の距離も空けてみてください。うまくいくはずです。」
初 心者の頃に言われていた欠点がまた指摘されるようになってしまった。いかんいかん。初心に戻って地味にローボレーの練習をする。最近スライスをかけようと してラケットを振りすぎていたようだ。ローボレーは「シュルシュル」と空中をすべるようにベースライン深くへ飛んでいくものだ。それをストロークの突き球 と同じ厚い当たりの鋭いボールを打とうとしてフォームが崩れていた。原点に戻る練習をする。
こ のコーチ、ショートラリー以外はストロークもボレー対ストロークも全てクロスで練習させる。「テニスはクロスに始まりクロスに終わる」が彼の持論だ。スト レートでのボレ・ストの練習に慣れてしまうとボレーヤーはネットとの距離で打点を調整してしまう癖がつく。これがまずい。クロスでのボレ・ストはストロー クラリーでのクロスより角度が付くので、相手におへそを向けて正対するとネットに斜めに付く格好になる。そのため、センター側のネットはワイド側のネット より遠くなる。何を当たり前のことを言っているのかと言われそうだが、これがポイント。センターに入って来たボールを逆クロスに打つためにはネットを越え てからかなり打点をひきつけないといけない。逆にワイドに入って来たボールをクロスに打つためにはネットを越えてすぐに打ちに行かなければならない。もし ネット上を同じ高さでボールが越えてくるのであれば、センターに来たボールは越えて距離がある分ボールが落ちてくる。センターからの逆クロスはワイドから のクロスより打点が低くなるのだ。ここでフォアもバックも同じ高さの打点で打とうという人はセンターに入って来たボールに対して前に突っ込みやすくなる。 ダブルスでネットに付きポジションをキープしつつクロス(センターに来ると逆クロスだが)の相手後衛にボールを返球するためには、センターに来たボールを かなり低い打点のローボレーで逆クロスに打てなければならないということだ。とにかくオープンコートに打ち返せばいいというシングルスのボレーとは違う。 クロスでのボレ・ストを徹底的に練習しておく必要があるのだ。
ちなみに、上記の理屈を考えるとダブルスにおけるセンターセオリーのわけがよく見えてくる。
ネットはただでさえワイドよりセンターの方が低いのである。センターへはラインが深い位置にあるので低いフラット気味弾道のボールを打ちやすい。しかも相 手ボレーヤーはポジションキープのため引きつけてローボレーをしてくれる。ストレートにいる相手前衛に捕まりさえしなければかなり厳しい突き球(ネット上 すれすれの高さで低いフラット気味の速いボールを打つこと。)を打てる。相手並行陣は攻められない。
ワイドへはネットが高いだけでなくサイドライン前までの距離がないので、スピンを多めにかけて落とさないとコートに入ってくれない。ボレーはバウンドして から弾まないのでストローカーは打点が低くなる。持ち上げてスピンは難しい。しかも相手は打点が前で高いのでストレートにもアングルにも打ちやすい。相手 並行陣は攻めやすいというわけだ。