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第一房 「スマッシュはなぜ空振りするのか。 」(2004/05/25)

上級者と初中級者の違いが顕著に現れるのはスマッシュだと言われます。
特に初心者はよくスマッシュを空振りします。空振りが怖いからフォームがぎこちなくなる。チャンスボールがあがっても「チャンス!」と思えず「スマッシュ打たなけりゃいけないな、やだな」と苦手意識をもってしまう。昔バトミントン・バレーボール・野球などをしていた人はそれほど苦にはならないらしいですが、ボレー・ストロークでめったにない空振りがなぜか初心者のスマッシュでは起こります。
「横向きになり、(右利きの場合)左手をボールに向かって伸ばし、ラケットは上に担ぎ上げ、右ひじも高く上げておく。サイドステップでボールとの距離を測りながら、サーブ同様にオーバーヘッドスイングでボールを相手コートにたたきつける」が一般的な指導でしょう。しかし、これを忠実に行っても空振りは起こります。そして空振りを恐れてスイングが当てにいくスイングになり、フォームがおかしくなり、更に悪くなっていく。すると「準備が遅い」「構えが出来ていない」と注意されるようになる。心の中で「準備しても空振りしてしまうから自信をもって準備できないんじゃないか!」と叫んでも誰も理解はしてくれない。そんな悪循環にとらわれたことありませんか。

ボレー・ストロークではスプリットステップやボールのバウンド・相手のヒットなどでタイミングを取る方法を教わります。しかしスマッシュに関しては、いつスイングを開始するのかというタイミングの説明を私は受けたことがないし、読んだこともない。訊ねても答えられたコーチはいません。スマッシュ関して行われる指導・解説のほとんどがフォーム(準備)に関することでモーション(動き)とタイミングの話はされることはありません。ボレーやストローク、そして同じオーバーヘッドのサーブもある程度打てるのに、スマッシュだけはスイートスポットに当たらない。フォームが出来ているのに空振りやフレームショットを繰り返している人に対して「スマッシュは練習が不足気味になります。原因は練習不足です」の一言で片付ける人もいますが、原因は練習不足だけでしょうか?
ちなみに準備をしっかりする練習として、スマッシュの姿勢のままロブを追いかけ、打たずにそのままボールを逆手でキャッチする練習がありますよね。あの練習は準備を早くする効果はあっても空振りはなくなりませんよね。空振りは位置や準備の練習をしても解決してくれません。落下点に正確に正しく入って、正しいフォームですばやく準備をしてもスイングのタイミングがわからなければ意味がないのです。
厚い当りで打てるなら練習も身が入るでしょう。オーバーしたりネットしたりすることを防ぐことは、練習量を増やすことで解決するでしょう。しかし、ラケットに当たらない、あたってもフレームショットの場合は・・・・

タイミングを合わせる「コツ」はないのかもしれない。しかし空振りを防ぐコツはないものだろうか。

私のスマッシュがとにかく試合で使えるようになったのは「ラケットを振らずにスイートスポットでボールを捕らえる」事に専念した時からです。
理想のスマッシュというのは、リストを利かせて空いてコートに強くたたきつけ、バウンドしたボールが相手の頭を超えるようなスマッシュでしょう。威力があっても深く長いスマッシュでは相手がラケットで合わされたら返球されてしまう。特にダブルスでは深いところに2人待ち構えられると、角度をつけるか、頭を越すかしないとエースにはなりにくい。この相手の頭を超えるスマッシュを打ちたい。そして大きく空振りする。そして空振りを恐れてスイングできなくなる。

ロブや浮いたチャンスボールは遅いように見えて結構早く動いています。トスしたボールが空中で停まる所で打ちにいくサーブと違い、スマッシュはその早いボールを打たなければなりません。ストロークでも早い球を打ったりリターンしたりするときはテイクバックをコンパクトにして当てることに比重を置く様にしますよね。同様にスマッシュでもボレーほどでないにしてももっとコンパクトなスイングで打てないものだろうかと考えていました。空振りするのはスイングが大きいからだと原因の一つをそこに見出したのです。

一時期このたたきつけることを止めてみました。とにかくしっかりと厚く当てることに専念したのです。そのためにスイングをほとんどせず、「ボールの頭を面で押さえる」スマッシュにしました。打つタイミング・スイング開始のタイミングがわからない以上、スイングが完了した形でボールを待ったのです。ロブが上がるとラケットを担ぐだけでなく、ラケットを前に出し、コンチネンタルグリップで握った利き手親指を下に向け、ラケットとボールを同時に視界に入れてからボールの落下を待つ。ボールをこすり上げるようにラケット面をボールの後方上部に合わせ、そこでボールの頭を押さえるのです。威力は弱まります。ボールも追いづらいです。しかしオープンコートに打てば十分決まります。体は横向きにした方が良いですが正面を向いたままでもとにかく打てます。

このスマッシュを見つけるのにヒントとなるようなことがいくつかありました。

1:スマッシュが打てないことに業を煮やした当時のコーチが教えてくれたフォアハイボレー強化策。フォアのハイボレーの構えでボールを待ち、そこから利き腕の肘と肩を「くるっ」とまわしてスマッシュもどきを打つ。「くるっとまわす」とは具体的には水泳のクロールの動きで、いわゆる「ラケットを担ぎ、左手でボールを指し、体を横向きにする」準備をあきらめた方法。コーチはデモンストレーションでスマッシュ並みのボールをこの打法で打って見せた。

2:元テニスプレヤーの松岡修造氏が子供(テニスをしたことない子供達)にテニスを教えるTV番組を偶然に見たことがあります。そのとき松岡氏が子供達に教えていたスマッシュが「空中でお鍋のふたを開けて閉める」というスマッシュでした。ラケットを持った腕を上に、反対の腕を下にしてボールに向かって突き出し、ワニが口を開けるように上下に両手を開き、ボールが来たら両腕を閉じるようにしてボールを打つというスマッシュ。威力は全然ないですが、とにかく上から下にボールがたたかれています。腕を伸ばして鍋のふたを開けるように前に出すと肩のラインがボールに対して横を向くので、体が自然と横向きになる。後日、テニス雑誌の技術記事で同様の方法を初心者用スマッシュとして紹介していた。

3:スマッシュの練習中、コーチが「スマッシュの打点を確認します」といって、ラケットを高く上げ、そのコーチのラケット先端を練習生にラケットで上から押さえさせた。そのとき「ラケットを握っている手の親指を下にして」「右足から右手までが一直線になるイメージ。」「肘を高くする。」と指導を受けた。そしてスイングより、打点を意識してスマッシュをするとかなり安定した。

4:オーバーヘッドスイングの軌跡として「ボールの落下軌道に沿ってラケットを振り上げる。」というコツがある。空振りするのはボールの落下軌道とスイング軌道が一点しか交わっていないような振り下ろしのスイングをするからで、落下してくるボールに対して、下からこすり上げるようにラケットを振り上げれば当たるという理論。

上記の4つのヒントから私なりに考えた「コツ」は
   タイミングに関係なくボールとラケットを同じ視野の中で近づける。
   右肘をあまりたたまず、出来るだけラケットを高く前にセット。
   スイングを極力せず、リストも使わずボールの頭を押さえること。
   頭を押さえるとき右肩を上にスライドさせるように伸ばすこと。

の4点です。
どちらかというとスマッシュよりハイボレーに感覚が近いです。どうしても頭の上にラケットを持ち上げると腕・グリップに力が入ります。力が入るとスイングスピードは遅くなります。だから頭の上でラケットを上げて待つと力が入ってスイングできなくなるのです。ならスイングしなければいい。ボレーと同じで、ボールの上にラケットをのせた瞬間ギュッとグリップを握るだけです。この握るとき右肩の肩甲骨が上に、更に前にスライドして伸びてい行くような感覚があるとうまくいきます。
スイングがほとんどないのでタイミングがあわせやすい。ボールとラケットが同じ視界の中にあるので、後はボレーのごとく当てることが出来る。空振りはかなり減るはずです。

この頭を押さえるスマッシュでまずネットでのロブ対策を安定させ、調子がよければスイングして叩きつける本格的スマッシュを試みる。調子が悪いとき、大事なときはこの頭を押さえるスマッシュに戻り確実に入れる。確実な分、威力が落ちるので「それではスマッシュを打つ意味がない」と言われることもありますが、空振りするよりはましです。とりあえず厚い当りで入れる事が出来れば、自信を持ってネットにつけるし、リラックスして本格的スマッシュにも取り組めます。相手に多少なりともプレッシャーを与えることだって出来るのです。

段階的に成長していけばよいのです。最初から全てのこと完璧にしようとして0点ばかり取っていれば成長も何もあったものではありません。10点でも20点でもとにかく取ってみることです。理想を見つつ、自分の今の姿から離れず、一歩づつ今の自分を理想に近づけていけばいいのです。

補足としてこの「ボールの頭を押さえる」スマッシュから「本格的」なスマッシュに移行する際に、私なり考えて実践しようと努力していることを紹介しておきます。

「ロブが上がるとまずしゃがむ」
ストロークやボレーでは腰が落ちているのに、ロブが上がるとボールをボーと見上げてしまい、膝が伸びてしまいませんか。膝が伸びた状態で上を見ながら移動すると不安定で転んでしまいそうになります。思い切って「しゃがむ」位に膝を曲げて太ももに力を入れて、低い姿勢でボールを追うと安定して動けます。

「左の肘をボールに突き出す」
準備で左手をボールに指差すように伸ばしますが、手を伸ばすだけなら正面を向いたままでも出来てしまいます。ラケットを上に担ぐときに両手でラケットの持ち上げそのとき上げた左肘をボールに向けます。そうすると肩のラインが自然ボールに対して横向きになりやすくなります。余裕があるときは左肘を突き出した後に左手を突き出せばいいのです。

「担いだラケットは立てない」
頭より高い位置でラケットを維持しようとすると腕に力が入りスイングが出来なくなります。スイングをコンパクトにするため、利き腕の脇をあけ、肘を上げているなら無理にラケットを立てずに寝かして待った方が力を抜けます。頭を押さえるスマッシュと違い、スイングしてリストを利かせるスマッシュ、バレーボールのスパイクのようなスマッシュを打つためにはこの脱力が鍵です。
空振りを恐れている間は脱力なんて出来ませんよね。だから前段階として力が入ったまま打てる「ボールの頭を押さえるスマッシュ」をしてまず自信をつけるとよいとおもいます。
かっこ悪いですが「ラケット面で自分の後頭部をたたきながらボールを待つ」というコツもあります。

「軸足の蹴りでスイング開始」
スマッシュを打つときは横向きになりなさいといわれますが、なぜ横向きならなければならないか、その理由の説明はあまりなされませんよね。それは軸足の蹴りでスイングを主導するためだと「如空」は考えています。オーバーヘッドスイングは軸足をけって、そこから膝・腰・肩が順番に回転し右ひじがボールに向かって引き出され。最後にラケットが出て行くのです。そのためには軸足が重心より後ろ側にないとうまく行きません。軸足を腰より後ろにすると自然と体は横向きなります。これが横向きにならなくてはならない理由と考えます。肩をまわすだけならオープンスタンスで上体を捻り戻ししても出来るのですから。
スイング始動のきっかけを左手の引き手にすると、肩が横に回って右肘が下がったまま前に出やすくなります。これはフレームショットの原因になります。左手は引かずに体の前に残した方が、体が開かず右肘が高く上がります。右足のかかとを踏んでそこからスイングを開始すると理想的なオーバーヘッドスイングのフォームが生まれやすくなります。
このことは「右足で距離とタイミングを測る」という言い方も出来るでしょう。ロブがあがればまず軸足を後ろに下げ、右足の位置を意識しながらボールを見て移動、そしてココだというところで右足を蹴り、ラケットを振り上げる。これが本格的なスマッシュのコツのような気がします。まあ、この「ココだ」いうタイミングがわからないから初心者は苦労するのですけど。

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