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第四房 「フォアハンドはいつになれば振り切れるのか」(2004/08/19)

 

試合になるとフォアハンドが何故か振り切れなくなることがあります。

練習ではしっかりと打てて、自分では得意なショットなはずなのに、試合ではフレームショットか、ヒット時点でスイングが止まってしまう。ボールが短くなる。遠くへ打とうとして腕に力が入り今度はネットかラインオーバーしてしまう。練習ではスピンがしっかりかかっているのに試合ではかからない。


ボレーと違ってストロークでは体に近く来たボールはフォアハンドに回り込んで打つので、実際ストロークの7割はフォアで打っている方が多いのではないでしょうか。ストロークの生命線とも言うべきフォアが振れてないと、シングルでもダブルスでもやはり満足に試合ができないでしょう。ほとんど自滅パターンで敗北です。


フォアが振れなくなる原因は人それぞれかもしれません。しかし、私個人の失敗の経験、そしてそこから挽回した経験、そしてその経験を元にみたほかの草トープレーヤーのフォアを見た結果から推測した原理・原則を紹介することは、同じ悩みを持つ人にとって、参考になると思います。


私の場合の原因は「肩が回っていない」事です。肩を回すためには肩を一回引かなければなりません、上半身をボディターンさせることです。これが出来ていないと手打ちになります。特に相手の球が遅いとそれが顕著です。ボールに勢いがあるとボレーのように打ち返すだけでもボールは飛びます。しかし、試合ってお互いに練習より慎重になってボールが「ぽわん、ぽわん」することがありますよね。勢いがないのによく跳ねるってやつです。これを打ち返そうとするとタイミングが取り辛く、ボールを待ちきれなくなりませんか。そして急にラケットだけ出してしまう。そう、手打ちです。

おへそと胸をボールに向けたまま、脚で飛び跳ねるだけでボールを待ってしまう。体が捻れていない、肩が引かれていない、だから肩が回らない。普段肩を回してボールを打っているのに、試合で肩を回さずに手だけで打つと、いつもの打点で打っているのに肩が回っていない分ボールが押せません。手が伸びきった所が打点になってしまっているからです。だから回転のかかっていない不安定なボールが飛んでいくのです。


理想は足をスクエアスタンスにして腰も肩も横に向ける、へそと胸を横に向けてボールを待ち、体重移動して腰を回し、少し遅れて肩を回してボールをヒットすることでしょう。しかし、実際の試合では、全てのショットを理想形で打てるわけないのです。そこで肩だけはしっかりと横に向けてボールを待つことを心がけるとフォアのストロークが安定します。オープンスタンスになっても、クローズドスタンスになっても、ランニングショットになっても、ジャンピングショットになっても、腰を捻れずへそが正面に向いたままでも、両肩のラインだけはネットに向けるようにするのです。そうすれば踏ん張りの効かないときでも肩を回してボールを打てます。

「フォアは肩を回して打つ。そのために肩だけはしっかり捻る(上体のボディターン)事を意識する」事が如空のコツです。フォアハンドの調子が悪いなと思ったら少々振り遅れてもいいから肩を引いてそこから肩を回すことです。肩を回そうと意識すれば、上体の突っ込みもなくなりますし、グリップに力を入れすぎてスイングがヒットで止まることもなくなります。


試合でうまくいかなかったとき、思い出すように如空は心がけています。


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